レジリエンスとは?ビジネスにおけるレジリエンスの意味、個人と企業のレジリエンスを高める方法などについて解説

update更新日:2025.06.26 published公開日:2021.11.09
レジリエンスとは?ビジネスにおけるレジリエンスの意味、個人と企業のレジリエンスを高める方法などについて解説
目次

レジリエンスとは、ストレスや逆境への耐性、回復力を意味する言葉です。

先行き不透明なビジネス環境の中、個人と組織の両面でレジリエンス力を高めることが求められています。

本コラムでは、レジリエンスの意味や必要性を確認しながら、レジリエンスを高める方法や研修の内容などについて詳しく解説します。

レジリエンスとは?基本的な意味とビジネスにおける使い方

近年、ストレスから回復する力である「レジリエンス」への注目度が高まっています。

まずは、レジリエンスの基本的な意味と、ビジネスにおける使い方、企業の災害やリスクとレジリエンスの考え方について解説します。

レジリエンスの基本的な意味

レジリエンスとは、英語で「resilience」と表し、ラテン語の「跳ねる(salire)」と「跳ね返す(resilire)」を語源とする言葉です。日本語で言い換えると「回復力」や「弾性」といった意味になります。

元来は「ストレス」という言葉と同様に物理学用語でしたが、やがて心理学的に「ストレスを跳ね返す能力」という意味で用いられるようになりました。心理学の研究では、レジリエンスとは「逆境に直面し、それを克服し、その経験によって強化される、また変容される普遍的な人の許容力」または「困難あるいは脅威的な状況にもかかわらず、うまく適応する過程、能力、あるいは結果」と定義されています。*

*参考:『最近のレジリエンス研究の動向と課題』:明治大学文学部心理社会学科

ビジネスにおけるレジリエンス

物理学や心理学などの分野で用いられていたレジリエンスという言葉は、近年、ビジネスでも頻繁に用いられるようになりました。

ビジネスにおけるレジリエンスとは、人や組織の回復力や有事における適応能力、といった意味で使われています。

ビジネスにおいてレジリエンスが重要視されるようになった背景には、ビジネス環境の不確実性や多様性が増していることがあります。

先を見通すことが困難な時代には、組織も人も、不測の事態に対して柔軟に対応できるレジリエンスが必要です。また、多様化、複雑化する環境の中で働く人には、従来よりも負荷がかかりやすいため、ストレス耐性のあるレジリエンスが求められています。

レジリエンスは、VUCAといわれる予測不能な混迷を極めた現代において、ビジネス上重要な概念になっているのです。VUCAについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

コラム「VUCAはもう古い?不確実な時代を生き抜くために求められる人材とは」はこちら

企業の災害やリスクとレジリエンス

ビジネスにおけるレジリエンスは、人と組織・企業両方の意味で使われています。

本コラムでは、ビジネスパーソンに求められるレジリエンスや高め方などについて詳しく解説していきますが、ここで、組織や企業におけるレジリエンスという言葉の使い方にどのようなものがあるかみておきましょう。

組織や企業のレジリエンスとは、災害や急激な環境変化などに対し、速やかに回復または事業継続が行えることをいいます。リスクマネジメントやBCP(災害時などの事業計画)などと似ていますが、企業レジリエンスとはそのようなマネジメントや事業計画全てを総括した概念です。

組織や企業のレジリエンスには、特定のリスクや事業を想定したものとして以下のような種類があります。

災害レジリエンス

災害レジリエンスとは、災害時に被害の拡大を防ぎ、必要な復旧などを速やかにできる能力です。「防災力」などとも呼ばれ、企業だけでなく自治体でも必要な概念・考え方として注目されています。日本学術会議や京都大学防災研究所・東北大学災害科学国際研究所などを始めとし、様々な学術機関で災害レジリエンス研究が進められているほか、2023年には経済産業省が今後のレジリエンス施策に関する調査レポートを報告しています。*

*参考:経済産業政策局「レジリエンス社会の実現」に向けた産業政策の方向性

オペレーショナルレジリエンス

オペレーショナルレジリエンスとは、企業や組織がシステム障害や自然災害などが発生しても、重要な業務を最低限維持すべき水準において、提供し続ける能力のことです。ネットワーク化・オンライン化の進んだ金融機関に向けて、2021年3月に、バーゼル銀行監督委員会が国際原則を策定し、国際的に議論されるようになりました。日本でも、金融庁の主導により、金融機関のオペレーショナルレジリエンス確保のための議論が開始されています。*

