ビジネスマナーとは?基本5原則から実践一覧・研修方法まで解説

update更新日:2026.01.22 published公開日:2016.12.21
ビジネスマナーとは?基本5原則から実践一覧・研修方法まで解説
目次

ビジネスマナーは、社会人が仕事をスムーズに進めるために欠かせない基本的なスキルです。社内外の人々と良好な関係を築き、維持するために重要な役割を果たします。

本コラムでは、身だしなみや服装、言葉遣いから電話応対名刺交換の作法まで、社会人に必要なビジネスマナー一覧を解説します。

ビジネスマナーとは?社会人に求められる基本の考え方

社会人として働くうえで、知識やスキルだけでは十分ではありません。相手に敬意を払い、円滑な人間関係を築くためには、ビジネスマナーを理解し実践することが不可欠です。

最初に、ビジネスマナーの定義や役割を整理し、社会人に求められる基本的な考え方について解説します。

ビジネスマナーの定義と役割

ビジネスマナーとは、職場や取引先での人間関係を円滑にするための「共通ルール」です。基本的な礼儀作法や言葉遣い、身だしなみ、態度などを通じて、相手に敬意を示すことが目的です。

マナーを守ることは単なる形式ではなく、相手を思いやる気持ちを形にしたものだといえます。

ビジネスマナーを実践すれば、信頼を得て円滑なコミュニケーションが可能になり、チームの成果や取引の成功にも直結します。

つまり、ビジネスマナーは社会人にとって「信頼されるための基盤」であり、自分自身の評価を高める重要な役割を果たしているのです。

ビジネスマナーが必要とされる理由

ビジネスマナーは社会人にとって欠かせないスキルです。多くの企業が新入社員研修で取り上げるテーマであることも、その重要性を裏付けています。

ビジネスマナーが必要とされる理由として、主に以下の4つの効果が挙げられます。

【ビジネスマナーの主な効果】

効果 内容
信頼関係の構築 適切なマナーを心がけることで取引先や社内の人との信頼関係を築きやすくなる
顧客満足度の向上 丁寧な言葉遣いや適切な態度で接することで顧客に好印象を与えられる
職場環境の改善 お互いが気持ちよく仕事ができるよう相手を思いやる行動を心がけることで職場の雰囲気が良くなる。結果、チームワークの向上や生産性の向上につながる
コミュニケーションの円滑化 適切なマナーを守ることで相手との意思疎通がスムーズになり、業務の効率化やミス・トラブルの防止につながる

ビジネスマナーは単なる形式的なものではありません。ビジネスの成功や個人の成長に直結する重要なスキルです。日々の小さな心がけが大きな成果につながる可能性を組織全体で認識し、社員教育や評価制度に反映させることが大切です。

ビジネスマナーを習得していないことで起こるリスク

適切なビジネスマナーを身につけていないと、個人への印象だけでなく所属部署や組織、企業全体の評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、取引先のA社を訪問した際、社内ですれ違ったA社の社員がこちらをちらっと見るだけで挨拶をしなかったとしたらどのように感じるでしょうか。人それぞれですが、「A社の社員は感じが悪いな」と悪印象を抱き、極端な場合「A社とはあまり仕事したくないな」と思ってしまうかもしれません。このように相手の立場で考えると、社員一人ひとりが会社・組織の代表であることがわかります。

ビジネスマナーの欠如は、組織や会社全体に迷惑をかける恐れがあります。社内外の関係悪化や、クレーム・契約破棄などのトラブルを防ぐためにも、ビジネスマナーの習得は社会人にとって不可欠なのです。

ビジネスマナーの基本5原則

ビジネスマナーを理解するうえで欠かせないのが「基本5原則」です。

【ビジネスマナー基本5原則】

  • 表情
  • 挨拶
  • 身だしなみ
  • 言葉遣い
  • 態度

この5つは、第一印象を大きく左右する要素であり、信頼関係を築くための基盤となります。

どれか1つでも欠けると相手に違和感や不信感を与えてしまうため、社会人として常に意識して身につけておくことが重要です。

表情・挨拶・身だしなみ・言葉遣い・態度

まず「表情」は、相手に安心感や信頼感を与える大切な要素です。無表情や不機嫌そうな態度は、意図せず相手を不快にさせてしまいます。

次に「挨拶」は、社会人の基本動作であり、出勤時の「おはようございます」や退勤時の「お先に失礼します」といった一言が、職場の雰囲気を大きく変えます。

また「身だしなみ」は清潔感が重視され、だらしない服装や不衛生な印象はビジネス上の信頼を損ないます。「言葉遣い」は敬語や丁寧な表現が求められ、軽率な言い回しは誤解を生む可能性があります。

