慶弔休暇とは?読み方・日数・給料などの基礎知識と制度・申請のポイント

update更新日:2026.05.12 published公開日:2024.07.05
慶弔休暇とは?読み方・日数・給料などの基礎知識と制度・申請のポイント
目次

慶弔休暇(けいちょうきゅうか)とは、結婚や出産、葬儀など、人生の節目となる慶事や弔事のために取得できる特別休暇です。本コラムでは、慶弔休暇の対象となる理由や親等の範囲、休暇取得のパターン、給料、慶弔見舞金など、慶弔休暇に関する基本と制度の仕組みをわかりやすく解説します。

慶弔休暇とは?意味と読み方、導入企業の割合

はじめに、慶弔休暇とは何か、日本企業での導入率や給料の扱いに関する統計などを見ていきましょう。

慶弔休暇の意味・読み方

慶弔休暇は「けいちょうきゅうか」と読みます。慶事(けいじ)と弔事(ちょうじ)をあわせて「慶弔」となっています。慶事は結婚や出産などのお祝いごとを意味し、弔事は親族が亡くなるなどのお悔やみごとを意味する言葉です。

慶弔休暇は慶事・弔事に際して取得できる休暇ですので、取得できる理由もこれらに限られています。

【慶弔休暇の対象となる慶事・弔事の例】

慶弔の分類
慶事
  • 本人や家族の結婚
  • 配偶者の出産
弔事
  • 親族の死亡

企業で導入されている慶弔休暇は、基本的に結婚・出産・死亡のいずれかのケースで取得可能です。取得者は、この休暇を使って必要な式典や手続きを行います。

慶弔休暇は福利厚生の特別休暇

慶弔休暇は、法律で導入を義務付けられていない「法定外休暇」、すなわち特別休暇の1つです。福利厚生の一環として導入されます。

【法定休暇と特別休暇の例】

分類 休暇の例
法定休暇
  • 年次有給休暇
  • 子の看護休暇
  • 介護休暇
  • 裁判員休暇 など
特別休暇
  • 夏季休暇
  • 年末年始休暇
  • リフレッシュ休暇 など

特別休暇は、導入や取得条件を法律で定められていません。そのため、制度の対象者や対象となる理由、付与する休暇の日数や有給/無給といった条件は、各企業が独自に定められます。これらの条件は、慶弔休暇を導入している企業の就業規則に記載されます。

慶弔休暇に関する統計

では、どのくらいの企業が慶弔休暇制度を導入しているのでしょうか。

国による2021年の統計では、慶弔休暇の導入率のほかに、給料の扱いや休暇の取り方の状況などがわかります。

【慶弔休暇の導入率と給料の扱い、取り方の状況(2021年)】*1

項目 割合 備考
慶弔休暇の導入率 94.9% 回答した全企業における割合
慶弔休暇が有給 81.3% 特別休暇がある企業に占める割合
慶弔休暇を時間単位で取得できる 21.5% 特別休暇がある企業に占める割合

加えて、雇用形態別の導入状況や給料の扱いも公表されています。

【慶弔休暇の雇用形態別の状況(2021年)】*2

雇用形態 導入率 有給(全額)の割合
正社員 85.6% 73.5%
嘱託社員 92.4% 73.2%
契約社員 79.2% 70.0%
パート・アルバイト 65.0% 48.3%

