人的資本経営とは?経済産業省と伊藤レポート、企業の取り組み事例などを解説
公開日:2026.10.09

人的資本経営とは、企業価値を生み出す重要な資本として人材を捉え、その能力や可能性を最大限に引き出すことで、企業の持続的成長につなげる経営の考え方です。
近年は、経済産業省の提言や伊藤レポートを背景に、人的資本の情報開示や人材戦略の重要性が高まっています。
本コラムでは、人的資本経営の意味や注目される背景、情報開示のポイント、企業の取り組み事例、実践方法などをわかりやすく解説します。
人的資本経営とは何か|意味・定義と基本的な考え方
人的資本経営とは、企業にとって最も重要な資源の1つである「人材」を資本として捉え、その価値を高めることで企業価値の向上につなげる経営の考え方です。
近年は、経済産業省の提言や伊藤レポートなどを背景に、企業が人材への投資や人材戦略をどのように進めているかを示す「人的資本の開示」も重視されています。
最初に、人的資本経営の意味や英語表現、従来の人事戦略との違い、そしてこの考え方の背景について解説します。
英語の人的資本経営と意味
人的資本経営は、英語では「Human Capital Management(ヒューマン・キャピタル・マネジメント)」や「Human Capital Management Strategy」などと表現されます。
これは、人材が持つ知識、技能、経験などを企業の重要な資本として捉え、その価値を高めることで企業の成長につなげる考え方を指します。
この概念のポイントは、人材を単なる労働力として扱うのではなく、企業価値を生み出す「資本」として位置づける点にあります。人材育成や能力開発、組織文化の向上などに投資することで、企業の競争力を高められると考えられています。
従来の人材管理・人事戦略との違い
人的資本経営の特徴は、人材を「コスト」ではなく「資本」として捉える点にあります。従来の人材管理では、人件費の削減や人員配置の効率化など、コスト管理の視点が重視される傾向がありました。
しかし、人的資本経営では、人材の能力や経験、創造性などを、企業価値を生み出す重要な資源と考えます。そのため、人材育成やリスキリング、働きやすい環境づくりなど、人材への投資を通じて企業の成長を実現することが重視されます。
さらに、人的資本経営では、経営戦略と人材戦略を連動させることが重要です。企業の成長戦略を実現するために、どのような人材が必要で、その能力をどのように高めていくかを戦略的に考えることが求められます。
人的資本経営を提唱した考え方と第一人者
人の知識や技能、経験などを経済的価値の源泉となる資本として捉える考え方は、1960年代に経済学者ゲーリー・ベッカーやセオドア・シュルツらによって理論化されました。
この理論では、教育や職業訓練などによって人材の能力を高めることが、経済成長や企業の生産性向上につながると考えられています。その後、この概念は企業経営の分野にも取り入れられ、人材を戦略的に活用する人的資本経営の考え方へと発展しました。
近年、日本では経済産業省が「人材版伊藤レポート」を公表し、人的資本経営の重要性を提言しています。これにより、企業が人材戦略を経営戦略と結びつけて考える動きが広がり、人的資本経営が企業経営の重要なテーマとして注目されるようになっています。
人的資本経営が注目される背景|経済産業省と伊藤レポートの影響
人的資本経営が注目される背景には、企業経営を取り巻く環境の大きな変化があります。
日本では、経済産業省が公表した「人材版伊藤レポート」をきっかけとして、人的資本経営の考え方が広く知られるようになりました。また、企業が人的資本に関する情報を開示する動きも進み、投資家との対話においても、人材戦略が重要なテーマとなっています。
ここでは、人的資本経営が注目される社会的背景と、経済産業省や伊藤レポートの影響について解説します。
人的資本経営が注目される社会的背景
人的資本経営が注目されるのは、企業の競争力の源泉が「人材」にあると考えられるようになったためです。デジタル化の進展や産業構造の変化により、企業は新しい技術やビジネスモデルに対応できる人材の育成が必要とされています。
また、少子高齢化による労働人口の減少も大きな課題です。限られた人材の能力を最大限に活かすためには、単なる人員管理ではなく、人材の価値を高める戦略的な取り組みが求められます。
さらに、投資家や社会からは、企業がどのように人材に投資し、企業価値を高めているのかについての情報開示が求められているのも、近年の大きな特徴です。人的資本経営の情報開示が求められている背景や具体的な項目については、後ほど詳しく解説します。
経済産業省が示した人的資本経営の考え方