*参考:金融庁『オペレーショナル・レジリエンス(オペレジ)の概要』

サイバーレジリエンス

サイバーレジリエンスは、特にサイバー関連のセキュリティや復旧能力のことをいいます。世界的にサイバー攻撃などの被害が増加しており、グロバールでの年間対策費用は5.5兆ユーロともいわれています。2024年にはEUでサイバーレジリエンス法が施行され、デジタル製品に関する包括的なサイバーセキュリティ要件が規定されました。*

*参考:ジェトロ|ビジネス短信―ジェトロの海外ニュース|新たなセキュリティー規則、サイバーレジリエンス法施行(EU)

レジリエンスを高めるために知っておきたい「行動・思考」の特徴

日々の仕事を思い浮かべてみると、私たちの周りには、人間関係や将来への不安、仕事での失敗や挫折、また管理職になれば成果に対するプレッシャーなど、実に多くのストレス要因が存在しています。

そこで効果を発揮するのが、ストレスから回復する力であるレジリエンスです。レジリエンスを高めるには、まず「レジリエンスが高い人」と「レジリエンスが低い人」の違いを知ることが重要です。

それぞれの行動や思考パターンを理解し、自己理解を深めることで、レジリエンス向上の第一歩を踏み出しましょう。

レジリエンス力が高い人の特徴と考え方

レジリエンスが高い人には、共通する行動や思考の特徴があります。

  • トラブルや逆境でも冷静かつ柔軟に対応できる
  • 自己肯定感が強い
  • 周囲の関係が良好で助けを求められる

レジリエンスが高い人は、逆境や困難に直面した際にも、冷静に状況を受け止め、柔軟に対処できる傾向が見られます。具体的にいうと、出来事やトラブルを必要以上にネガティブに捉えず、「この経験から何を学べるか」を前向きに考える力です。また、自己肯定感が高く、自分の強みを理解していることもレジリエンス力につながります。

周囲との良好な関係を築くことで、他者と協力したり助けを求めたりできることも重要です。いざというときに頼る先があれば逆境を乗り越えやすくなりますし、その自信と安心感が、精神的な安定や冷静さにもつながります。

このように、レジリエンスが高い人は、状況を多面的に捉え、柔軟な考え方を持ちながら、周囲と連携して乗り越えていく力があるのです。

レジリエンス力が低い人の特徴と陥りやすい思考パターン

一方で、レジリエンスが低い人には、以下のような特徴があります。

  • すぐに自信を失い、ネガティブな発想をしがち
  • 柔軟な考え方ができない
  • 人に頼れない

レジリエンスが低い人は、困難に直面すると自信を失い、思考が極端にネガティブになりがちです。過去の失敗や苦手なことを必要以上に引きずり、「自分にはどうせ無理だ」と決めつける傾向が見られます。

また、物事を柔軟に捉えるのが苦手で、少しのトラブルでも「もう終わりだ」と悲観的になってしまいます。周囲に助けを求めることにも抵抗があり、結果として一人で抱え込んでしまうケースが多いです。

こうした思考パターンは、ストレスをさらに強め、負のスパイラルに陥る原因にもなります。自分の思考のクセを知り、柔軟な捉え方や助けを求める姿勢を意識的に身につけることが、レジリエンス向上のカギとなるでしょう。

レジリエンスとストレス耐性・メンタルヘルスとの違い

レジリエンスは「回復力」と表現されることもあり、ストレス耐性やメンタルヘルスと混同されることがあります。しかし、これらは似て非なる概念です。

ストレス耐性は「ストレスそのものにどれだけ耐えられるか」という耐久力を指します。一方で、レジリエンスは「ストレスや逆境を経験した後、そこから立ち直り、回復する力」です。

また、メンタルヘルスは「心の健康状態」そのものを意味します。メンタルヘルスが不調だと、ストレスへの耐性やレジリエンスも低下しやすい傾向がありますが、それぞれが別の概念であることを理解しておきましょう。