他方、帝国データバンクによる2025年の調査では、大企業・中小企業の導入率と慶弔見舞金制度の状況を調べています。結果は、下表のようになりました。

【慶弔休暇の導入率(2025年)】*3

項目 全体の導入率 大企業/中小企業の導入率
慶弔休暇の導入率 85.4%

大企業92.2%

中小企業84.2%

慶弔見舞金の導入率 76.1%

大企業89.2%

中小企業73.7%

いずれのデータを見ても、企業の8割以上が慶弔休暇を導入していることがわかります。

*1 参考:「年次有給休暇の取得に関するアンケート調査」(労働政策研究・研修機構)p.9より作成

*2 参考:同上(p.15)より作成

*3 参考:「福利厚生に関する企業の実態調査」(帝国データバンク)より作成

慶弔休暇・忌引休暇・有給休暇の違い

慶弔休暇を理解する際にポイントとなるのが、忌引休暇や有給休暇との違いです。簡単にまとめると、下表のようになります。

【慶弔休暇・忌引休暇・有給休暇の違い】

休暇の種類 法律の定め 取得理由 有給/無給 付与日数
慶弔休暇 × 慶事・弔事 企業による 企業による
忌引休暇 × 弔事 企業による 企業による
有給休暇 問わない 有給 法定日数

忌引休暇は、親族が亡くなった際に喪に服するために取得する特別休暇です。忌引休暇の取得者は、休暇中に葬儀や各種手続きなどを行います。そのため、忌引休暇は慶弔休暇が対象とする慶事・弔事のうち、弔事のみに焦点を当てた休暇制度といえます。

これに対し、有給休暇(年次有給休暇)は、法律で導入が定められている法定休暇です。勤続年数に応じて毎年休暇が付与され、理由を問わずに仕事を休むことができます。休んだ日にも給料が支払われます。

慶弔休暇と有給休暇の大きな違いは、法律の定めの有無です。慶弔休暇には法律の定めがなく、取得理由や給料の扱い、付与日数を自社の事情に合わせて定めることができます。制度自体を導入しなくても、違法にはなりません。

しかし、有給休暇は必ず導入しなければならず、従業員に付与する休暇の日数も法律で定められています。これを怠れば罰則が科されます(労働基準法第39条第7項、労働基準法第120条)。

慶弔休暇の対象理由・範囲・日数

では、一般的な傾向として、慶弔休暇の対象となる理由や親族の範囲、取得可能日数はどのようになっているのでしょうか。

慶弔休暇の主な理由は結婚・出産・葬儀

慶弔休暇の対象となる主な理由は、結婚・出産・葬儀の3つです。

結婚では、従業員本人や子の結婚が慶弔休暇の対象となるのが一般的。それ以外の親族については、基本的に対象外です。

出産では、配偶者の出産が対象となります。従業員本人が出産した場合は、慶弔休暇ではなく、法律で定められた産前産後休業や育児休業が適用されます。配偶者以外の家族・親族の出産については対象外です。

葬儀では、親族が亡くなった場合が慶弔休暇の対象です。葬儀以外の法事(四十九日や一周忌など)は、基本的に慶弔休暇の対象とはなりません。これらの法事では、有給休暇などを取得して休むことになります。

慶弔休暇は配偶者・親・祖父母・伯叔父母など三親等以内が基本

慶弔休暇では、「誰の慶事・弔事か」という点も重要です。結論からいえば、「一般に三親等以内の家族・親族または本人」となります。

【慶弔休暇の範囲の例】

慶事・弔事 範囲
結婚
  • 本人
出産
  • 配偶者
葬儀
  • 三親等以内の親族

    • 一親等(父母・子)
    • 二親等(兄弟姉妹・祖父母)
    • 三親等(伯叔父母・甥姪)

上の表のように、「最大でも三親等まで」が慶弔休暇の一般的な対象範囲。したがって、四親等であるいとこや、親族関係にない友人などの慶事・弔事では原則として慶弔休暇の取得ができません。

慶弔休暇の一般的な日数

慶弔休暇で付与される休暇日数は、本人や近しい親族のほうが多く、それ以外は少なくなります。

【慶弔休暇の日数の目安】

慶事の種類 続柄 休暇日数(目安)
結婚 本人 3〜5日
1〜2日
出産 配偶者 1〜3日
葬儀 配偶者 7〜10日
一親等 5〜7日
二親等 2〜3日
三親等 1日