日本で人的資本経営が広く議論されるようになった背景には、経済産業省の取り組みがあります。
経済産業省は、企業が人材を戦略的に活用することが企業価値の向上につながるとする考え方を示し、人的資本経営の推進を提言しています。
【経済産業省ホームページ】
■人的資本経営とは
人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。*1
特に2020年に公表された「人材版伊藤レポート」では、企業が経営戦略と人材戦略を連動させることの重要性が強調されました。企業の成長を実現するためには、どのような人材が必要かを明確にし、その育成や配置を戦略的に進める必要があるとされています。
さらに、2020年公表の「人材版伊藤レポート」の内容を深掘りするために、「人的資本経営の実現に向けた検討会」が設置されました。この検討会の議論の内容に、実践例を加えた「人材版伊藤レポート2.0」も2022年に公表されています。*2
このような提言により、日本企業の間でも人材戦略を経営戦略と結びつけて考える動きが広がり、人的資本経営の重要性が強く認識されるようになりました。
*1 出典:経済産業省/METI|人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~
*2 参考:人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~ 人材版伊藤レポート2.0~
伊藤レポートが示した人的資本経営の方向性
伊藤レポートとは、企業価値の向上に関する議論をまとめた報告書であり、日本企業の経営のあり方に大きな影響を与えています。特に「人材版伊藤レポート」は、人的資本経営を実現するための方向性を示した重要な資料です。
このレポートでは、企業が人材を重要な資本として捉え、経営戦略と人材戦略を連動させる必要があることが示されています。また、人材の育成や能力開発、組織文化の形成などを通じて、人材の価値を高めることが企業価値の向上につながるとされています。
さらに、企業がどのような人材戦略を持ち、その成果がどのように企業価値に結びついているのかを、情報開示によって示すことも重要なポイントです。
伊藤レポートが示すこのような考え方は、現在の人的資本経営の基本的な方向性として広く活用されています。
人的資本経営における情報開示とは|開示が求められる背景
人的資本経営における情報開示とは、企業が人材に関する取り組みや成果を外部に公開し、企業価値の創出において人的資本がどのように活用されているかを示す取り組みです。
近年は、企業の価値を評価する際に財務情報だけでなく、人材育成や組織文化などの非財務情報も重要視されています。
ここでは、人的資本の情報開示が注目される理由と投資家との関係、具体的な開示項目について解説します。
人的資本の情報開示が注目される理由
人的資本の情報開示が注目されている理由は、企業の競争力を支える要素として「人材」の重要性が高まっているためです。企業の成長には、従業員の知識や技能、経験などが大きく関わっており、人材への投資や育成の取り組みの可視化が企業評価の重要な要素となっています。
人的資本に関する情報開示については、国際的な指針も整備されています。代表的なものとして、国際標準化機構(ISO)が策定した「ISO30414」があります。
ISO30414は、人的資本に関する情報開示の国際的なガイドラインであり、人材育成、リーダーシップ、ダイバーシティなど複数の指標について開示の考え方を示すものです。*1
さらに、日本では2022年8月に内閣官房が「人的資本可視化指針」を公表しました。この指針では、企業が人的資本に関する情報をどのように開示すべきかについて整理されており、日本企業でも人的資本の可視化や情報開示への関心が高まっています。*2
*1 参考:Human resource management | Guidelines for internal and external human capital reporting
投資家との対話における人的資本情報の重要性
人的資本に関する情報は、企業と投資家の対話において重要な役割を果たします。投資家は企業の将来性や成長力を評価する際に、財務データだけでなく、人材戦略や組織の強さにも注目しています。
例えば、企業がどのような人材を育成しているのか、人材への投資がどのように企業価値の向上につながるのかといった情報は、企業の中長期的な成長を判断する材料となります。そのため、人的資本に関する情報を適切に開示することは、企業の戦略や価値創造の仕組みを投資家に理解してもらうために重要です。
