ポテンシャルとは?意味や例文、高い人の特徴、採用方法をわかりやすく解説
更新日:2025.12.16
公開日:2023.06.06

ポテンシャルとは、まだ発揮されていない潜在能力や成長の可能性を指す言葉です。ビジネスシーンでは、主に採用や育成の場面で「個人の将来性を見極める指標」として重要視されています。
本コラムでは、ポテンシャルの意味や例文、ビジネスシーンでの使い方、ポテンシャルが高い人の特徴や上げる方法、ポテンシャル採用について詳しく解説します。
ポテンシャルとは
はじめに、ポテンシャルの基本的な意味と、実際のビジネスシーンでの使い方を見ていきましょう。
ポテンシャルの意味
ポテンシャルとは、「潜在能力」や「将来性」を意味する言葉です。ビジネスシーンでは、主に人事・採用分野において、社員や候補者が持つ未開発の能力や成長余地を評価する際に使われます。
なお、マーケティング分野でポテンシャルというと、「市場の潜在規模」や「見込み客の購買可能性」を指す場合もあります。
本コラムでは、人材育成および採用における「ポテンシャル」に焦点を当てて解説します。
ビジネスシーンでの「ポテンシャル」の使い方と例文
ビジネスシーンでは、社員の評価や育成、採用面接などで「ポテンシャル」という言葉がよく使われます。代表的な例文とその意味を解説します。
例文①:「新入社員のAさんはポテンシャルを秘めている」
「新入社員のAさんには、まだ表に出ていない能力や才能がある」という意味になります。現時点では経験が浅くても、将来的な成長を期待している場面で使います。
例文②:「新しいプロジェクトを任せたことで、彼のポテンシャルを引き出せた」
「新しいプロジェクトを任せたことで、彼の隠れていた能力を発揮させることができた」という意味です。難しい業務や責任ある役割を通じて、社員の潜在能力が開花した状況を表しています。
例文③:「彼女のポテンシャルを見込んで、プロジェクトリーダーに抜擢した」
「彼女の将来的な成長や活躍を期待して、プロジェクトリーダーに抜擢した」という意味です。実務経験が少なくても、学習意欲や適性を評価して登用する場合などに使われます。
ポテンシャルの類語と似た表現
ポテンシャルと似た意味を持つ言葉は数多くあります。ここでは、ビジネスシーンでよく使われる類語の意味、使用例を見ていきましょう。
【ポテンシャルの類語】
| 類語 | 意味・特徴 | 使用例 |
|---|---|---|
| 潜在能力 | まだ表に出ていない、隠れた能力を表す言葉。ポテンシャルとほぼ同義で使われるものの、潜在能力の方が堅い印象を持つ | 「彼の潜在能力は計り知れない」 |
| 可能性 | 将来実現する見込みや発展性を示す言葉。ポテンシャルよりも幅広い文脈で使われ、人材だけでなくプロジェクトや技術に対しても用いられる | 「この新入社員には管理職になる可能性がある」 |
| 将来性 | 将来的な成功や成長が期待できることを示す。長期的な視点で評価する際に使われることが多い | 「彼女には将来性がある」 |
| 素質 | 生まれつきの才能や適性を示す言葉。ポテンシャルが後天的な成長も含むのに対し、素質は先天的な要素を強調する場合に用いる | 「リーダーの素質がある」 |
| 伸びしろ | 今後成長する余地や可能性を表す、やや口語的な表現。現状の能力に対して、さらに高められる余力があることを示す | 「この若手社員にはまだ伸びしろがある」 |
これらの表現は、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。場面に応じて使い分けることが大切です。
ポテンシャルと混同しやすい言葉の違い
ポテンシャルと混同しやすい言葉に「モチベーション」「スキル」などがあります。それぞれの意味の違いを明確にしておきましょう。
モチベーションとポテンシャルの違い
モチベーションは「やる気」や「動機付け」を意味し、行動を起こす原動力を指します。一方、ポテンシャルは「潜在能力」や「将来性」を意味し、まだ発揮されていない能力そのものを表します。
- モチベーションが高い社員:意欲的に仕事に取り組む姿勢を持つ人
- ポテンシャルが高い社員:隠れた能力や成長の余地がある人
これら2つは異なる概念です。意欲が高くても、既に能力が成熟していて伸びしろが少ないケースもあります。反対に、現時点ではやる気が表に出ていなくても、適切な機会があれば大きく成長できる潜在能力を持つ人もいます。