葬儀については、配偶者が亡くなった場合に付与日数が最も多くなります。従業員本人が喪主となって葬儀全般を取り仕切ることが多く、準備や各種手続き、精神的な負担を考慮しているからです。

父母や子が亡くなった場合も、比較的多い休暇日数が付与されます。これには、配偶者の父母(義父母)も含まれます。従業員本人が喪主となる場合は、追加の日数が付与されることもあります。

三親等の親族が亡くなった場合の休暇日数は、1日とするケースが多いようです。繰り返しになりますが、いとこは四親等の親族であるため、原則として慶弔休暇の対象外です。

慶弔休暇がない会社のケース

統計で見たように、1〜2割の企業では慶弔休暇が導入されていません。慶弔休暇がない企業では、従業員は有給休暇の利用や欠勤によって仕事を休むことになります。

有給消化で対応するケース

有給休暇は、理由を問わず取得できる法定休暇。慶事や弔事を理由に取得することが可能です。会社から付与される慶弔休暇の日数が少ない場合にも、有給休暇の活用により休暇日数を増やすことができます。

なお、有給休暇の取得は、たとえ会社が繁忙期であっても原則として認められます。特に弔事は日程を大きく変更することができませんので、取得を拒否されることはないでしょう。

慶事の場合は、従業員の希望する時期に取得できることが第一ですが、「本人にしかできない」「代替要員を確保しようとしたが、確保できない」といった場合は、取得時期を本人と会社とで相談することもあります。

欠勤扱いになるケース

有給休暇を使わない場合は、「欠勤」として休暇を取得します。欠勤ですので、当然ながら無給です。

慶事・弔事による欠勤とほかの欠勤で取扱いが異なるのは、人事考課への影響です。慶事・弔事を理由とする欠勤は、人事考課には原則として影響しません。そのため、取得の際は「欠勤します」とだけ伝えたり「体調不良で休みます」と噓を述べたりせず、きちんと理由を伝えるほうがよいでしょう。

慶弔休暇制度の設計のポイント

慶弔休暇を新たに導入する際は、取得申請の前提となる各種条件や休暇の取り方、給料の規定、申請方法などを検討しましょう。

対象とする従業員の範囲

慶弔休暇を取得できる従業員の範囲は、雇用形態(業務・責任の範囲)と勤続年数で考えます。

雇用形態では、正社員・契約社員・パート・アルバイトのいずれも慶弔休暇付与の対象になり得ます。正社員には原則として全員、契約社員にも現在は多くの企業が慶弔休暇を付与しています。パート・アルバイトの従業員については、以前はほとんど対象とされていませんでした。しかし、近年は約5割の企業が付与の対象としています。

派遣社員の場合は、派遣会社の規定に基づいて慶弔休暇が付与されます。

勤続年数に関しては、「入社後、いつから慶弔休暇を取得できるか」という観点で検討しましょう。一般的には、

  • 弔事を理由とする休暇は、入社後すぐに取得可能
  • 慶事を理由とする休暇は、入社の半年後から取得可能

という形が見られます。

試用期間の従業員に慶弔休暇を付与するか否かは、企業によって大きく異なります。「正社員の試用期間だから、正社員と同様の扱いになる」とするところもあれば、「パート・アルバイトと同じ扱いなので、対象外とする」というところもあるようです。

なお、同一労働同一賃金の原則から、正社員と同様の業務内容・責任範囲で働いている従業員に対しては、たとえ有期雇用の従業員であっても、同じ福利厚生を適用しなければなりません。雇用形態の違いのみで不利益となる取扱いをしないよう気をつけましょう。*

参考:「同一労働同一賃金ガイドライン」(厚生労働省)

対象とする事由・親等・日数、取得の有効期限と起算日

慶弔休暇の対象となる理由(事由)は、これまで述べてきた通り結婚・出産・葬儀が一般的です。四十九日や一周忌などの法事は基本的に対象外です。ただ、法定外休暇であるため、「法事も慶弔休暇の対象にしたい」と考えるのであれば、自社のルールに定めることもできます。