レジリエンスは単なるストレスへの耐性ではなく、逆境を成長につなげる力です。ストレスに強くなることだけでなく、しなやかに立ち直る力を高めることが、現代社会において重要なスキルとなっています。

レジリエンスを高めるために必要な3つの行動とは

レジリエンスは生まれつきの個性、才能のようなものと感じている人がいるかもしれません。しかし、レジリエンスは先天的なものではなく、意識的に行動することで誰でも高められるのです。

レジリエンスを高めるためには、次の3つを意識しましょう。

  1. (1)柔軟に物事を捉える
  2. (2)自己効力感を高める
  3. (3)身体面を整える

1つずつ、詳しく解説していきます。

(1)柔軟に物事を捉える

仕事に取り組む中で、「仕事では絶対にミスをしてはいけない」「あの人はいつも厳しく注意してくる。絶対に私のことを嫌っている」といった感情を抱くこともあるでしょう。

しかし、仕事において物事が白黒はっきりしている状況の方が少ないのです。そのため、自分の中で"黒認定"して落ち込むのではなく、「"多分"こうなんじゃないか」「こうだという"可能性が高い"」などと灰色的に捉える、つまり柔軟に物事を捉えられる人の方が、落ち込みにくく、また回復しやすいと考えることができます。

【柔軟に物事を捉える考え方の例】

「仕事では絶対にミスをしてはいけない」→「ミスをしてしまった。しっかり反省して、改善策を見つけよう」

「あの人はいつも厳しく注意してくる。絶対に私のことを嫌っている」→「あの人に注意されることが多いな。どこを直せばもっとパフォーマンスが上がるのか?」

「私が置かれている状況は特殊だから、他人のアドバイスは全く参考にならない」→「私が置かれている状況は特殊に見えるけど、他の人とも共通しているところがあるはず。参考になるアドバイスもあるだろう」

物事の捉え方に柔軟性を持たせるには、「視点を切り替える」ことが有効です。

視点を切り替えるとは、上司や先輩、同僚、お客さまなど、自分以外の人の立場で物事を考えることです。様々な立場で考えることで、物事を捉える幅が広がっていきます。

視点の切り替えについては、以下のコラムでも紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてください。

コラム「リーダー必見!4つの行動で変わる、多様な視点で物事を捉える「多眼的認知」の身につけ方」はこちら

(2)自己効力感を高める

自己効力感が高い状態とは、「自分ならできる」「これはできそうだ」という自信を持っている状態のことを指します。逆に自己効力感が低い状態とは、「自分にはできそうにない」「自分がやってもどうせうまくいかない」という自信のない状態です。

自信がある状態の方が感情のコントロールをしやすく、また困難に直面してもすぐに回復し、ポジティブな気持ちで問題に立ち向かうことができます。そのため、自己効力感を高めることもワークレジリエンスの向上に欠かせない要素といえます。

自己効力感を高めるためのキーワードは「成功体験」です。仕事に限らず、人は何かに成功すると「自分はできる」と思うようになり、それによって自ずと自己効力感は高まっていきます。

【小さな成功体験の積み重ねの例】

「会議で意見が採用された」

「いつも2時間かかる仕事が1時間30分で終わるようになった」

「ついついお酒を飲みすぎてしまうが、今日は控えることができた」

「今日は最寄り駅の1つ手前で降りて歩いて帰ることができた」

仕事上の成功体験はもちろんのこと、日常の小さな成功体験でもいいので積み重ねて自信につなげていくことが大切です。

また、周りにいるうまくできている人の行動を観察して自分自身に落とし込んでみるなど、他者の成功体験を疑似体験することでも、「自分もできそう」という気持ちが芽生えます。「自分で自分を励ます」ことも意識してみるとよいでしょう。

(3)身体面を整える

心と体は連動していて、どちらかが好調/不調になると、それに伴いもう片方も好調/不調になりやすいことがわかっています。そのため、身体面を整えることが「心=気持ち」を高めることにつながり、ストレスへの抵抗力を高めることにつながります。それによってストレス反応をコントロールする力が高まり、ワークレジリエンスも高まっていくということです。

