ストレス耐性を上げるには?低い人・高い人の特徴、ストレスチェックと企業の対策

update更新日:2026.08.06 published公開日:2024.06.13
ストレス耐性を上げるには?低い人・高い人の特徴、ストレスチェックと企業の対策
目次

現代のビジネスパーソンにとって、ストレスと無縁でいることは難しくなっています。大切なのはストレスをゼロにするのではなく、受け止めながらも崩れにくい力「ストレス耐性」を高めていくことかもしれません。

本コラムでは、ストレス耐性の概念からストレス耐性が低い人と高い人の特徴、企業が取り組むべきメンタルヘルス対策のポイントをご紹介。さらに、ストレスのチェック方法、ストレス耐性を上げるためのセルフケアについても詳しく解説します。

ストレス耐性とは

ストレス耐性とは、ストレスを受けたときにどれだけ心身のバランスを保てるか、その粘り強さを指します。「強い人は何も感じない」というイメージを持たれることもありますが、それは正確ではありません。感じても引きずりにくい、折り合いをつけるのが早い、というのがより実態に近いイメージです。

まず、ストレス耐性の基本的な意味と、混同されやすい「レジリエンス」との違い、そして近年注目される背景を整理します。

そもそも「ストレスに強い」とはどういう状態か

職場で同じような出来事が起きても、ひどく落ち込む人もいれば、翌日にはけろっとしている人もいます。この差はどこから来るのでしょうか。

厚生労働省はストレスを「外部からの刺激(ストレッサー)に対して体の内部に生じる反応(ストレス反応)」と定義しています。さらに、「同じストレッサーでも、受け止める人によって良いストレスになるか悪いストレスになるかが大きく異なる」と述べています。*
この受け止め方の差こそが、ストレス耐性の差と言えるでしょう。

ストレッサーを受けたとき、誰でも多かれ少なかれ心身に反応が出ます。「イライラする、眠れない、集中できない」などの変化が出にくい、あるいは長引きにくい状態が「ストレスに強い」ということなのです。

*出典:「健康日本21アクション支援システム|生活習慣病などの情報(ストレス)」(厚生労働省)

ストレス耐性とレジリエンスの違い

ストレス耐性と混同されやすい言葉に「レジリエンス」があります。両者は近い概念であるものの、厳密には異なる概念です。ストレス耐性がストレスを受けたときの「崩れにくさ」を指すのに対し、レジリエンスは「元に戻る回復力」を意味します。

本コラムではストレス耐性を中心に解説しますが、レジリエンスについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムもあわせてご覧ください。

コラム「レジリエンスとは?意味とレジリエンス強化に向けたトレーニング方法」はこちら

ストレス耐性が重視される背景

厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活に強いストレスを感じている労働者は約7割にのぼります。一方で、ストレスを相談できる環境にありながら実際に相談したことがある労働者は74.7%にとどまっており、相談できる相手がいても相談しない人が一定数いる実態も浮かび上がっています。*

このような背景から、近年、ストレス耐性は経営・人事の現場でも重要なテーマとして扱われるようになりました。個人の耐性を高める取り組みと、組織として支える環境づくりの両輪が求められています。

*出典:「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)結果の概要(個人調査)」(厚生労働省)

ストレス耐性に関わる6つの要素

ストレス耐性は、生まれつきの性格だけで決まるものではありません。実は複数の要素によって形成されており、それぞれを意識することで後天的に高めていくことができます。ストレス耐性を構成する要素は、主に以下の6つです。

  1. (1)感知能力(ストレスのサインにいち早く気づく力)
  2. (2)回避能力(ストレスの原因から上手に距離を置く力)
  3. (3)処理能力(問題の本質を見極め、解決に動く力)
  4. (4)転換能力(ストレスをプラスに捉え直す力)
  5. (5)経験値(蓄積された経験と学びの量)
  6. (6)ストレス容量(ストレスを受け止める許容量)

それぞれの意味と、職場での具体的な場面を順に見ていきましょう。

(1)感知能力(ストレスのサインにいち早く気づく力)