慶弔休暇が適用される親等の範囲は、一般的に「三親等まで」となります。

【三親等までの親族の例】

親等 具体的な続柄
一親等
  • 父母、配偶者の父母(義父母)
  • 子、子の配偶者
二親等
  • 祖父母、配偶者の祖父母
  • 兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者
三親等
  • 伯叔父母、伯叔父母の配偶者
  • 甥姪、甥姪の配偶者

直系の血族と姻族(「〇〇の配偶者」のケース)で取得可能日数に違いを設けるか否かは、企業によって判断が分かれます。日数を区別する明確な理由がない場合は、血族と同様の日数を付与する形で問題ないでしょう。

取得可能な休暇日数は、事由と親等によって決定します。親等が近いほど日数が多くなります。

ここで忘れてはならないのが、慶弔休暇取得の有効期限と起算日の規定です。

弔事では発生日から短期間のうちに休暇が取得されることが大半ですが、慶事はより柔軟な日程調整ができます。このことから、「結婚して1年6カ月経った時点で、慶弔休暇を取得する」という選択肢も出てきます。

しかし、発生日から期間が経ちすぎてしまうと、「本当に慶事があったのか」という問題や「慶事の証明書類を提出できない」という問題が発生するかもしれません。このような問題を回避するため、「発生日からいつまでの期間なら取得できるのか(=有効期限)」を決めておくのです。例えば、

  • 慶事の場合は、発生日から180日以内の申請が必要
  • 弔事の場合は、発生日から14日以内の申請が必要

といった具合です。

この規定で「発生日から」という記述の部分が「起算日」です。起算日は「発生日から」とするパターンもあれば、「発生日の翌日から」とするパターンもあります。

慶弔休暇の取り方(土日の取扱い、連続取得・分割取得・時間単位の取得)

慶弔休暇の取り方は、「1日単位で連続して取得する」という形が一般的。一方で、仕事とのバランスや取得を容易にするといった目的から、分割取得・時間単位での取得を認める企業もあります。

【慶弔休暇の取り方のパターン(5日間取得する場合)】

取り方 具体例
連続取得 月・火・水・木・金の5日間連続で取得する
分割取得 月・火・水の3日間と、翌週の月・火の2日間に分けて取得する
時間単位の取得 月・火・水の3日間を連続で取得し、翌週の月・火・木・金は4時間ずつ取得する(1日の所定労働時間が8時間の場合)

また、休暇日数に土曜日や日曜日など、本来休日として扱われる日も含めるか否かも明確にしましょう。

給料の規定(有給・無給)、慶弔見舞金の規定

付与する休暇日数とともに、休暇中の給料の取扱いや慶弔見舞金制度も検討してください。

給料の取扱いでは、休暇を全て有給とするパターン、一部のみを有給とするパターン、全てを無給とするパターンがあります。無給の場合は、給料の代わりに特別手当である慶弔見舞金を支給することも選択肢に入ります。

【慶弔休暇の給料のパターン】

パターン 概要
有給(全額支給)
  • 取得した慶弔休暇の全てについて、通常通りの給料を全額支給
有給(一部支給)
  • 取得した慶弔休暇のうち規定日数分については、通常通りの給料を支給
  • 超過する日数分は無給
無給
  • 取得した慶弔休暇の全てについて、給料の支給なし
  • 給料の代わりに、特別手当(慶弔見舞金)を支給するケースあり