つまり、モチベーションは「今、どれだけ頑張れるか」、ポテンシャルは「将来、どこまで成長できるか」を示す概念といえるでしょう。
コラム「モチベーションとは?意味、下がる理由と上げるための方法・理論」はこちら
スキルとポテンシャルの違い
スキルは既に身につけている技術や知識、能力を指します。一方、ポテンシャルは、まだ表に現れていない能力や、これから開花する可能性を意味します。
- 営業スキルが高い社員:現時点で商談や提案が上手にできる人
- 営業のポテンシャルが高い社員:まだ経験は浅いものの、将来優れた営業担当者になる素質を持つ人
採用や配置転換の場面では、この違いを理解することが重要です。例えば、即戦力を必要としているならスキルを、長期的な育成を前提とするならポテンシャルを重視して判断することになります。
ポテンシャルを構成する6要素
ここまで、ポテンシャルという言葉の意味や他の概念との違いを見てきました。ここからは、ポテンシャルの内容についてさらに詳しく見ていきましょう。
ポテンシャルは単一の能力ではなく、複数の要素が組み合わさって形成されます。主なものとして、分析力・思考力・実行力・客観性・成長意欲・責任感の6つの要素が挙げられます。
(1)分析力
分析力は、複雑に絡み合う物事を細かな要素に分け、関係性を捉えながら構成を明確にする能力です。ビジネスでは、膨大なデータから本質を見抜いたり、課題の根本原因を突き止めたりする場面で必要とされます。
分析力が高い人は、表面的な情報に惑わされず、物事の本質を理解できるため、的確な判断を下すことができます。
(2)思考力
思考力は、物事を論理的に整理し、深く考える力です。
思考力の高い人は、複雑な問題をわかりやすく説明し、相手が納得しやすい伝え方ができます。また、因果関係を正しく把握することで、効果的な解決策を導き出せます。
(3)実行力
実行力は、目標達成に向けて計画を立て、行動してやり抜く力です。場当たり的ではなく戦略的に計画を実行し、物事を完遂する能力と言い換えられます。
実行力が高い人は、困難に直面しても諦めず、工夫しながら前進することができます。
(4)客観性
客観性は、第三者の視点に立って、物事を冷静に判断する能力です。問題点を様々な観点から把握できるだけでなく、自分自身のことも客観的に捉えられるため、自らの間違いを軌道修正できます。
感情に流されず、冷静な判断を下せることから、周囲からの信頼を得やすい要素でもあります。
(5)成長意欲
成長意欲は、組織において与えられた職務や役割をこなし、自分の能力やスキルを積極的に高める姿勢のことです。
成長意欲が高い人は、経験の積み重ねや学ぶこと自体に貪欲な傾向があり、常に「もっと成長したい」という向上心を持っています。現状に満足せず、新しい挑戦を求め続けます。
(6)責任感
責任感は、任された仕事に責任を持ち、最後まで取り組むことです。課題に直面した場合も、途中で投げ出さず、解決を目指して行動します。
責任感が高い人は、周囲からの信頼を得やすく、重要な役割を任されることが多いでしょう。組織の中核を担う人材に不可欠な要素といえます。
ポテンシャルが高い人の特徴
ポテンシャルが高い人には、いくつか共通する特徴が見られます。前述した分析力や思考力といった6つの要素が、実際の行動や姿勢として顕著に現れます。
ここでは、人材のポテンシャルを見極める際に注目すべき代表的な4つの特徴を紹介します。
素直かつ謙虚である
ポテンシャルが高い人は素直で謙虚な傾向があります。周りの意見に素直に耳を傾け、自分にとって耳が痛い指摘も真摯に受け止め、言い訳をしません。そのため、周りからのアドバイスを効果的に吸収し、速いスピードで成長していきます。
また、自分の能力を過信することなく、他人を尊重するため、周囲から信頼される存在となります。このような姿勢が良好な人間関係を築き、社交性も発揮されます。
自己分析ができている
ポテンシャルが高い人の特徴として、自己分析ができることが挙げられます。自分の強みや弱みを客観的に把握し、成長に必要な要素を理解しているため、効果的にスキルアップが可能です。
また、常に振り返りを怠らず、改善点を次の行動に反映する姿勢も持ち合わせています。継続的な自己分析と実践の積み重ねにより、職場では新たな挑戦の機会に恵まれやすくなります。