身体面を整えるには、「健康的な生活」「呼吸」「リラクゼーション」の3つに取り組むことがおすすめです。

①健康的な生活

体を整える基本は、健康的な生活を送ることです。健康的な生活には、食生活や運動習慣、睡眠といった生活習慣が関わってきます。ここでは、ブレスローの7つの健康習慣をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

【ブレスローの7つの健康習慣】

  • 適正な睡眠時間
  • 喫煙をしない
  • 適正体重の維持
  • 過度の飲酒をしない
  • 定期的に運動をする
  • 朝食を毎日食べる
  • 間食をしない

*出典:厚生労働省『平成9年版厚生白書』ブレスローの7つの健康習慣

②呼吸

自律神経を整えることも、身体面を整えるために欠かせない要素です。体の中に酸素をたっぷり取り込むと自律神経の働きが良くなることから、「呼吸」もレジリエンス向上につながる大切なポイントといえます。鼻から息を吸う、鼻から吸った息をお腹にためる、お腹にためた空気を口から吐き出す、この3つを意識してみましょう。

③リラクゼーション

身体面のケアには、"癒し"も大きな効果を発揮します。例えば、職場では「自席でコーヒーを飲む」、自宅では「リビングで好きな音楽を聴く」ことでリラックス、リフレッシュしている方も多いでしょう。

ただし、注意が必要なのが、「絶対によい」とされている方法でも、自分に合っていなければリラクゼーション効果は得られないということ。「自分に合ったものであれば何でもOK」という気持ちで、リラクゼーション方法を選ぶことが大切です。また、リラクゼーション方法は1つではなく、状況に応じて使い分けられるよう、複数用意しておくことが理想です。

企業のレジリエンスを高めるために必要な組織文化・風土づくり

個人がレジリエンスを高めるために必要な行動を解説しましたが、企業自体のレジリエンスを高めるには、組織全体の文化や風土づくりがポイントとなります。

ここでは、企業のレジリエンスを高めるために必要なポイントを3つ解説します。

失敗を許容するカルチャーの醸成

企業がレジリエンスを高めるためには、失敗を前向きに捉える企業文化をつくることが重要です。日本の企業は減点主義が多いといわれますが、失敗を必要以上に責める風土があると、新しい挑戦を避ける傾向が強まり、変化に適応する力が育ちません。

ポイントは、失敗を個人の責任にするのではなく、「そこから何を学ぶか」に焦点を当てることです。例えば、失敗事例を共有する「ナレッジ共有会」を実施し、チーム全体で学びを深めることで、組織全体のレジリエンスが向上するでしょう。挑戦と失敗を前向きに捉えるカルチャーを根付かせることが、変化の激しい時代を乗り越える企業体質の強化につながります。

目標やビジョンを共有し、組織全体のレジリエンスを高める

企業全体のレジリエンスを高めるには、目標やビジョンを社員全員が共有することが欠かせません。目標が明確であれば、変化や困難に直面した際も、組織が一体となって対応できます。そのためには、経営層から現場の社員にまで一貫したメッセージを発信し続けることが重要です。

また、目標達成に向けた進捗を定期的に確認し、成功事例を共有することで、社員一人ひとりの「自分ごと」としての意識が高まります。組織全体で共通の目標を持ち、困難を乗り越える経験を積み重ねることが、結果として企業全体のレジリエンス強化に直結するのです。

社員同士が支え合うピアサポート体制の構築

レジリエンスの高い組織づくりには、社員同士が支え合う「ピアサポート体制」の構築が効果的です。不測の事態には、従来の指揮命令系統やサポート体制がうまく機能しないことがあります。そのようなとき、上司や管理職だけでなく、同僚やチームメンバー同士が互いに声をかけ合い、困ったときにすぐ相談できる環境があることが、組織のレジリエンス力となります。

例えば、1on1ミーティングや社内イベントを導入し、日頃から気軽にコミュニケーションできる場を設けることで、社員の心理的安全性も高まるでしょう。社員同士の支え合いは、個人のレジリエンス強化だけでなく、組織全体の柔軟な対応力や回復力を高めるための大切な土台となります。

企業が社員のレジリエンスを高めるためにできる教育・研修とは?