慶弔見舞金は、慶事では「お祝い金」、弔事では「弔慰金(ちょういきん)」とも呼ばれます。慶弔見舞金の金額の目安は、下表の通りです。

【慶弔見舞金の金額(目安)】

慶弔費の種類 続柄 金額相場
結婚祝い金 本人 1〜5万円
1万円
出産祝い金 配偶者 1万円
死亡弔慰金 本人 5〜3000万円
親族 1〜5万円

本人の死亡の場合、慶弔休暇の対象とはなりませんが、弔慰金の対象となる可能性は十分あります。その金額は、業務中の死亡か否かで大きく変わります。

申請期限・申請書・証明書

慶弔休暇の取得条件や支給する給料・手当に関するルールを定めたら、休暇の取得申請に必要な書類とフォーマット、申請期限を決定しましょう。

慶弔休暇の取得に必要とされる一般的な書類は、申請書と証明書(添付書類)です。申請書は事前に紙またはエクセル・ワードのファイルで共有しておくと便利です。フォーマットを決めない場合は、メールで伝えてもらう事項を定めます。証明書に関しては、結婚・出産・葬儀のそれぞれについて定めてください。

【慶弔休暇の申請書と証明書の例】

書類 ポイント
申請書
  • 申請書のフォーマットでは、以下の必須事項の記入欄を設ける

    • 申請日
    • 申請者の所属・氏名
    • 申請理由(結婚・出産・葬儀など)と続柄
    • 休暇取得希望日
    • 休暇中の連絡先
  • フォーマットを作成しない場合は、メールなどで上記の必須事項を伝える運用とする
証明書
  • 結婚式の場合:招待状、結婚証明書など
  • 出産の場合:出生証明書など
  • 葬儀の場合:死亡診断書、会葬礼状、葬儀証明書など

慶弔休暇の申請期限は、「いつからいつまで休暇を取得できるか」という慶弔休暇の有効期限と異なり、「休暇取得の申請をいつまで行えるか」を定めるものです。慶事の場合は事前に予定がわかっていることが多いため、事前申請できるものとする運用が一般的。他方、弔事は発生の予測が難しいため、事後の申請が基本です。

【慶弔休暇の申請期限の例】

慶事・弔事 申請期限の例
結婚
  • 休暇を取得する日の1カ月前まで
  • 休暇を取得する日の2週間前まで
出産
  • 出産日の前後1カ月間
葬儀
  • 死亡日から14日後まで

弔事による慶弔休暇の申請は事後になります。それでも、現場の混乱を避けるため「休暇を取得しなければならないことがわかった時点で電話またはメールで連絡する」というルールを明確にしておきましょう。

就業規則への記載・周知

慶弔休暇制度について以上の事項を決定できたら、それらの事項を労働者の過半数で組織する労働組合と、そうした労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する従業員と確認し、就業規則に記載しましょう(労働基準法90条)。

厚生労働省が公表する就業規則の記載例は、次のようになっています。

【就業規則への記載例】*

(慶弔休暇)

第〇条 労働者が申請した場合は、次の通り慶弔休暇を与える。

  1. ① 本人が結婚したとき 〇日
  2. ② 妻が出産したとき 〇日
  3. ③ 配偶者、子又は父母が死亡したとき 〇日
  4. ④ 兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき 〇日

新規に就業規則を作成した場合でも変更した場合でも、労働基準監督署への届出が必要です(労働基準法89条)。あわせて、いつでも従業員が参照できるよう、掲示もしくは交付によって周知しましょう(労働基準法106条)。

*参考:「モデル就業規則(令和7年12月版)」(厚生労働省労働基準局監督課)p.47

慶弔休暇申請の方法・実務ポイント

最後に、慶弔休暇の取得に当たって行う手続きの流れを見ていきましょう。申請を行う従業員側の手続き、申請を受けた会社側の対応を順番に解説します。

従業員側の申請方法・連絡の例

従業員側の申請では、必要書類の提出と業務の引き継ぎを行います。

慶事の場合はなるべく事前に申請し、弔事では休暇の必要性が発生次第、連絡を入れましょう。弔事の正式な休暇申請は、休暇後の出社時に行います。連絡する相手は、直属の上司や人事部門です。