最後に「態度」は、立ち居振る舞いや人への接し方全般を指し、協調性や誠実さが伝わる行動が必要です。この5つを常に意識することで、周囲から信頼される社会人として評価を得られます。

ビジネスマナーの3原則・身だしなみ4原則との違い

ビジネススマナーには「5原則」のほかに「3原則」や「身だしなみ4原則」など、似た形で語られるものがあります。

ビジネスマナー3原則 挨拶・身だしなみ・言葉遣い
身だしなみ4原則 清潔感・機能性・調和・TPO(時・場所・場合)

「3原則」は主に「挨拶・身だしなみ・言葉遣い」を指し、基本的な振る舞いに特化したシンプルな考え方です。

一方で「身だしなみ4原則」は、清潔感・機能性・調和・TPO(時・場所・場合)といった外見の整え方に焦点を当てています。

ビジネスマナーの基本ルールには様々な定義がありますが、中でも、身だしなみは全てのルールや基本原則に入っている重要な要素です。

身だしなみは第一印象を左右する重要な要素であり、特に注意を払う必要があります。

身だしなみのポイント

身だしなみの基本は清潔感です。髪型、服装、持ちものなど、細部まで気を配ることを心がけましょう。

また、TPOに応じた服装選びも重要です。取引先との会議や顧客との面談など、重要な場面ではフォーマルな服装を選びましょう。身だしなみは、見た目だけの問題ではなく、ビジネスパーソンとしての意識や相手への敬意を示すものでもあります。

職場で身につけたいビジネスマナー一覧

ビジネスマナーの基本を理解したら、実際の職場で活かすことが大切です。

職場で身につけるべきビジネスマナーを一覧で示すと以下のようなものが挙げられます。

  • 出勤・勤務中の基本マナー
  • 挨拶
  • 姿勢
  • お辞儀
  • 敬語、言葉遣い
  • 来客応対時
  • 顧客や取引先の訪問時
  • 名刺交換
  • 電話
  • メール
  • ビジネス文書

日々の出勤や勤務態度、言葉遣いは、信頼される社会人になるための基盤となります。特に、新入社員や転職直後は第一印象が今後の評価につながるため、最低限のマナーを意識して行動することが重要です。

ここでは、職場で実践すべき基本的なマナーを整理して紹介します。

出勤・勤務中の基本マナー

社会人にとって時間を守ることは最も基本的なマナーです。始業時刻に間に合うだけでなく、余裕を持って出社し、始業前には仕事に取りかかれるように準備を整えることが、信頼につながります。

また、勤務中は周囲への配慮が欠かせません。大きな物音や私語で同僚の集中を妨げないこと、報告・連絡・相談を怠らないことも大切です。さらに、職場での人間関係を円滑にするためには、感謝やねぎらいの言葉を自然に口にできる姿勢が必要です。これらの習慣を積み重ねることで、協調性があり安心して仕事を任せられる存在として評価されます。

挨拶は、ビジネスにおけるコミュニケーションの第一歩です。良好な人間関係を築くうえで欠かせません。相手に好印象を与え、信頼関係を構築するための重要な機会と捉えましょう。

【正しい挨拶のポイント】

ポイント 内容
姿勢 胸を張って姿勢を正す
明るくハキハキとした声で話す
表情 笑顔を心がける(口角を少し上げるだけでも効果的)
視線 相手の目を見て挨拶する
言葉選び 状況に応じて挨拶の言葉を選ぶ

職場でよく用いられる挨拶としては、出勤時の「おはようございます」や、日中の「お疲れさまです」、退社時の「お先に失礼いたします」などがあります。ただし、これらはあくまで一般的な例です。職場や状況に応じて、ふさわしい挨拶をすることが大切です。

