アルファ世代(α世代)とは?意味と特徴、人材教育のポイント
公開日:2026.03.06

アルファ世代とは、2010年~2024年生まれの世代を意味します。Z世代と同様デジタルネイティブですが、幼少期からSNSやインターネットの活用が当たり前の生活を送っている点がZ世代とは異なる特徴です。
本コラムでは、数年後には入社してくるアルファ世代が受けた学校教育や価値観、人材教育のポイントを解説します。
アルファ世代(α世代)とは何歳の世代?意味・年齢・人口
まずは、アルファ世代の意味や2026年での年齢、日本における人口など、基本情報を見ていきましょう。
アルファ世代はいつから?定義・年齢、日本における人口
アルファ世代は、Z世代の次の世代であり、2010年~2024年生まれの世代を意味します。2026年に2歳〜16歳となる子どもたちです。日本語では「アルファ世代」とも表記され、英語では「Generation α」または「Generation Alpha」となります。
アルファ世代の人口は、世界全体で見ればおよそ20億人(推定)。日本のアルファ世代の人口は、約1,400万人です。*
*出典:「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)」(総務省統計局)
アルファ世代の提唱者と呼び方の由来
アルファ世代という呼び方を提唱したのは、オーストラリアの世代研究者であるマーク・マクリンドル氏。人口統計学と社会調査により、社会のトレンドの分析や世代分析を行っています。
「アルファ」という名称は、ギリシア文字の最初の1字である「α」に由来します。直前の世代がラテン文字の最後の文字「Z」であることから、ギリシア文字の最初から名称をつけ直す形となりました。
参考:‘about McCrindle Principal’, mccrindle
アルファ世代の親の多くはミレニアル世代
アルファ世代の特徴には、受けている教育や育ってきた環境が大きな影響を与えています。その中心となるのが、アルファ世代の親世代です。
アルファ世代の親の多くはミレニアル世代。1980年代から1990年代半ばに生まれ、2000年以降に社会進出する世代であることから、この名称で呼ばれています。日本では「就職氷河期世代」(1970年〜1984年ごろ生まれ)や「ゆとり世代」(1987年〜2004年生まれ)とも重なる世代です。
ミレニアル世代は、インターネットが普及する前に生まれた世代でありながら、2007年に登場したiPhoneやAndroid端末に触れ、新たなデジタル技術に馴染んできました。ワークライフバランスや多様性の視点をもつと同時に、上の世代よりもデジタル環境に適応している点が特徴です。
アルファ世代は、ミレニアル世代による教育と近年の社会問題に関する教育を受けて育っています。
アルファ世代(α世代)の特徴は?考え方や価値観の傾向
アルファ世代は、ミレニアル世代以降の個性・多様性を尊重する教育に加え、学校でSDGs教育を受けて育ってきました。さらに、SNSやインターネット活用が日常生活の一部となっています。こうした背景から、アルファ世代について主に4つの特徴が指摘されています。
(1)個性・多様性の尊重、SDGs教育の影響
1つ目は、ミレニアル世代から受け継ぐ個性・多様性を尊重した価値観です。一人ひとりの個性を大切に、「褒めて伸ばす」教育方針で育てられた人が多いでしょう。他者との比較で優劣を競うよりも、本人の成長に注目する育て方です。
学校教育でも、個性・多様性が尊重されています。同時に、英語教育が強化され、プログラミング教育やSDGs教育も始まりました。
SDGs教育では、多様な人々が一緒に社会のメンバーとして活躍できる共生社会の実現、環境問題への取り組みなどが伝えられています。その影響から、社会問題の知識や関心が以前の世代よりも高くなる傾向にあるようです。
(2)SNS・インターネット活用が前提の生活
アルファ世代は完全なデジタルネイティブです。
スマートフォンやタブレットは生まれたときから生活の中にあり、学校でもタブレットを使って学習しています。コロナ禍が始まった2020年、アルファ世代は小学生や幼児でした。休校や学級閉鎖が頻繁に行われた当時、オンライン授業を受けた最も若い世代です。
デジタルデバイスを使い慣れているため、オンラインサービスの活用にも積極的。YouTubeやTikTok、その他SNSなどを日々楽しんでいます。知らないことを調べる際も、SNSや動画コンテンツを参照して効率よく情報を集めます。
また、SNSおよびオンラインゲームは、友達との交流の場にもなっているようです。
(3)“タイパ”重視で倍速再生やAIを活用する情報収集とエンタメ
ICT活用が当たり前のアルファ世代は、オンラインサービスをただ使うだけではありません。YouTubeや動画配信サービスなどの「倍速再生」や動画系SNSの「ショート動画」など、短時間で多くのコンテンツに触れるスピード感に慣れている人が多いようです。このスピード感や効率の良さを好む姿勢は、“タイパ(タイムパフォーマンス)”を重視する考え方に支えられています。