慶弔休暇の申請期間、取得の有効期限、取得できる理由や範囲、日数などは、企業ごとに異なります。これらを確認するには、自社の就業規則をチェックしましょう。

慶弔休暇の申請に当たって出するべき書類がわからなければ、直属の上司や人事部門に聞いてみてください。申請書のフォーマットがある場合は、そのフォーマットが紙や電子ファイル(エクセルやワード)で共有されます。フォーマットがない場合は、連絡すべき事項(取得理由や休暇の日程など)が伝えられるでしょう。あわせて、必要な証明書に関する情報も教えてもらえます。

慶弔休暇の取得に必要な証明書は企業によって異なります。とはいえ、一般的な傾向はありますので、以下の書類を保存しておくとよいでしょう。

【慶弔休暇の申請に使われる証明書の例】

  • 結婚式の場合:招待状、結婚証明書など
  • 出産の場合:出生証明書など
  • 葬儀の場合:死亡診断書、会葬礼状、葬儀証明書など

慶弔休暇は3日以上の休みとなることも珍しくありません。職場の業務や取引先との連絡に支障を来さないよう、慶弔休暇取得の連絡とともに、上司・同僚や取引先への連絡も忘れずに行ってください。

【慶弔休暇取得のための業務連絡】

連絡相手 連絡内容の例
上司・同僚・部下
  • 休暇取得期間
  • 現在担当している業務の進捗
  • 重要な業務や書類の締め切り・提出先
  • 業務関連ファイルの保管場所
  • 担当顧客の訪問予定 など
取引先
  • 不在期間
  • 代理の担当者名

取引先とのやり取りを代理の担当者に任せるなら、「どこまで業務を実施していいのか」といった権限の範囲も明確にしておきましょう。加えて、重要な判断が伴うケースについては、事前に対応方針を決めておくと安心です。

会社側の実務・対応の例

従業員から慶弔休暇の申請を受け取ったら、担当者は迅速かつ適切な対応を進めましょう。

慶弔休暇申請への対応の基本手順は、以下のようになります。

【慶弔休暇の基本的な対応手順】

  • 申請に必要な書類がそろっているか確認する
  • 書類に必要な内容が記載されているか確認する
  • 関係者への連絡と必要な手配を進める

慶弔休暇に当たって会社側が進めるべき手配は、主に次のものです。

【手配の具体例】

慶事・弔事 手配内容の例
結婚
  • 祝儀・祝電の準備(結婚式の日程・会場の情報が必要)
  • 慶弔見舞金制度を導入している場合は、お祝い金の準備
  • 会社の関係者が出席する場合は、出欠の連絡
出産
  • お祝いメッセージの準備
  • 慶弔見舞金制度を導入している場合は、お祝い金の準備
  • 贈り物の手配
葬儀
  • 供物・供花・弔電の手配(葬儀の日程・会場の情報が必要)
  • 慶弔見舞金制度を導入している場合は、死亡弔慰金の準備
  • 会社の関係者が葬儀に参列する場合は、香典の準備

なお、従業員への慶弔見舞金(慶弔費)は、社会通念上妥当な金額であれば、福利厚生費として経費にすることができます。

【慶弔費の社会通念上妥当な金額】

  • 祝儀:3万円~5万円程度
  • 香典:5,000円~1万円程度

これを超える場合は、給与(課税対象)と見なされる可能性があるため注意しましょう。

慶事・弔事では基本的に領収書が発行されません。そうした場合は、以下のような書類で支払いを証明することになります。

【慶弔費の支払いを証明する書類の例】

  • 出金伝票
  • 慶弔費精算書
  • 式典の招待状
  • 会葬礼状

従業員から提出された証明書は、確実に保管しておきましょう。

慶弔休暇でチームが困らないための対策も重要

慶弔休暇は、従業員の結婚・出産・葬儀といった重要な節目に取得される特別休暇です。「仕事が忙しいから取得は認めない」とすることは、従業員の大切なライフイベントや親族との関係性を軽視することになりかねません。きちんと休暇を取得できるよう、普段から業務管理や情報共有を行い、チーム内の連携を強化しましょう。

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