若手社員の意識調査 社会人2~4年目の壁【自分の成長とスキル編】
全年次は「役割が変化しない状況」に成長不安。2年目、4年目は「昇進できない」、3年目は「期待を聞いたことがない」状況にも不安を実感。キャリア形成を支援し、期待を伝え、成長軌道へ

2022年11月2日

調査・研究

当社では、2022年7月、社会人2年目~4年目の900人に対し、2022年7月に直面している壁に関する意識調査を行いました。本調査レポートでは、2年目、3年目、4年目と各年次が、自身の成長やスキル・知識に関する壁について、どのような価値観をもっているか調査結果を公表いたします。

背景

当社ではこれまで、新入社員の意識調査や入社1年目のギャップに関する調査など、1年目社員の調査を様々な視点で行ってきました。人材育成、採用などの業界においても1年目社員に関する調査は数多く実施されていますが、2~4年目の社員に関しては1年目ほどフォーカスが当たっていないのが現状です。一般的に"若手"と一括りにされることが多い年次ですが、各年次における意識は多種多様ではないでしょうか。若手が思うように育たない、新人研修やOJTなど時間やコストを投資したがすぐに辞めてしまう、これからというタイミングで転職してしまうなど、若手に関する悩みは多くの企業が抱えており、当社にも日々相談が来ています。その解決の糸口をみつけるために、若手を紐解き、2年目、3年目、4年目と各年次がそれぞれどのような価値観を持ち、悩みを抱えているのか、また共通点や違いは何かを明らかにすべく、各年次に対して調査を実施しました。本調査はこのような点からも他に例をみない調査となりました。調査結果が新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。

調査結果の概要

  • ●「自分の成長」への不安は2年目が最も高く、「知識・スキル」への不安は4年目が最も高い。3年目はどちらも低い"く"の字傾向

  • ● 自分の成長に不安を感じる場面、全年次共通で3割超が「役割が変化しない」とき。 2、4年目は「昇進・昇格できない」、3年目は「期待を聞いたことがない」ときにも成長不安を実感

  • ● 自分の評価が適切ではないと感じる場面、2年目「昇進・昇格できない」、3年目「期待を聞いたことがない、褒められたことがない」、4年目「チャンスが回ってこない」とき

  • ● 自分の評価が適切ではない状況に対し、2、4年目は会社を辞めたくなり、3年目は不満を抱く

  • ● 自分に足りない知識・スキル、2、4年目は「プレゼンテーション力」「発想力」、3年目は「計画力」「実行力」

(図1)

1.「自分の成長」への不安は2年目が最も高く、「知識・スキル」への不安は4年目が最も高い。3年目はどちらも低い"く"の字傾向

本調査では、社会人2年目、3年目、4年目の若手社員に対し、現在どのようなことに困難を感じているか、不安を感じているか、仕事や上司、キャリアや自分の成長など、16の項目(以下、『16の壁』と記載)について質問しました。その中でも、「自分の成長に不安を感じることがある」「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」といった自分自身の成長や知識・スキルの壁について、結果を年次別に比較しました。

まずは、「自分の成長に不安を感じることがある」について年次別に見ると、社会人2年目が48.3%と最も高い割合となり、3年目が43.0%、4年目が45.3%でした。

次に、「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」については、社会人2年目が42.3%となり、3年目が39.3%、4年目が45.7%と4年目が最も高い結果となりました。

どちらの結果も3年目には一度下がり、4年目には上がるという傾向が見られました。このように、3年目が低くなる"く"の字傾向は1回目の「TOP3編*」(仕事を進める上での壁、仕事の量の壁、仕事の飽きの壁)や2回目の「ストレッチ業務編*」(難しい仕事の壁、精神的に追い詰められる壁)の結果においても見られ、16の全ての壁のうち半数以上の項目で、社会人3年目が他年次よりも低いという結果が見られました。(図1)*「まとめ」参照

(図1)

2. 自分の成長に不安を感じる場面、全年次共通で3割超が「役割が変化しない」とき。 2、4年目は「昇進・昇格できない」、3年目は「期待を聞いたことがない」ときにも成長不安を実感

「自分の成長に不安を感じることがある」と回答した人に、具体的にどのような場面で成長不安を感じたのか質問しました。結果、「役割が変化しない」が、各年次最も高い結果となりました(社会人2年目34.5%、社会人3年目38.8%、社会人4年目36.8%)。

続いて、2年目の2位には「昇進・昇格できない」「期待を聞いたことがない」が同率17.9%、3年目の2位には「期待を聞いたことがない(20.2%)」が入り、4年目の2位には2年目同様に「昇進・昇格できない(22.1%)」が入りました。

年次での差に注目すると、「昇進・昇格できない」においては、4年目と3年目の差が大きく、4年目が7.4ポイント高くなりました。「期待を聞いたことがない」は3年目と4年目の差が大きく、3年目が8.4ポイント高くなりました。また、割合はそこまで高くはありませんが、「少ない業務しか回ってこない」、「簡単な業務しか回ってこない」の2項目のみ、2年目が他年次よりも高く、特に「少ない業務しかまわってこない」については、4年目と5.7ポイントの差がつく結果でした。(図2)

(図2)

3. 自分の評価が適切ではないと感じる場面、2年目「昇進・昇格できない」、3年目「期待を聞いたことがない、褒められたことがない」、4年目「チャンスが回ってこない」とき

前述の成長不安の壁同様、「昇進・昇格できない」「期待を聞いたことがない」が回答の上位となった設問が、評価に関する壁です。

評価に関する壁では、「自分の評価が適切ではない」と感じている社会人2~4年目に対して具体的にどのような場面で適切ではないと感じたのか質問しました。

社会人2年目は「昇進・昇格できない(27.5%)」が最も高く、2位である「褒められたことがない(15.9%)」から10ポイント以上の差をつけ、断トツの1位となりました。3年目においては「期待を聞いたことがない」「褒められたことがない」が18.9%で最も高く、特に「期待を聞いたことがない」については4年目と11.3ポイントの差がつきました。4年目に関しては、「チャンスが回ってこない(24.2%)」が最も高く2年目と14.1ポイントの差がつきました。評価においては、順位やポイントに大きな差が出る結果となり、年次ごとの意識差が明らかとなりました。(図3)

(図3)

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