なお、基本的なビジネスマナーとして、相手よりも先に自分から挨拶をするように心がけましょう。日頃から挨拶を習慣化することは、社会人に意外と多く見られる人見知りの克服にも役立ちます。

姿勢とお辞儀

「姿勢」と「お辞儀」は、身だしなみと同様に、相手に与える印象に大いに影響する重要なビジネスマナーです。初対面の相手だけでなく、日々の報告や挨拶など、様々な場面で周囲の人に観察されていることを意識しましょう。

「姿勢」の基本

正しい立ち姿勢のポイントは以下の通りです。

  1. a. 背筋を伸ばす
  2. b. 胸を張る
  3. c. 手は足の横にまっすぐ添える、またはへそのあたりで重ねる
  4. d. かかとをつける

良い姿勢で立つことで、相手に自信や誠意が伝わり、好印象を与えられます。

「お辞儀」の種類と使い分け

お辞儀は、「会釈」「敬礼」「最敬礼」の3種類に分類されます。ビジネスシーンでの一般的な使い分けは以下の通りです。

【「お辞儀」の種類と使い分け】

お辞儀の種類 使用場面 頭を下げる角度
会釈 上司・同僚・お客さまとすれ違うとき 約15度
敬礼 お客さまをお見送りするとき 約30度
最敬礼 クレーム対応時のお詫びや深い感謝を示すとき 約45度

お辞儀をする際は、首を曲げたり背中を丸めたりするのではなく、背筋を伸ばし上体だけを傾けて、見た目にも美しく映る姿勢を心がけましょう。

敬語・言葉遣いの基本ルール

言葉遣いは、相手に敬意を伝える手段であり、社会人に欠かせないビジネスマナーです。

特に敬語は、尊敬語・謙譲語・丁寧語を適切に使い分ける必要があります。丁寧語を基本とし、状況に応じて尊敬語や謙譲語を適切に使い分けましょう。

【敬語の種類と具体例】

種類 役割 具体例
丁寧語 基本的な敬意を表す です・ます調(「行きます」「言います」など)
尊敬語 相手の行動に対し、相手を高めて敬意を表す 「いらっしゃる」「おっしゃる」「ご覧になる」など
謙譲語 自分の行動に対し、自分を低めることで相手を立てる 「うかがう」「申し上げる」「させていただく」など

言葉遣いは、ビジネスコミュニケーションの基本となるスキルです。単に敬語を使うだけでなく、状況や相手に応じて適切な表現を選ぶことが重要です。

来客応対・訪問・名刺交換のビジネスマナー

社外の方と接する場面では、応対、訪問、名刺交換のいずれもが会社の評価に直結します。

ビジネスマナーを正しく実践することは、相手への敬意を表すだけでなく、自社への信頼を高める効果もあります。特に若手社員や新入社員は細かい所作が見られやすいため、あらかじめ正しい流れを身につけておくことが重要です。

ここでは、来客応対から訪問までの基本的なマナーを確認しておきましょう。

来客応対と案内の流れ

来客応対は、最初の挨拶から席への案内まで一連の流れを丁寧に行うことが大切です。

  • 来客を確認したらできるだけ早く立ちあがり対応します
  • 明るい表情で挨拶し、アポイントメントを確認します
  • 応接室へ案内します
  • 歩く際は相手の半歩前を歩き、エレベーターやドアを開ける際には相手を先に通します
  • 席に着く際には相手を上座に案内します
  • 担当者が来ることをお伝えし、お辞儀をして下がります

飲み物を提供する場合は、ドアをノックしてから会釈または「失礼いたします」と声をかけ、座っている人の手前右側から出すのが望ましいです。お見送りが必要な時には、お客さまの姿が見えなくなるまで待ちましょう。

こうした小さな配慮の積み重ねが、会社全体の印象を左右します。

名刺交換の正しい手順と注意点

名刺交換はビジネスの第一歩です。手順を誤ると相手に失礼に当たります。以下のポイントを踏まえ、丁寧で失礼のない名刺交換を心がけましょう。

【名刺交換の基本的な流れとポイント】

  1. a. 立場が下の人が先に名乗り、相手の名刺入れの上に名刺を差し出します
  2. 例:「はじめまして。私、○○会社の○○と申します。よろしくお願いいたします」
  3. b. 差し出された名刺は、名刺入れの上に乗せながら「ちょうだいいたします」と言って両手で丁寧に受け取ります
  4. c. 名刺は両手で胸の正面で持ちます