好奇心旺盛でチャレンジ精神がある
ポテンシャルが高い人は、自分の好奇心にしたがって行動し、失敗を怖れずにチャレンジできる強い精神力を持っています。ミスをしても、それを学びの機会と捉え、振り返りながら前に進みます。
好奇心旺盛であるため、周りで起こる様々な出来事にアンテナを張り、知識の吸収に積極的です。さらに、ポテンシャルを構成する要素の1つである「実行力」に優れているため、仕事においても自ら計画を立て、自主的に取り組む力を持っています。受け身ではなく、主体的に動ける人材です。
責任感や向上心がある
強い責任感と向上心を持っていることも、ポテンシャルが高い人の重要な特徴です。
仕事に対して責任を持って取り組み、困難に直面しても、途中で投げ出すことはありません。問題が生じた場合にも、自ら考えて改善策を導き出すでしょう。
どんな局面でも諦めず、周りを引っ張っていくため、周囲からの信頼が厚い人材になります。同時に、向上心も高いため、自身のスキルアップを欠かしません。
こうした責任感と向上心が一体となって、生産性の高い仕事が可能となり、会社に貢献します。結果的に、本人は意図せずとも評価が高まり、出世する傾向があります。
ポテンシャルを高めるための6つの方法
社員のポテンシャルを高めることは、企業の成長にもつながります。ポテンシャルは先天的な要素だけでなく、日々の行動や習慣によって高めることが可能です。
ここでは、個人が実践できる方法を6つ紹介します。
(1)当事者意識を持つ
ポテンシャルを高めるには、起きた出来事を他人のせいにせず、常に当事者意識を持つことが大切です。失敗やトラブルが発生した際に「相手が悪い」「環境のせいだ」と考える他責思考では、学びが生まれず同じ失敗を繰り返しがちです。
「自分にできることはなかったか」と振り返る自責思考であれば、課題を自分の改善点として捉えられるため、失敗を次の行動に活かせます。
ただし、全てを自己責任と捉えると、過度な負担から精神的に追い込まれてしまう場合も。「自分にコントロールできる部分」に焦点を当てることが重要です。
(2)何事にも積極的にチャレンジする
日々、慣れた業務だけをこなしていると、成長の機会が限られてしまいます。新たな能力を開花させるには、未経験の業務やプロジェクトに積極的にチャレンジする気持ちが不可欠です。
新しいことにチャレンジする際は、小さな一歩から始めるとよいでしょう。達成可能な目標を設定し、成功体験を積み重ねていくことで、確実に成長につながります。
(3)自発的に行動する
自発的に行動するとは、指示を待つのではなく、自ら考えて動くことです。「何をすべきか」を都度自分で判断し、行動する習慣をつけることが大切です。
常に「この仕事の目的は何か」を考える癖をつけましょう。目的を理解していれば、指示がなくても次に何をすべきか見えてきます。問題を発見した際は、それを報告するだけでなく、解決策まで考えて提案することが求められます。
(4)様々な人と交流する
多様な価値観や考え方に触れることで、視野を広げ、思考力を高められます。同じ部署やチームの人だけでなく、異なる部署の社員や社外の人と積極的に交流すれば、新しい視点や知識を得られます。
社内の勉強会や異業種交流会、オンラインコミュニティなどに積極的に参加しましょう。自分とは異なる専門性を持つ人の話を聞くと、自分の強みや課題が見えてきます。さらに、他者からよい刺激を受けることで、成長意欲も高まります。
(5)目標を設定して行動する
ポテンシャルを高めるためには、具体的な目標を設定し、それに向けて計画的に行動することが重要です。
上司から指示された仕事を淡々とこなすだけでは、成長は見込めません。自ら目標を立て、計画に沿って動くことが、能力を高めるきっかけになります。
目標設定のポイントは、方法や手段を具体的に決めることです。「頑張る」「成長する」といった抽象的な目標ではなく、「週に1回は部下と1on1の時間を設ける」「四半期ごとに新しい業務改善施策を3つ立てる」など、具体的な数字を入れると行動に移しやすくなります。
(6)行動を振り返る習慣をつける
行動したら終わりではなく、振り返りを習慣化することが重要です。「何がうまくいったか」「何が課題だったか」を客観的に分析し、次のアクションにつなげましょう。PDCAサイクルを回すことで、経験が確実に成長へと結びつきます。