倍速再生は、「見るのが面倒だから早送りしている」と誤解されやすい行為です。しかし、実状は必ずしもそうではありません。コンテンツを自分にとって心地よいスピードで視聴するために、手段として倍速機能やスキップ機能を活用しているからです。
非常に多くの情報にあふれている現在、その流れに追いつくには効率よく情報を得なければなりません。コンテンツの内容には、自身にとって関心がある部分とそうでない部分があります。加えて、情報を理解するスピードや目的も人によって異なります。「音楽の視聴を目的とする動画は等倍再生だけど、ニュース番組は倍速再生」といった使い分けも、自分に合う視聴方法の1つなのです。
AIによるレコメンド機能や要約の活用も、自分にとって必要なものを効率的に得る手段となっています。
(4)インフルエンサーを応援する“推し活”やトレンド
TikTokをはじめとするSNSやYouTubeが日々のエンターテインメントとなっているアルファ世代。テレビ番組や映画に出演する有名人だけでなく、SNSで活躍するインフルエンサーも“推し活”の対象です。動画を観てコメントを送ったり、リアルタイムの配信を視聴して交流したり、インフルエンサーがプロデュースする店を訪れたりするなどしています。
また、アルファ世代では「インフルエンサーごっこ」も行われているとのこと。有名人の真似をする遊びは上の世代の人にも経験があるでしょう。アルファ世代は、インフルエンサーのような動画や写真を撮って楽しんでいるのだそうです。実際、アルファ世代の子どもたちは、カメラを向けられることに大変慣れています。
アルファ世代(α世代)とZ世代の違い一覧表
アルファ世代と1つ前のZ世代には、多くの共通点があります。一方で、SNS・インターネットの活用やコロナ禍における影響といった点では違いも見られます。
Z世代の定義を確認したあと、共通点と違いを順番に見ていきましょう。
Z世代の定義、アルファ世代との境目
冒頭でご紹介した通り、アルファ世代は2010年〜2024年生まれの世代です。これに対し、Z世代は1990年代半ば〜2010年代に生まれた世代とされています。Z世代はミレニアル世代とアルファ世代の間に位置づけられる世代です。
Z世代とアルファ世代の境目は、その定義から「2010年頃」といえます。
アルファ世代とZ世代に共通する特徴
アルファ世代とZ世代の共通点は、何と言ってもデジタルネイティブであることです。生まれたときからデジタル環境の中で育ち、親世代よりも上手にデジタル機器を使うことができます。
個性を大切にし、タイパを求める姿勢も共通しています。
Z世代については、以下の関連コラムで詳しく解説していますので、アルファ世代との比較にご活用ください。
コラム「Z世代とは?特徴や価値観、育成のポイントを解説」はこちら
アルファ世代とZ世代の違い一覧表
アルファ世代とZ世代の違いは、親世代の特徴とICT活用サービスの浸透度、コロナ禍で受けた影響などにあります。
【アルファ世代とZ世代の違い一覧】
| 項目 | アルファ世代 | Z世代 |
|---|---|---|
| 親世代 |
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| SNS活用 インターネット活用 |
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|
| コロナ禍での年齢 |
|
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大きな違いとしては、Z世代が検索エンジンなどを使って自分で情報を見つけて解釈しなければならない経験をしているのに対して、アルファ世代は他の人やAIが既にまとめている情報を中心に見ている点があげられます。
また、コロナ禍を経験した年齢を比較すると、Z世代のほうがより強く印象に残っているかもしれません。特に一人暮らしの大学生だった場合、大学に行けないことで友人や先生に会えず、孤独感に苦しんだ人もいるでしょう。
Z世代は、ICT普及の過渡期に育ち、大きな社会の変化を肌身で感じてきました。これに対し、アルファ世代は、ICTが既に普及した社会で、「ウィズコロナ」や「ニューノーマル」の考え方とともに育った世代といえます。
アルファ世代(α世代)向けの仕事における人材教育ポイント
アルファ世代は、まだ未成年の世代です。しかし、あと数年すれば就職活動を開始し、新入社員として組織に参加するようになるでしょう。
アルファ世代を対象とする人材教育では、そのICT活用スキルやタイパ意識を活かせる施策がおすすめ。Z世代から続く個性・多様性の尊重も重要です。ポイントは、次の3つです。
- (1)デジタルツールを活用した育成施策
- (2)一人ひとりの強みと個性を尊重したフィードバック