企業がレジリエンスを高めるためには、組織の文化や体制を整えることも大切ですが、社員のレジリエンス力を培うための教育・研修が必須です。

最後に、社員向けレジリエンス研修の重要性と目的、取り入れるべき具体的プログラムなどを解説します。

レジリエンス研修の効果を高めるためのポイントも紹介しますので、参考にしてください。

社員向けレジリエンス研修の重要性と目的

企業がレジリエンスを高めるためには、社員一人ひとりのレジリエンス力向上が欠かせません。企業を支える社員が困難に負けず柔軟に対応できる力を持つことで、組織全体の対応力や持続力も強化されます。そのため、レジリエンス研修を通じて、ストレスとの向き合い方や柔軟な思考方法、感情のコントロールなどを学ぶ機会を提供することが重要です。新入社員や若手社員だけでなく、中堅社員や管理職も、マネジメントやリーダーシップのスキルを磨くためにレジリエンス研修が効果的です。

レジリエンス研修は単なるストレス対策ではなく、個人と組織の双方にとってメリットがある施策として、企業成長に貢献する取り組みといえるでしょう。

レジリエンス教育で取り入れるべき具体的プログラム

レジリエンス教育を実施する際には、社員が実際の現場で活かせるプログラムを選定することが大切です。

レジリエンス教育で取り入れるべき具体的なプログラムとしては例えば以下のようなものが挙げられます。

  • メンタルヘルスやレジリエンスの理解
  • ストレスマネジメント
  • アンガーマネジメントや感情のセルフコントロールなど
  • コミュニケーションスキルやチームビルディング

ストレスの仕組みを理解する基礎講座や、逆境に強い思考力を身につけるためのケーススタディ、感情のセルフコントロールを学ぶワークショップなどが効果的です。さらに、コミュニケーションスキルやチームビルディングを組み合わせることで、個人のレジリエンスだけでなく、組織全体の結束力も高められます。

研修効果を高めるためのポイント

レジリエンス研修の効果を最大化するには、研修を単発で終わらせず、受講後のフォロー体制や職場での実践サポートが欠かせません。研修内容を学びっぱなしにするのではなく、現場での実践と振り返りを繰り返すことで、レジリエンスは徐々に身につきます。

また、個人だけに任せるのではなく、上司や組織が成長を後押しする仕組みを整えることも重要です。評価やフィードバックを通じて努力や変化を認め、適切なアドバイスを送り続けることで、レジリエンスを組織文化として根付かせることができます。

研修後のフォローアップ体制を整える

レジリエンス研修は、受講しただけで効果が定着するものではありません。研修後にフォローアップを実施し、学んだ内容を実際の業務で活用できるようサポートすることが重要です。

具体的には、受講者同士での振り返り会や、上司と面談して気づきや実践内容を共有する機会を設けるとよいでしょう。

また、定期的に研修内容を復習できる資料や動画を配布し、必要に応じて再受講できる仕組みを整えることもポイントです。フォローアップを通じて、学びを日常業務に根付かせ、長期的な効果につなげましょう。

評価・フィードバックを組み合わせて習慣化を促す

レジリエンス研修を一度実施しただけでは、学んだスキルや思考法が日常的に使われるとは限りません。研修後の実践状況を定期的に評価し、適切なフィードバックを行うことで、行動の定着を促すことが大切です。

例えば、研修内容を活かした成功事例を社内で共有すれば、受講者のモチベーション向上にもつながります。評価やフィードバックを上司が積極的に行うことで、「学んだことを実践し、成果につなげる」という流れを習慣化しやすくなるでしょう。

組織全体でレジリエンスを重視する文化を醸成するためにも、評価・フィードバックの仕組みを活用することが大切です。

個人レベルと組織レベルの両方からアプローチする

レジリエンスを高めるには、個人のスキル向上だけでなく、組織全体の支援体制も重要です。

個人にはストレス対処法や柔軟な思考法を教える一方で、組織としては失敗を許容し、挑戦を後押しする風土づくりが求められます。また、上司や同僚からの適切なサポート体制があれば、個人は安心して新しい行動に挑戦できるでしょう。

レジリエンス研修の効果を最大化するには、個人の意識改革と組織の文化づくりを同時に進めることが不可欠です。個人と組織の両面から支える仕組みを構築し、強くしなやかな組織を目指しましょう。

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