振り返りは、週に一度や月に一度など、定期的に行いましょう。毎回記録しておくと、自分の成長を可視化でき、モチベーションの維持にもつながります。また、上司や同僚からフィードバックをもらえば、自分では気づかなかった改善点も見えてくるはずです。
ポテンシャルを引き出す組織の仕組みづくり
個人の努力だけでなく、組織として育成環境を整えることも重要です。社員が持つポテンシャルを最大限に引き出すには、管理職による適切な働きかけと仕組みづくりが欠かせません。
ここでは、人事担当者や管理職が実践すべきポイントを解説します。
自責で考える環境をつくる
自責で考える環境をつくることは、社員の成長を促す基盤となります。失敗やトラブルが起きた際に、犯人探しや責任追及をするのではなく、「次にどう活かすか」を考える文化の醸成が求められます。
もし問題が発生したときは、「誰が悪いのか」ではなく「何が原因か」「どう改善できるか」という視点で話し合いましょう。上司自身が、自責思考を示すことで、部下も安心して自分の課題と向き合えます。失敗を責めない風土があれば、社員は主体的に改善策を考えるようになるでしょう。
自発的な行動を促す
自発的な行動を促すには、「指示待ち」から「自ら動く姿勢」への転換を支援する必要があります。細かく指示を出すのではなく、目的やゴールを伝え、手段は本人に考えてもらう方法が効果的です。
例えば、資料作成を指示する際は、「この資料を作って」ではなく「顧客に提案するために必要な情報をまとめてほしい」と伝えましょう。何をすべきか自分で判断する機会を与えることが、主体性の育成につながります。社員から提案があった際は、まず肯定的に受け止め、実行の機会を提供することが大切です。
自己分析を支援する
自己分析の習慣をつけることで、社員は自分の成長課題を明確にできます。定期的な1on1ミーティングや振り返りの機会を設け、「今月何ができるようになったか」「次に伸ばしたい能力は何か」を対話する時間を作りましょう。
上司が一方的に評価するのではなく、まず本人に自己評価をしてもらうと効果的です。そのうえで、上司からの客観的なフィードバックを伝えれば、自己認識の精度が高まります。過去の自分と比較することで成長を実感でき、モチベーション向上にもつながります。
目標設定をサポートする
社員の成長を促すためには、目標の明確化が重要です。「いつまでに」「何を」「どのレベルまで」達成するのかを具体的に設定するよう促しましょう。
ただし、高すぎる目標は挫折を招き、低すぎる目標は成長機会を奪います。本人の希望や適性を踏まえながら、達成可能でありながらも少し背伸びが必要なレベルに設定することがポイントです。
大きな目標と合わせて短期的なマイルストーンを設定すれば、進捗を確認しやすくなり、達成感も得やすくなります。
適性に合った職務を与える
適性に合った職務を与えることで、社員のポテンシャルは自然と引き出されます。分析力に優れた人にはデータ分析を、コミュニケーション能力が高い人には対外折衝を任せるなど、強みを活かせる配置を心がけましょう。
定期的な面談や日常的な観察を通じて、一人ひとりの強みと興味を把握し、適切な機会を提供することが大切です。
ポテンシャル採用とは
ポテンシャル採用は、応募者の過去の実績や経験よりも、その人物が秘めている可能性や将来性を重視して採用する手法です。個人の資質や潜在能力、人間性などを評価し、数年後の活躍を見据えて人材を選考します。
従来の採用が応募者の「過去」を評価するのに対し、ポテンシャル採用は「未来」に焦点を当てている点が特徴です。主なターゲットは、新卒学生や第二新卒、20代から30代前半の若手人材。LINEヤフーやソフトバンク、富士通といった日本の大手企業でも導入が進んでいます。
経験やスキルが十分でなくても、学ぶ意欲や適性が高ければ採用し、自社のカルチャーに合った人材として育成していきます。特に人材不足が深刻化する中、幅広い候補者層にアプローチできる点が、多くの企業から支持される理由となっています。
ポテンシャル採用のメリット・デメリット
ポテンシャル採用には、企業にとって様々な利点と課題があります。導入を検討する際は、両面を理解したうえで判断しましょう。
ポテンシャル採用のメリット
ポテンシャル採用の大きなメリットは、将来性のある若手人材を確保できる点です。社員の若返りが進むだけでなく、意欲ある人材が増えることで、組織に新たな活力が生まれます。