感知能力は、自分がストレスを受けていることに気づく力です。「なんとなく体が重い」「最近ミスが増えた」といった小さな変化を見逃さず、早めにケアできる人はそれだけダメージが蓄積しにくくなります。逆に、感知能力が低いと、ストレスに気づかないまま限界まで追い込まれるリスクがあります。

(2)回避能力(ストレスの原因から上手に距離を置く力)

回避能力は、ストレスの原因となる状況を事前に察知し、うまく避けたり、影響を最小限に抑えたりする力です。「苦手な相手との接触を必要以上に増やさない」「無理な仕事量を事前に調整する」といった行動がこれに当たります。

回避と言うと「逃げ」と捉えられがちですが、むやみに受け止め続けるのではなく、消耗を防ぐための合理的な選択という側面もあります。

(3)処理能力(問題の本質を見極め、解決に動く力)

処理能力とは、ストレスの原因を「感情の問題」としてではなく「解決すべき課題」として捉え、根本から対処していく力です。何が問題の本質なのかに向き合うことで、同じ状況に繰り返し消耗しにくくなります。

例えば、業務過多でストレスを感じているとき、単に残業で乗り切るという一時的な対応ではなく、

  • 業務の優先順位を見直す
  • 作業プロセスそのものを改善する

といった本質的な対処を取れるかどうかが、処理能力の差として表れます。

(4)転換能力(ストレスをプラスに捉え直す力)

転換能力は、出来事の意味を捉え直し、ストレスをなるべくプラスの経験として受け止める力です。「この失敗から何を学べるか」「この状況は自分を成長させるチャンスかもしれない」と視点を変えられると、ストレス反応が出にくくなります。

ポジティブ思考というよりも、「物事を別の角度から見る柔軟さ」と捉えるとわかりやすいでしょう。

(5)経験値(蓄積された経験と学びの量)

過去に乗り越えてきたストレスフルな経験と、そこから得た学びの積み重ねも、ストレス耐性を形づくる重要な要素です。「あのときも何とかなった」という実感が、次の困難に向き合うときの心理的な支えになります。

例えば、

  • はじめてプロジェクトのリーダーを任されたときの不安
  • 重要な商談での失敗
  • メンバーとの意見対立によるトラブル

こうした困難を1つ1つ乗り越えていく過程が、ストレスへの対応力として蓄積されていきます。

(6)ストレス容量(ストレスを受け止める許容量)

ストレス容量は、一度に受け止められるストレスの総量です。同じ人でも、睡眠不足・体調不良・プライベートの悩みが重なっているときは容量が小さくなり、普段は気にならないことでも強いストレスを感じることがあります。容量は変動するものと理解しておくと、自分のコンディション管理にも意識が向きやすくなります。

ストレス耐性が低い人の特徴と原因

ストレス耐性が低い人でも、その原因が本人の意志や仕事への意欲とは必ずしも関係がないケースは少なくありません。まずは思考や行動に見られる特徴を整理し、その背景にある原因も合わせて確認していきましょう。

ストレス耐性が低い人の4つの特徴

ストレス耐性が低い人には、思考や行動のパターンとして次のような特徴が見られることがあります。

①自己否定・自己批判が強い

ストレス耐性が低い人は、ミスや失敗を必要以上に引きずり、「自分はダメだ」と自分を責める傾向があります。反省や改善につながる自己批判は健全ですが、過度になると自信を失い、次の挑戦へのハードルが上がってしまいます。

②悲観的・ネガティブな思考

物事の悪い面に目が向きやすく、「どうせうまくいかない」「また失敗するに違いない」と考えがちです。こうした思考パターンはストレス反応を強めやすく、実際の困難以上に消耗してしまうことがあります。

③現実逃避をしがち

問題に直面すると、向き合うより先に「見なかったことにしたい」という気持ちが働きやすくなります。短期的には楽になりますが、問題が先送りされるぶん、後から受けるストレスはより大きくなりがちです。

④一人で抱え込む

「迷惑をかけたくない」「弱いと思われたくない」という気持ちから、助けを求めることをためらいがちです。周囲のサポートを活用できないため、消耗するスピードが速くなります。