近年は、企業が人的資本に関する情報を積極的に開示することで、投資家との建設的な対話を進め、企業の持続的な成長を示す取り組みとして位置づけられています。
人的資本経営の開示項目
人的資本経営の開示では、企業がどのように人材を活用し、価値を生み出しているかを示すため、様々な指標が公開されます。
国際的には、ISO30414のガイドラインが参考にされることが多く、以下のような複数の分野に関する情報開示の考え方が示されています。
【人的資本に関する開示の主要領域(Human Capital Areas:HCA)】*1
- 労働力構成
- ダイバーシティ(多様性)
- コスト
- 生産性
- 健康、安全およびウェルビーイング
- リーダーシップ、組織文化およびエンゲージメント
- コンプライアンス、倫理および労使関係
- 採用
- 人材の異動および後継者計画
- 人材の離職(離職率)
- スキル、能力および人材育成
日本では、人的資本に関する情報開示の制度整備も進んでいます。特に大きな転機となったのが、2023年3月期決算から適用された企業内容などの開示に関する内閣府令の改正です。この改正により、有価証券報告書において企業の「サステナビリティ情報」の一環として、人的資本に関する情報の開示が求められるようになりました。
具体的には、企業の「人材育成方針」や「社内環境整備方針」に加え、女性管理職比率、男女間賃金格差、男性の育児休業取得率などの指標の開示が対象となっています。これらの情報は、企業がどのように人材を育成し、組織の持続的な成長につなげているかを示す重要な指標です。*2
このように、人的資本に関する開示項目は国際的なガイドラインや国内制度を背景に整備されており、企業の人材戦略や組織の状況を社会や投資家に伝えるための重要な情報となっています。
*1 参考:Human resource management | Guidelines for internal and external human capital reporting
人的資本経営の企業事例|実践している企業の取り組み
人的資本経営は、企業が人材を「資本」として捉え、経営戦略と連動した人材戦略を進めることで企業価値の向上を目指す取り組みです。経済産業省が公表した「人材版伊藤レポート2.0」の実践事例集では、日本企業がどのように人的資本経営を具体的な施策として実行しているかが紹介されています。
ここでは、実践事例として紹介されている企業の中から、双日株式会社、KDDI株式会社、三菱ケミカル株式会社の取り組みの概要を紹介します。
出典:人的資本経営の実現に向けた検討会 報告書~人材版伊藤レポート2.0~実践事例集
双日株式会社
総合商社の双日株式会社では、人材戦略を経営戦略と連動させる取り組みを進めています。
人的資本経営の実現に向け、「多様性」「挑戦」「成長実感」を柱に定量目標を設定。副業や起業支援など多様なキャリア形成を後押しするとともに、経営トップ主導で新規事業創出を推進し、社員の発想を事業化できる環境を整備しています。
【人的資本経営への取り組み】
- 経営戦略と一体となった人材戦略推進のための「人材KPI」設定
- 社内外での多様なキャリアの実現を支援
- 社長自らが新規事業創出にコミットし、予算や裁量を付与
具体的には、経営戦略と連動した人材戦略として人材KPIを設定し、「多様性」「挑戦」「成長実感」を定量的に管理。女性社員比率向上などの目標を掲げるとともに、起業や副業、アルムナイとの連携など多様なキャリア形成を支援しています。
さらに社長主導で新規事業創出を推進し、社内コンテストを通じて社員の発想を事業化する仕組みを整備しています。
KDDI株式会社
KDDI株式会社では、人材を企業価値の源泉と捉え、「人財ファースト企業への変革」を重要な経営テーマとして掲げています。
【人的資本経営への取り組み】
- 事業部門経験者の登用や人材データの分析による経営・事業との連携への貢献
- 事業変化に必要な人材の確保・育成を人事が主導
- 採用方針を変革し、社員のエンゲージメント向上と専門性獲得を両立
事業経験者を人事トップに登用し、人材データの分析を通じて経営・事業との連携を強化。人材ポートフォリオを活用し、事業変化に必要な人材の確保・育成やリスキリングを推進しています。
さらに採用方針を見直し、コース別採用や通年・キャリア採用を拡大することで、社員のエンゲージメント向上と専門性の強化を両立しています。
三菱ケミカル株式会社
三菱ケミカル株式会社では、企業理念やパーパスに基づいた人材戦略を通じて、人的資本経営を推進しています。特に、グローバル企業として多様な人材を活かす組織づくりや、人材育成を重視した取り組みが特徴です。