基本は「自分から先に差し出す」ことですが、立場が下の者や訪問側が先に渡すのが慣例です。名刺は両手で持ち、相手の目を見ながら差し出します。受け取る際は名刺の文字に指をかけないよう注意し、受け取ったらすぐに確認してから机の上に並べます。

名刺を粗末に扱うことは相手そのものを軽んじる印象を与えるため、扱い方に細心の注意を払うことが必要です。

訪問時のマナー(入室・座席・上座下座)

取引先を訪問する際は、入室の所作や座席の位置に気を配りましょう。

ノックは3回が基本で、「どうぞ」と声をかけられてから入室します。ドアは静かに開閉し、入室後は一礼してから着席します。

座席に関しては、出入口から最も遠い位置が上座であり、訪問者は上座に案内されるのが一般的です。上司と同行する場合は、上司より下座に座るようにしましょう。

商談や会議の場面では、上座と下座の位置関係を理解しておくことで、場の流れを乱さず、スムーズに対応できます。

電話・メールにおけるビジネスマナー

職場では電話やメールを通じて社外・社内の人とやり取りする機会が多くあります。

その対応は、本人だけでなく会社全体の印象を大きく左右します。電話は声のトーンや応対スピードが重要であり、メールは文章の正確さや敬語の使い方が信頼を左右します。

いずれも形式にとらわれず、相手を思いやる姿勢が大切です。ここでは、電話応対とメールの書き方における基本的なマナーを確認していきましょう。

電話応対の基本

電話応対は、第一声が会社の印象を左右する重要な場面です。誠実な電話応対は、信頼されるビジネスパーソンとして評価される第一歩となります。

原則として3コール以内に応答し、明るくはっきりとした声で「会社名・自分の名前」を名乗ることが基本です。相手の要件を正確に理解するためには、聞き取りやすい速さで話し、重要な内容は必ずメモに残します。また、相手の時間を無駄にしないために、要点を整理した回答を心がけましょう。取り次ぎの際には「少々お待ちください」と一言添えるなど、相手を不安にさせない配慮も大切です。

以下は、電話を受け取る際の一般的な流れです。

【「電話応対」の一般的な流れ】

段階 行動
準備 メモとペンを常に手元に置いておきましょう
応答 3コール以内に出て、会社名・部署名・自分の名前を名乗ります
相手の確認 相手の企業名・部署名・名前を正確に聞き取り、復唱します
用件の確認 正確にメモを取り、最後に内容を復唱します
取り次ぎ 在席の場合は保留ボタンを押して取り次ぎます。不在の場合は折り返しか伝言かを確認します。
終了 感謝の気持ちを伝え、相手が電話を切るのを確認してから静かに受話器を置きます

電話応対は音声のみのコミュニケーションであるため、対面以上に細やかな配慮が求められます。上記のポイントを意識しながら、相手に好印象を与え、信頼関係を築くよう心がけましょう。

ビジネスメールの書き方とマナー

ビジネスメールは、相手に正確で丁寧な情報を伝える手段です。しかし、細かなニュアンスが伝わりにくい点に注意が必要です。また、用件の緊急性に応じて、対面や電話とうまく使い分けることが求められます。

社内外の人とメールでやり取りをする際は、以下の点に気をつけましょう。

【メール作成における主な注意点】

項目 注意点
言葉遣い

顔文字や絵文字は使用しない

ネガティブな表現は避け、ポジティブな表現を心がける

件名

メールの内容がわかりやすいように簡潔に記載する

「○○のご連絡」「○○のご送付」などの形式が一般的

送信アドレス 「To」「CC」「BCC」の使い分けに注意する(「BCC」のみ、他の受信者に知られずに送信できる)
署名

ビジネスメールの末尾に氏名・会社名・部署名・電話番号・メールアドレスなどを記載する

上下を罫線で挟むなど、見やすくデザインを工夫する

記載する内容は社外用と社内用で使い分ける

本文は長くなりすぎず、要点を箇条書きにするなどして読みやすさを意識します。また、誤字脱字は信頼を損なうため送信前に必ず確認しましょう。避けるべき表現としては、「とりあえず」「すぐにやります」など曖昧な言葉や、過度にくだけた口語表現が挙げられます。代わりに「至急対応いたします」「確認のうえご連絡いたします」といった具体的で丁寧な表現を使うことが適切です。