ストレス耐性が低くなる原因

ストレス耐性は、以下のような要因が重なることで後天的に低くなることがあります。

①完璧主義・高すぎる自己基準

「全て完璧にこなさなければ」という思考が強いと、少しのミスでも大きなストレスとして受け止めてしまいます。高い基準は成長の原動力になる一方、自分を追い詰める要因にもなります。

②過去の失敗体験や挫折の影響

過去に強いストレスや失敗を経験し、十分に消化できていない場合、同種の状況に対して過敏に反応しやすくなります。経験自体よりも、その後の振り返りや受け止め方が耐性に影響します。

③慢性的な睡眠不足・体調不良

ストレス容量は身体のコンディションに左右されます。睡眠が足りていない状態や体調が優れないときは、普段なら気にならないことでも強いストレスを感じやすくなります。

④孤立した環境・相談できる相手がいない

職場や私生活で悩みを話せる相手がいないと、ストレスを一人で抱え込む状況が続きます。サポートの有無はストレス耐性に直接影響する重要な環境要因です。

ストレス耐性が高い人の特徴と日常習慣

ストレス耐性が高い人が特別なメンタルの持ち主かというと、必ずしもそうではありません。思考や行動のパターンに共通点があり、それが結果としてストレスへの耐性につながっているケースが多くあります。

ストレス耐性が高い人に見られる特徴

ストレス耐性が高い人に見られる特徴は以下の通りです。

①ポジティブ・楽観的に物事を捉える

ストレス耐性が高い人は、困難な状況でも「何とかなる」「うまくいく方法を探せばいい」と考えられる傾向があります。根拠のない楽観ではなく、過去の経験から「乗り越えられる」という感覚が身についているため、ストレス反応が出にくくなります。

②自己肯定感が高く、失敗をありのまま受け止める

ミスや失敗を「自分の全否定」としてではなく「改善すべき出来事の1つ」として捉えられます。他者と自分を必要以上に比較しないため、落ち込みが長引きにくいのも特徴です。

③感情をコントロールして冷静に行動できる

プレッシャーがかかる場面でも、感情に流されずに判断できます。怒りや不安を感じていないのではなく、感じても行動に影響させない、というのがより正確な表現です。

④自分軸があり、他者に左右されない

他者の評価や意見に影響されすぎず、自分の価値観や判断基準を持っています。周囲の反応に一喜一憂しにくいため、人間関係のストレスを受けにくい傾向があります。

⑤協力関係を構築できる

困ったときに周囲に頼れる関係を普段から築いています。サポートを自然に活用できるため、ストレスを1人で抱え込まずに済む環境を自ら作り出しています。

ストレス耐性が高い人が日常的にやっていること

上記で特徴として挙げた思考パターンは、日々の習慣と切り離せないものです。ストレス耐性が高い人に共通して見られる行動を3つご紹介します。

①小さな達成感を意識的に積み重ねる

大きな目標だけを追いかけるのではなく、日々の業務の中で「できたこと」を意識的に確認する習慣があります。自己肯定感の維持につながり、困難な局面でも「自分にはできる」という感覚を保ちやすくなります。

②睡眠・食事・運動を意識的に管理する

ストレス容量は体のコンディションに直結します。高いストレス耐性を持つ人ほど、生活習慣を「パフォーマンスの土台」として意識的に管理している傾向があります。

③頼れる人間関係を普段から意図的に維持する

いざというときに相談できる相手は、自然に生まれるものではなく、日頃からのコミュニケーションの積み重ねによって作られます。仕事上の関係にとどまらず、社外や私生活も含めた人間関係を大切にしています。

ストレス耐性のセルフチェック

ストレス耐性を高めるには、まず現在の自分のストレス状態を把握することが出発点になります。以下のチェックリストで、現在のストレス状態を確認してみてください。

【ストレスのセルフチェックリスト】

  • 身体面のチェック

    • 頭痛、肩こり、胃痛などの身体症状がある
    • 疲労感が強く、だるさを感じる
    • 不眠や睡眠の質の低下がある
  • 精神面のチェック

    • イライラ、不安、落ち込みなどの感情の変化がある
    • 集中力の低下や物事に対する意欲の減退がみられる
    • ゆううつな気分が続く
  • 行動面のチェック

