新入社員意識調査(卸売業・小売業界編)
卸・小売業の新入社員は、リーダー志向が高い 成長のカギは現場の経験を無駄にしない「振り返り」
2022年7月19日
当社では、2022年3月31日~5月13日の期間、2022年入社の新入社員4,659人を対象に、働くことに関する価値観について実態調査を行いました。本調査レポートでは、その中でも卸売業・小売業に入社した新入社員の価値観について分析、考察しています。
背景
2022年入社の新入社員はZ世代とも呼ばれ、物心ついたときからすでにデジタル技術が発達している社会で育ってきました。さらに今年の新入社員は新型コロナウイルス感染症の影響により、学生時代の後半はオンライン授業やWEB会議ツールを用いたゼミなど、コミュニケーションの大部分をオンラインで行いました。社会では働き方改革やワークライフバランスといったプライベートと仕事のバランスを見直す動きもあり、転職や副業など、一つの会社だけにとどまらないキャリア形成を見聞きする機会も多くありました。そのような今年のZ世代新入社員は、仕事に対してどのような価値観をもっているのでしょうか。今回は、特に卸売業・小売業の新入社員の価値観について実態調査を行いました。本アンケート結果が、組織づくりや新入社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方、OJT担当の方にとって有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- 1.「組織を率いるリーダーとなりたい」が他業種より13.4ポイント高く1位
- 2. 身近なデバイスから学ぶより、人や海外を通して知見を広げる傾向あり
- 3. 6割が成長のために現場経験を求めるが、他業種に比べ振り返りへの意識は低い
1.「組織を率いるリーダーとなりたい」が他業種より13.4ポイント高く1位
「将来会社でどのような役割を担いたいですか」という設問に対して、卸売業・小売業の新入社員が最も多く選んだのは「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(36.4%)」でした。これは、卸売業・小売業を除く全業種(以下、『他業種』と記載)よりも13.4ポイント高い結果となりました。一方で、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい」は18.2%と、他業種より12.8ポイント低い結果となりました。(図1)
上記設問で「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい」と選択した新入社員にその理由を尋ねたところ、「人を束ねて、大きな仕事をしてみたいから(38.9%)」と回答した割合が最も高くなりました。
他業種と比較すると、「人を束ねて、大きな仕事をしてみたいから」が2.9ポイント、「将来経営層として会社を引っぱっていきたいから(28.3%)」が5.3ポイント高い結果でした。(図2)
また、これからの仕事に対する意欲を0%~100%で尋ねたところ、卸売業・小売業では39.5%の方が「100%」と回答しました。100%と回答した割合は、他業種より8.1ポイント高い結果となり、仕事へのやる気の高さが伺えます。(図3)
卸売業・小売業の新入社員は、他業種よりもリーダーとして大きな仕事をしたい、会社を引っ張っていきたいというリーダー志向が高いことや、仕事に対し意欲的な人の割合が高いことが明らかとなりました。特に、小売業は一般消費者にとって身近な業界であり、学生の頃から小売業の従業員を目にしたり、人によってはアルバイトなど、自身が小売業で働いた経験を持つ方もいるでしょう。そうした経験からお店の店長やマネージャーなど、リーダーという存在を身近に感じる機会があり、自分の将来像としてイメージしやすかったのかもしれません。
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