- (3)社会貢献と結びつけた事業・業務の理解促進および支援
順番に解説します。
(1)デジタルツールを活用した育成施策
幼少期からデジタル環境で育ってきたアルファ世代には、写真や動画を用いた直感的に把握しやすい手段での情報共有や効率的な研修・セミナーの提供が効果的でしょう。
例えば、情報共有ツールには写真・動画を送信できるビジネスチャットが便利。隙間時間にサッと確認できる情報量が好まれそうです。ショート動画の尺は1分程度ですので、複雑な内容でなければ、1〜3分程度で把握できる量に分割して共有する方法も有効でしょう。
しっかり時間をとって理解しなければならない情報については、最初に概要や結論を提示することで、アルファ世代のストレスを軽減できます。これまでも、ビジネスシーンではPREP法など結論から提示する手法が活用されてきました。そのスタイルをより意識するとよいでしょう。
研修やセミナーは、オンラインで実施する選択肢も考慮しましょう。動画教材を倍速再生で視聴する社員がいるかもしれませんが、それは必ずしも「手を抜いている」わけではありません。「自身が理解しやすい速度・頻度で視聴する手段の1つである」と理解することが大切です。
数日にわたる研修や海外での研修など比較的長期にわたる研修については、事前に写真や動画で疑似体験できるコンテンツを用意すると、不安を和らげることができます。前年度の取り組みを写真・動画で紹介したり、参加者へのインタビュー動画を共有したりしてみてください。
なお、受講する研修・セミナーの選択には、本人が持っているスキルや課題に応じたレコメンド機能を活用する手もあります。ALL DIFFERENT株式会社が提供するビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」は、ビジネスパーソンに求められるスキルを体系的にチェックし、その結果に基づいておすすめの研修が表示されるシステム。現在も多くの企業に導入されていますが、今後社会人となるアルファ世代との相性もよいと考えられます。
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(2)一人ひとりの強みと個性を尊重したフィードバック
個性や多様性を尊重するアルファ世代には、「誰に対しても同じ内容・同じ方法で教える」という画一的な教育だけでなく、一人ひとりに合うフィードバックや学びの機会の提供が欠かせません。
効果的な人材育成の基本は、集合研修を通じてインプットをしたあとに現場での実践で定着させるという“インプット・アウトプットのサイクル”です。このとき、実践の結果のフィードバックにおいて、本人の能力と“自分らしさ”を大切にしたポジティブフィードバックと課題分析、改善策の検討を行いましょう。
フィードバックでは、本人の努力と達成した成果を認め、話し合いを通じて強みと課題を確認します。「自分に合う提案」を受けられれば、改善に向けた本人の意思決定も促せます。
注意点は、アルファ世代との信頼関係を築くために無理に距離を縮めようとしないことです。上司・先輩・部下の縦の関係を強調するより、アルファ世代の“ゆるくつながる”という傾向を考慮し、押しつけず、必要なときに必要な相談ができる関係性を築いていくとよいでしょう。
(3)社会貢献・組織貢献と結びつけた業務の理解促進
アルファ世代は、社会問題への関心が高い世代です。アルファ世代に自社の事業や業務の重要性を理解してもらうには、それらが社会問題の解決にどのように結びつくのかを説明しましょう。
製造業であれば、脱炭素化や水質汚染対策で行っている業務、より多くの人にとって使いやすい製品づくりといった観点があります。マーケティングなら、マイノリティを排除しない視点での戦略立案や、プロジェクトへの多様な人材の参加などが考えられます。
職場づくりに関しては、各職場での省電力化やリサイクルの推進、多様な働き方ができる制度の導入、多彩なメンバーと一緒に働ける環境づくりなどが代表的施策でしょう。
ほかにも、会社全体の社会貢献事業として、地域イベントへの協賛や社会問題の解決に取り組む団体との協力など、考えられる施策は多くあります。
- 「この事業は、社会にどのような価値を提供するのか」
- 「この業務は、社会貢献につながる事業とどのように関わっているのか」
- 「なぜ、この方法で遂行しなければならないのか」
といった背景や理由を丁寧に説明することで、自社の取り組みを肯定的に受け止め、より深く理解してもらえるでしょう。
アルファ世代向けの新人・若手育成準備を進めよう
アルファ世代は、これから社会人として活躍する世代です。社会問題への関心と高いデジタルスキル、個性を尊重する価値観が特徴のアルファ世代を迎えるに当たり、多様な働き方の実現や個性・特性を考慮したマネジメントを改めて進めていかなければなりません。
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