    • 飲酒量や喫煙量が増加している
    • 仕事のミスや事故が増えている
    • 人付き合いを避けるようになった

複数当てはまる場合は、ストレスが既に蓄積されているサインと考えられます。

ストレス耐性を上げる方法

ストレス耐性は、正しいアプローチを続けることで後天的に高めていくことができます。ここでは、思考面と行動面から実践できる方法をご紹介します。

ABC理論で思考パターンを変える

ABC理論は、ストレス状況に対する考え方を整理し、より効果的な対処法を見つけるためのフレームワークです。ストレス反応を左右するのは出来事そのものではなく、その「受け止め方」だという考え方に基づいています。

ABC理論では、ストレスフルな状況を次の3つの要素に分けて整理します。

  • A(Activating Event):ストレスの原因となった出来事
  • B(Belief):その出来事に対する受け止め方や解釈
  • C(Consequence):その考え方がもたらす結果

同じ出来事でも、Bの受け止め方が変わればCの反応も変化します。「上司に叱られた(A)」という出来事に対して、「自分はダメだ(B)」と受け止めるか、「改善のヒントをもらった(B)」と受け止めるかで、その後の感情や行動は大きく変わってきます。

SOC(首尾一貫感覚)を活用する

SOC(Sense of Coherence:首尾一貫感覚)とは、困難な状況でも「なんとかなる」と感じられる心理的な安定感のことです。医療社会学者アーロン・アントノフスキーが提唱した概念で、以下の3つの感覚で構成されます。

  • 有意味感:取り組むことに意味や価値があるという感覚
  • 把握可能感:今起きていることが理解できるという感覚
  • 処理可能感:困難に対処できるリソースがあるという感覚

この3つが高い人は、ストレスフルな状況でも「意味のある経験」として受け止めやすく、消耗しにくい傾向があります。中でも有意味感はSOCの中核とされており、日々の仕事に「なぜこれをやるのか」という意味を見いだすことが、SOC全体を高める入り口になります。

「メタ認知」でストレスを客観視する

メタ認知とは、自分の思考や感情を客観的に把握し、必要に応じて調整する力のことです。ストレスを感じているとき、その状況に飲み込まれるのではなく「自分は今、何にどれくらいストレスを感じているのか」と客観視できると、冷静な判断がしやすくなります。

手軽な実践としては、ストレスを感じたときに自分の状態を言葉にしてみる方法が挙げられます。日記や簡単なメモに書き出すだけでも、感情と状況を切り離して捉えやすくなります。

メタ認知について詳しく学びたい方は、以下の関連コラムもあわせてご覧ください。

コラム「メタ認知とは?ビジネスでの重要性とトレーニング方法」はこちら

ストレスコーピングを使い分ける

ストレスへの対処行動を「ストレスコーピング」といいます。自分に合った方法をあらかじめ知っておくと、いざというときに落ち着いて対処しやすくなります。

厚生労働省は、コーピングを大きく3つの方向性で整理しています。

  • 原因に働きかける:業務量の見直しや上司への相談など、ストレスの根本を取り除く
  • 感情を発散する:信頼できる人に話を聞いてもらう、趣味の時間をつくるなど、気持ちを外に出す
  • 周囲のサポートを借りる:同僚・専門家・社内外の相談窓口を頼り、1人で抱え込まない

どの方法が合うかは人によって異なります。複数を組み合わせながら、自分なりのコーピングを見つけていくことが大切です。

参考:「こころの耳|4 ストレスへの対処」(厚生労働省)

生活習慣を整える

思考のスキルがどれだけ身についていても、慢性的な睡眠不足や運動不足が続いていると、その効果は発揮されにくくなります。ストレス耐性の土台は、心身のコンディションにあるからです。

なかでも睡眠はとくに重要です。睡眠不足はストレス反応を強めやすく、感情のコントロールを困難にします。食事・運動については、何か特別なことを始めるよりも、「極端に崩さない」ことを意識するだけでも、ストレス容量の維持につながるといわれています。