【人的資本経営への取り組み】
- 社員との対話・若手社員からの提案による、全社を巻き込む制度改革
- 主体的・自律的なキャリア形成のための公募制度と1on1
- 経営陣から社員まで、戦略的なダイバーシティの向上
具体例として、社員との対話を重ね、若手主導で人事制度改革を進めるなど、全社を巻き込んだ制度改革を実施。人事役員が約600名の社員と対話し、新制度を経営に提案しています。
また、社内公募制度や1on1を通じて主体的なキャリア形成を支援している点も特徴的です。
さらに、経営陣から現場までダイバーシティ向上を推進し、外部採用やメンタリング、アルムナイ活用により多様な人材の活躍を促進しています。
人的資本経営に関わる資格
人的資本経営が企業経営の重要なテーマとして注目される中で、人材戦略や人的資本の情報開示に関する専門知識を学ぶための資格や講座も増えています。
ここでは、人的資本経営に関わる代表的な資格や講座として、「ISO30414 リードコンサルタント/アセッサー」と「人的資本経営実務講座」について紹介します。
ISO30414リードコンサルタント・アセッサー
ISO30414 リードコンサルタント・アセッサーは、人的資本に関する情報開示の国際ガイドラインである「ISO30414」に関する専門知識を学べる民間資格です。
上で説明した通り、ISO30414は、人的資本に関する情報をどのように測定し、開示するかを示した国際標準として知られています。
| 資格名 | ISO30414 リードコンサルタント・アセッサー |
|---|---|
| 運営団体・会社 | 株式会社HCプロデュース |
| 資格取得方法 | オンライン講義 × 6回(毎週2時間)、知識確認テスト、ケーススタディ(レポート課題)、最終テスト(口頭試問) |
| 注意点 | 資格取得は個人単位・3年ごとの資格更新が必要 |
この資格では、人的資本に関する指標の考え方や情報開示の方法、企業における人的資本の管理や評価などについて学びます。特に、人的資本の情報開示や人材データの活用を支援するコンサルタントや専門家にとって重要な知識です。
人的資本経営の実践や人的資本の可視化を進める企業が増える中で、国際基準に基づいた人的資本の管理や情報開示を理解するための資格として注目されています。
参考:株式会社HCプロデュース|プロフェッショナル認証講座/マスター講座
人的資本経営実務講座
人的資本経営実務講座は、一般社団法人人間能力開発機構が提供する講座で、企業における人的資本経営の実務を学ぶことを目的としています。
| 講座名 | 人的資本経営実務講座 |
|---|---|
| 運営団体・会社 | 一般社団法人人間能力開発機構 |
| 資格取得方法 | 所定の講座を受講すると資格証を発行 |
| 注意点 | リーダー講座・スペシャリスト講座で資格を発行 |
この講座では、人的資本経営の基本的な考え方に加え、人材戦略の立て方や人材データの活用、人的資本の情報開示など、企業の実務に直結する内容が扱われます。また、企業の事例や実践的なフレームワークを通じて、人的資本経営をどのように組織に導入していくかについて理解を深められます。
人的資本経営は経営戦略と人材戦略を結びつける取り組みであるため、実務的な視点から学ぶことが重要です。
この講座は、企業の人事担当者や経営企画部門などが人的資本経営の実践力を高めるための学習機会として活用されています。
参考:一般社団法人 人間能力開発機構|Human Capital Management Driver-人的資本経営実務講座
人的資本経営とタレントマネジメント・人的資源管理(HRM)の違い
人的資本経営を理解するためには、似た言葉として使われることの多い「タレントマネジメント」や「人的資源管理(HRM)」との違いを整理しておくことが重要です。
人的資本経営は、企業価値の向上を目的として人材を資本として捉える「経営の考え方」です。一方、タレントマネジメントや人的資源管理は、その考え方を実践するための人事施策や管理手法として位置づけられることが多いです。
| 人的資本経営 | 人材を企業価値の源泉となる資本として捉え、経営戦略と人材戦略を連動させることで企業の持続的成長を目指す経営の考え方 |
|---|---|
| タレントマネジメント | 人材の能力や経験、スキルなどを把握し、適切な配置や育成を行うための人事手法 |
| 人的資源管理(HRM) | 企業における人材の採用、配置、評価、育成などを管理するための人事管理の考え方 |
人的資本経営が企業経営の方針や戦略の考え方であるのに対し、タレントマネジメントや人的資源管理は、その考え方を実行するための具体的な施策の1つといえます。