特定の経験やスキルにこだわらず選考するため、多様な背景を持つ人材の応募が期待できます。異なる視点や価値観を持つ社員が集まることで、新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなるでしょう。
加えて、キャリア採用と比べ、前職の企業文化に染まっていない人材が多く、自社の文化や価値観に柔軟に適応しやすいという特徴があります。若手社員を早い段階から自社のビジョンや方針に沿って育成し、将来の中核を担う人材として養成できます。
ポテンシャル採用のデメリット
一方で、ポテンシャル採用は即戦力となるキャリア採用と異なり、入社後に十分な育成期間が必要です。教育体制の整備や育成プログラムの構築が求められ、育成コストや時間が企業の負担となります。
第二新卒や若手人材は、比較的短期間で転職を経験していることから、入社後も早期離職のリスクが高い点が課題です。せっかく時間とコストをかけて育成しても、成果が出る前に退職されてしまうケースもあります。
こうしたリスクを軽減するには、入社後のフォロー体制やメンター制度の充実、キャリアパスの明確化が不可欠です。定期的な面談や成長を実感できる機会を提供し、長期的に働ける環境を整えることが求められます。
ポテンシャル採用で評価すべき4つのポイント
ポテンシャル採用では、経験やスキル以上に、将来成長する可能性や意欲を評価することが重要です。ここでは、候補者のポテンシャルを見極める際のポイントを紹介します。
(1)社会人の基本スキル
社会人としての基本的なスキルを備えているかどうかが、最初の評価ポイントです。適切な言葉遣いや時間管理、基本的なPCスキル、身だしなみなど、どの業界や職種でも求められる能力の有無を確認します。
これらの基礎スキルが欠けている場合、育成に多大な労力がかかります。一方、基本がしっかりしていれば、専門的なスキルは入社後に身につけやすくなるでしょう。面接での立ち居振る舞いや提出書類の丁寧さなどからも、基本スキルを判断できます。
(2)コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、チームの一員として効果的に働けるかを判断する重要な指標です。単に話すのが得意というだけでなく、他者の意見を尊重し、適切なフィードバックができるかを見極める必要があります。
面接では、質問への回答内容だけでなく、話し方や聞く姿勢にも注目します。相手の話を最後まで聞けるか、わかりやすく伝えられるか、対話のキャッチボールができるかなどをよく観察しましょう。協調性や柔軟性も、コミュニケーション能力の一部として評価します。
(3)学習意欲
将来の成長を期待するうえで、学習意欲があるかどうかは極めて重要です。新しい知識やスキルを積極的に習得しようとする姿勢があるか、継続的に自己成長を目指しているかを確認します。
具体的には、これまでにどのような自己啓発に取り組んできたか、業務外でどんな学びを得てきたかを質問するとよいでしょう。学習意欲が高い人は、変化や新しい挑戦にも柔軟に対応できるため、環境の変化が激しい現代のビジネスにおいて貴重な存在です。
(4)キャリアプランと目標設定
明確なキャリアプランや目標を持っているかどうかも、重要な見極めポイントです。自分の将来を具体的に考えている人は、長期的に成長し、組織に貢献できる可能性が高まります。
面接では、「3年後、5年後にどうなっていたいか」「この会社で何を実現したいか」といった質問を通じて、候補者の目標意識を確認します。長期的なキャリアを見据えて行動できる人は、離職リスクも低く、育成投資に見合うリターンが期待できるでしょう。
社員のポテンシャルを高めよう!
ポテンシャルとは、潜在能力や将来性を指します。ポテンシャルが高い人材は、その能力が開花すれば、リーダーシップを発揮し、チームや組織を引っ張っていく存在となるでしょう。
しかし、ポテンシャルを引き出すには時間と工夫が必要です。日々の仕事に対する考え方や取り組み方を見直し、成長するための具体的な行動を社員一人ひとりが身につけていかなくてはなりません。
社員のポテンシャルを高め、最大限に引き出したいとお考えの方は、次期管理職養成研修などの活用もご検討ください。ページ下部の「関連する研修」より詳細をご確認いただけます。