企業が行うべきメンタルヘルス対策

ストレス耐性を高めるには、個人のセルフケアだけでなく、企業側の環境づくりが欠かせません。ここでは、企業が取り組むべき4つの施策を紹介します。

担当窓口の設置と周知

職場やプライベートでの悩み、ストレスなど、ビジネスパーソンは様々な要因からメンタルヘルス不調に陥るリスクがあります。相談する場所がわからなかったり、相談することに抵抗を感じたりして、一人で問題を抱え込んでしまうケースも少なくありません。社内に相談窓口を設置することで、メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応につながります。

設置に当たっては、メンタルヘルスの知識を持つ担当者の選定と対応手順の明確化が必要です。また、プライバシーが守られること、相談しても不利益な扱いを受けないことを従業員に周知することが、窓口の利用率を左右します。相談内容を個人が特定できない形で集約しておくと、職場環境の改善や研修の企画など、予防的な取り組みにも活用できるでしょう。

相談内容によっては、人事部・産業医・外部の専門機関との連携が必要になるケースもあるため、事前に連携体制を整えておくことが重要です。社内設置が難しい場合は、外部機関への委託も選択肢のひとつです。

「ストレス耐性向上」研修の実施

研修では、本コラムで紹介した6つの要素(感知・回避・処理・転換・経験値・ストレス容量)を軸に、各参加者が自分に合ったコーピングを見つけることを目標に設定するとよいでしょう。グループワークやディスカッションを取り入れることで、参加者同士の意見交換から気づきを得やすくなります。

管理職・非管理職の双方を対象とし、「過度なストレスを与えない」「ストレスを抱えているメンバーに気づき、サポートする」といったスキルを組織全体で育てることが大切です。

職場環境の改善

相談窓口や研修と並行して、ストレスの温床になりやすい職場環境そのものへのアプローチも必要です。優先的に取り組みたい施策として、以下のようなものが挙げられます。

対策 主な内容
長時間労働の
是正
業務効率化・人員配置の見直し・時間外労働の上限設定
休暇取得の
促進
制度整備・上司が率先して取得・取得状況のモニタリング
働き方の
多様化
テレワーク・フレックスタイム制の導入
ハラスメント
対策
防止方針の周知・相談窓口・研修・懲戒処分の明確化

中でも長時間労働の是正は、ストレス容量に直結する睡眠時間の確保にもつながるため、優先度が高い施策といえます。定期的に効果を測定しながら、従業員の声を反映した継続的な見直しを行っていくことが大切です。

ストレスチェック制度の活用

2015年から従業員50人以上の事業所に義務付けられているストレスチェック制度は、2025年5月の法改正で50人未満の事業場にも対象が広がりました。*1
高ストレス者の早期発見や職場環境改善に役立つデータを得るためにも、規模を問わず積極的な活用が求められます。

厚生労働省は「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」や「5分でできる職場のストレスセルフチェック」など、活用しやすいツールを無料で提供しています。高ストレス者が確認された場合は、医師による面接指導をはじめ、適切なフォローが必要です。*2*3

*1 参考:「ストレスチェック制度・メンタルヘルス対策」(厚生労働省)

*2 参考:「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム ダウンロードサイト」(厚生労働省)

*3 参考:「5分でできる職場のストレスセルフチェック」(厚生労働省)

対策を体系的に進めるために

ここまで紹介した4つの施策は、厚生労働省が定めるメンタルヘルス対策の「一次予防・二次予防・三次予防」という3段階の枠組みに沿って整理されています。*1

分類 目的 内容
一次予防 不調の未然防止 ストレスマネジメント教育・職場環境の改善
二次予防 早期発見と適切な対処 ストレスチェックの実施・相談窓口の設置
三次予防 職場復帰支援と再発防止 復職プログラム・定期的な面談

効果的に実施するには、従業員自身のセルフケア、管理職によるラインケア、産業医・保健師などの産業保健スタッフ、そして外部の専門機関が互いに連携する体制が欠かせません。厚生労働省が企業に義務付けている「心の健康づくり計画」を活用し、目的・実施方法・体制・教育の方法を具体的に盛り込んだ中長期の計画、施策実施が望まれます。*2

*1 出典:「Ⅰ メンタルヘルス対策のポイント」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/000615723.pdf)を加工して作成

*2 参照:「職場における心の健康づくり」(厚生労働省)