正しい言葉遣いと形式を守ることで、相手に安心感と信頼を与えられます。

参考:福島県雇用労政課「“職場のルールとマナー”令和2年度版 労働ハンドブック」

ビジネス文書のマナー

ビジネス文書の目的は、情報や意図を相手に正確に伝えることです。相手に誤解なく内容を理解してもらうために、正しくわかりやすい文章を書く必要があります。

ビジネス文書は、その内容によって社内文書と社外文書に大別されます。それぞれの特徴は以下の通りです。

【ビジネス文書の主な種類と特徴】

文書の種類 目的 特徴 注意点
社内文書 社内での情報伝達や共有

儀礼的な挨拶は省略する

ひな型を使用することが多い

実用的な内容構成

正確な情報伝達が必要
社外文書

社交(挨拶状/招待状など)

取引(注文書/案内状など)

企業を代表する文書

相手への配慮が必要

社内文書以上に正確性が求められる

適切な敬語の使用が不可欠

ビジネス文書を作成する際は、「誰に、何を伝えたいのか」を心がける必要があります。特に、以下の点に気をつけましょう。

  • 原則として結論から書く
  • 曖昧な表現は避ける
  • 専門用語を多用しない
  • 主語と述語を明確にする
  • 一文は50文字以内が目安
  • 誤字脱字・敬語の使い方に注意する

簡潔で明確な文章を心がけることで、ビジネスにおける効率的なコミュニケーションが可能になります。文書作成後は必ず見直しを行い、誤字脱字や不適切な表現がないか確認しましょう。

ビジネスマナー研修・検定・学習方法

ビジネスマナーは知識として理解するだけでなく、実践を通じて習得することが重要です。そのため、多くの企業では新入社員研修や若手社員向けのプログラムとしてマナー研修を取り入れています。

また、「ビジネスマナー検定」という資格もあり、企業のビジネスマナー研修や自発的なスキルアップとして活用されています。

ここでは、企業研修で学べる内容や、検定を通じた学習のメリットを紹介します。

企業研修で扱われる主なテーマと流れ

企業が実施するビジネスマナー研修では、まず社会人としての心構えや基本的な挨拶、身だしなみといった基礎から学び始めます。

その後、電話応対・メール作成・来客対応・名刺交換など実践的な演習を行うのが一般的です。

研修ではロールプレイ形式が多く取り入れられ、実際の場面を想定した練習によって、自然な所作を身につけられます。さらに、上座・下座の理解や会議での立ち振る舞いなど、状況に応じた応用的なマナーも扱われます。

こうした研修を受けることで、社会人としての不安を解消し、自信を持って仕事に臨めるようになります。ビジネスマナー研修は形式的な指導ではなく、組織の信頼性を高める重要な教育の場として、多くの企業に導入されています。

ビジネスマナー検定の概要とメリット

ビジネスマナー検定は、社会人として必要なマナーを体系的に学ぶ検定試験で、複数の民間団体が検定試験を実施しています。

中でも、「ビジネスマナー実務検定」は職種や業界に関係なく社会人に必要なビジネスマナーを体系的に学べるものです。1~3級の資格制度があり、毎回3,000名以上の人が受験しています。

【ビジネスマナー実務検定の概要】

運営団体 公益財団法人 実務技能検定協会
資格 1~3級
試験方式 CBT方式・筆記
出題内容

必要とされる資質

企業実務

対人関係

電話実務

技能

このほかにも、公益社団法人全国経理教育協会が運営する「社会人常識マナー検定」や一般社団法人全国検定教育振興会運営の「ビジネスマナー検定試験」など様々な検定試験があります。

これらの検定試験では、受験を通じて体系的かつ汎用的なビジネスマナーを学べる点がメリットです。自分の理解度を確認できるため、自己学習やリスキリングにも活用できます。