人的資本経営の実践方法|企業が取り組むべきポイント
人的資本経営は、人材を企業価値の源泉となる資本として捉え、その能力や可能性を最大限に引き出すことで、企業の持続的な成長につなげる経営の考え方です。
特に重要なのは、経営戦略と人材戦略を連動させること、人材データを活用して組織の状況を可視化すること、そして人材育成や組織文化の向上を継続的に進めることです。
ここでは、人的資本経営を実践するために企業が取り組むべき主なポイントを解説します。
経営戦略と人材戦略を連動させる
人的資本経営を実践するうえで最も重要なのは、経営戦略と人材戦略を連動させることです。企業がどのような事業戦略を掲げているのかを踏まえ、その戦略を実現するために必要な人材を明確にすることが求められます。
例えば、新規事業の拡大やデジタル化の推進を経営戦略として掲げる場合、それに対応できる専門人材の育成や採用が必要になります。このように、企業の成長戦略と人材育成の方向性を一致させることで、人材の能力を企業の価値創造につなげられます。
経営戦略と人材戦略の連動は、人的資本経営の基本的な考え方であり、企業が人材を資本として活用するための重要なポイントです。
人材データの可視化と人材ポートフォリオの構築
人的資本経営を進めるためには、人材に関する情報を可視化し、組織の状況を客観的に把握することが重要です。従業員のスキル、経験、評価、キャリア志向などのデータを整理することで、組織の強みや課題を明確にできます。
こうしたデータをもとに、人材ポートフォリオを構築することも重要です。人材ポートフォリオとは、企業に必要な人材の種類や能力を整理し、現在の人材構成とのギャップを把握するための考え方です。
人材ポートフォリオを活用することで、どの分野に人材が不足しているのか、どのような能力を持つ人材を育成する必要があるのかを明確にできます。
リスキリングや人材育成の推進
人的資本経営では、人材への投資としてリスキリングや人材育成を進めることが重要です。リスキリングとは、新しい業務や技術に対応するために必要なスキルを学び直す取り組みを指します。
近年は、デジタル化や技術革新の進展により、企業が求めるスキルも大きく変化しています。そのため、従業員が新しい知識や技能を身につけられる環境を整えることが、企業の競争力を高めるうえで重要になっています。
企業が研修制度や学習機会を提供し、人材の能力向上を支援することは、人的資本の価値を高める投資です。このような取り組みを継続することで、企業の持続的な成長につながります。
社員のリスキリングやキャリア支援の取り組み方については以下のコラムをご参照ください。
コラム「リスキリングとは?経済産業省の補助金制度の概要、リスキリングで何を学ぶか、おすすめの資格などを解説」はこちら
コラム「キャリアとは?キャリア形成の考え方と会社側にできるキャリア支援」はこちら
組織文化やエンゲージメントの向上
人的資本経営を実現するためには、従業員が能力を発揮しやすい組織文化を育てることも重要です。組織文化とは、企業の価値観や行動様式など、組織全体に共有される考え方を指します。
エンゲージメントとは、従業員が企業の理念や目標に共感し、自発的に仕事に取り組む状態を指します。エンゲージメントの高い組織では、生産性の向上や離職率の低下などの効果が期待されます。
人的資本経営では、このような組織文化やエンゲージメントを高める取り組みも重要なポイントとされています。
エンゲージメントの考え方や企業での取り組み方については以下のコラムもぜひ参考にしてください。
まとめ|人的資本経営は企業価値向上につながる重要な経営戦略
人的資本経営とは、人材を企業の重要な資本として捉え、その能力や可能性を最大限に引き出すことで企業価値の向上につなげる経営の考え方です。経済産業省の提言や伊藤レポートを背景に、人的資本の情報開示や人材戦略の重要性はますます高まっています。
企業が持続的に成長していくためには、経営戦略と人材戦略を連動させるとともに、人材育成や社員のエンゲージメント向上に継続的に取り組むことが不可欠です。
こうした取り組みを実践するためには、体系的な人材育成の仕組みを整えることが重要です。ALL DIFFERENT株式会社では、「実践で使える」「継続的に学べる」ことを重視した人材育成研修を多数提供しています。
多くの企業に人材育成のパートナーとして選ばれており、人的資本経営の中核となる人材育成や社員エンゲージメント向上に役立つ様々なプログラムを提供しています。個別的な課題への対応も可能ですので、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

