若手社員の意識調査 社会人2~4年目の壁【上司とキャリア編】
2年目、3年目、4年目の若手社員の約4割が今の会社で働き続けることに不安!不安を感じているポイントに合わせ、視野を広げてあげることが重要

2022年10月26日

調査・研究

当社では、2022年7月、社会人2年目~4年目の900人に対し、2022年7月に直面している壁に関する意識調査を行いました。本調査レポートでは、2年目、3年目、4年目と各年次が、上司や後輩との人間関係に関する壁、自身のキャリアに関する壁について、どのような価値観をもっているか調査結果を公表いたします。

背景

当社ではこれまで、新入社員の意識調査や入社1年目のギャップに関する調査など、1年目社員の調査を様々な視点で行ってきました。人材育成、採用などの業界においても1年目社員に関する調査は数多く実施されていますが、2~4年目の社員に関しては1年目ほどフォーカスが当たっていないのが現状です。一般的に"若手"と一括りにされることが多い年次ですが、各年次における意識は多種多様ではないでしょうか。若手が思うように育たない、新人研修やOJTなど時間やコストを投資したがすぐに辞めてしまう、これからというタイミングで転職してしまうなど、若手に関する悩みは多くの企業が抱えており、当社にも日々相談が来ています。その解決の糸口をみつけるために、若手を紐解き、2年目、3年目、4年目と各年次がそれぞれどのような価値観を持ち、悩みを抱えているのか、また共通点や違いは何かを明らかにすべく、各年次に対して調査を実施しました。本調査はこのような点からも他に例をみない調査となりました。調査結果が新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。

調査結果の概要

  • ●「上司との人間関係における苦労、この会社で働き続けることへの不安」2年目が最も高く約4割が実感

  • ● 上司との関係で苦労した場面、全年次共通で「適切な指示を出してくれない」。2年目は「相談に乗ってくれない」、3年目は「年が離れている」、4年目は「意見が合わない」ときにおいて他年次より苦労を実感

  • ● 上司との関係で苦労した状況、2、3年目は「不安」に感じ、4年目は「不満」「会社を辞めたくなった」

  • ● 後輩との関係で苦労した場面、2年目は「教え方が分からない、うまく教えられない」、3年目、4年目は「意見が合わない」とき

  • ● 後輩との関係で苦労した状況、2年目は「期待に応えよう」と感じ、3年目は「不安」、4年目は「不満」を感じる

  • ● 今の会社で働き続けることに不安を抱く場面、2年目「働き方が理想ではない」、3年目「キャリアについて考える余裕がない」、4年目「身近に目指すべき存在がいない」

  • ● 今の会社で働き続けることに不安を抱く状況、全年次共通で「不安」に感じ、全年次の1/4が離職意向を選択
(図1)

1.「上司との人間関係における苦労、この会社で働き続けることへの不安」2年目が最も高く約4割が実感

本調査では、社会人2年目、3年目、4年目の若手社員に対し、現在どのようなことに困難を感じているか、不安を感じているか、仕事や上司、キャリアや自身の成長など、16の項目(以下、『16の壁』と記載)について質問しました。その中でも、「上司との人間関係について、苦労したことがある」「後輩との人間関係について、苦労したことがある」「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安を感じることがある」といった上司・後輩との人間関係の壁、自身の今後のキャリアが描けないというキャリア不安の壁について、結果を年次別に比較しました。

まずは、「上司との人間関係について、苦労したことがある」について年次別に見ると、社会人2年目が40.3%と最も高い割合となり、3年目が37.7%、4年目が38.7%となりました。

次に、「後輩との人間関係について、苦労したことがある」については、社会人2年目が22.7%と最も高い結果となり、3年目が21.7%、4年目が18.3%となりました。

そして、「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安を感じることがある」については、社会人2年目が41.3%と最も高く、3年目、4年目が同率の40.7%となりました。

後輩との人間関係における苦労は、年次が上がるにつれて解消される結果となりましたが、上司との関係は3年目で多少解消されるものの4年目では再び上昇。キャリア不安については、2年目が最も高く、その後年次が上がってもほとんど解消されない結果となりました。(図1)

(図1)

2. 上司との関係で苦労した場面、全年次共通で「適切な指示を出してくれない」。2年目は「相談に乗ってくれない」、3年目は「年が離れている」、4年目は「意見が合わない」ときにおいて他年次より苦労を実感

ここからは、前述した「上司との人間関係について、苦労したことがある」「後輩との人間関係について、苦労したことがある」「今後のキャリアが描けず、この会社で働き続けることに不安を感じることがある」の3つの項目について、具体的にどのような場面か、またそれらの場面をどのように捉えたか、見ていきます。

まずは、「上司との人間関係について、苦労したことがある」と回答した人に、具体的にどのような場面で苦労したのか質問しました。結果、「適切な指示を出してくれない」が、各年次最も高い結果となりました(社会人2年目23.1%、社会人3年目24.8%、社会人4年目24.1%)。

2年目の2位には「厳しい/怖い(18.2%)」、3年目の2位には「意見が合わない」「厳しい/怖い」が同率で17.7%でした。4年目の2位には「意見が合わない(20.7%)」が入り、こちらは2年目と比べると5.0ポイントの差が出ました。

その他、年次で差がついた項目は、「適切なフィードバックをもらえない」「相談に乗ってくれない」は2年目が最も高く、特に「相談に乗ってくれない」については3,4年次と8ポイント程の差となりました。また、割合は低いですが、「年が離れている」については、3年目が最も高く、2年目とは6.4ポイントの差が出ました。(図2)

(図2)

3. 上司との関係で苦労した状況、2、3年目は「不安」に感じ、4年目は「不満」「会社を辞めたくなった」

上司との人間関係について、様々な場面で苦労を感じていることがわかりましたが、その状況を各年次の社員はどのように捉えているのでしょうか。

社会人2年目、3年目は「不安に感じた」が最も高く、それぞれ30.6%、26.5%が回答。社会人4年目に関しては、「不満を抱いた」「会社を辞めたくなった」が23.3%の同率1位に。2、3年目の2位、3位にも「不満を抱いた」「会社を辞めたくなった」が入る結果となりました。

その他、年次で差がついた項目は、「期待に応えようと感じた」は2年目が最も高く、4年目よりも5.3ポイント高くなりました。「負けたくない・悔しいと感じた」は3年目が最も高く、4年目よりも5.5ポイント高い結果に。前述の「会社を辞めたくなった」については、4年目は2年目よりも5.9ポイント高く、年次ごとに差が出る結果となりました(図3)。

(図3)

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