参考:ビジネス系検定|ビジネス実務マナー検定

公益社団法人 全国経理教育協会 ZENKEI 社会人常識マナー検定

ビジネスマナー検定試験

ビジネスマナー指導における5つのポイント

ビジネスマナーの指導は、新入社員教育だけでなく、既存社員の能力開発においても重要な役割を果たします。以下に、ビジネスマナーを指導する際の重要なポイントを5つご紹介します。

(1)ビジネスマナーの本質を理解させる

ビジネスマナーは単なるルールではありません。その根本には「相手を思いやる気持ちを言動で表すこと」があります。まずは、この本質を理解させることが重要です。

指導の際は、ビジネスマナーの背景にある考え方や意図を丁寧に説明しましょう。そうすることで、社員たちはマナーがただの形式的な行動ではなく、相手を尊重する姿勢そのものであることをより深く理解できるはずです。

(2)実践を通じて習得させる

研修で学んだ内容は、時間が経つと忘れてしまいがちです。実際のビジネスシーンでの経験を通じて学んだ方が、効果的に習得できるでしょう。

例えば、ロールプレイングや実際の業務で実践する機会を設けると、マナーが定着しやすくなります。実践後にフィードバックを行い、改善点や良かった点を共有することで、さらなる成長につながります。

(3)社会人として接する

特に新入社員に対しては、学生扱いしないことが重要です。社会人として接し、指導者として彼らの意見や価値観を尊重する姿勢が求められます。

新入社員の意見に耳を傾け、建設的な議論ができる環境を作ることで、社員の成長につながります。また、責任ある仕事を任せ、社会人としての自覚を持たせる方法も効果的です。

(4)指導側の意見を押し付けない

ビジネスマナーを指導する際は、異なる価値観や考え方を持つ社員の意見も尊重しながら進めていく姿勢が大切です。多様な意見を受け入れる姿勢を示すことで、社員の問題解決能力を引き出せるでしょう。

もし意見の相違がある場合は、建設的な対話を通じてともに解決策を見いだす作業も必要となってくるでしょう。

(5)社員の自立を促す

ビジネスマナーの指導は、指示だけで終わらず、自分で考えて行動できるよう促すことが重要です。仕事の目標を伝え、達成方法は自分で考えさせることで、自立した社会人へと成長を促せます。

具体的には、「なぜそう考えたのか」「他の方法はないか」といった質問を投げかけ、社員自身に考えさせる機会を設けましょう。また、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢を評価し、失敗から学ぶ機会を提供することも、自立を促すために大切なポイントです。

ビジネスマナー習得までの4ステップ

ビジネスマナーは知識だけでなく、実践を通じて身につけることが大切です。効果的に習得するためには、次の手順で進めることをおすすめします。

【ビジネスマナー習得までの4ステップ】

  1. (1)マナーの重要性と未習得のリスクを理解する
  2. (2)正しい作法とマナーを学ぶ
  3. (3)学んだマナーを実際のビジネス場面で実践する
  4. (4)他者からフィードバックを受け、改善点を把握し修正する

正しいビジネスマナーを身につけるには、他の人からのフィードバックが何よりも重要です。本人だけでは気づきにくい点も、他者の意見を聞くことで問題が明確になり、より効果的に習得できます。組織全体で協力し、互いに学び合える環境を作ることが、ビジネスマナー習得の近道となるでしょう。

ビジネスマナー研修は組織全体に必要な投資

ビジネスマナーは社員一人ひとりの信頼性を高め、組織全体の評価にも直結する重要な要素です。特に新入社員や若手層にとっては、基本の5原則や電話・メール対応の習得が早期の成長に不可欠です。体系的な研修を導入することで、現場で即実践できるマナーが身につき、取引先や顧客からの信頼向上にもつながります。

人材定着や組織力強化を目指す人事部にとって、ビジネスマナー研修は効果的な投資といえるでしょう。

ALL DIFFERENT株式会社では、新入社員・若手社員向けのビジネスマナー研修を提供しています。基本の5原則から、席次や名刺交換など実践的な内容まで、幅広く学習できる研修メニューとなっていますので、ぜひご活用ください。