モチベーションとは?|意欲を高めて仕事のパフォーマンスを向上

published公開日:2023.12.18
目次

モチベーションは生産性の向上や会社の成長に欠かせない要素です。急速な成長を遂げている会社ほど、組織としてモチベーションが高い傾向にあるようです。個人を尊重する環境でハイパフォーマーになってもらうために、従業員のモチベーションを高めましょう。

本コラムではモチベーションの基礎知識や低下してしまう原因、モチベーションを高める方法について解説しています。 社内のモチベーション維持にお悩みの方は、ぜひお役立てください。

モチベーションとは

モチベーションとは「動機づけ」のことであり、他にも「やる気」「意欲」といった意味があります。 もっと簡単に表現すると、目標や目的を達成するためのエネルギーやエンジンといったところでしょうか。 ビジネスにおいてのモチベーションは「組織内の業務意欲」を表すのが一般的です。

各従業員のモチベーションを引き出せるかどうかが、会社の成長を左右します。そのため、従業員の人数が多ければ多いほど、多様な手段を使って従業員のモチベーションをマネジメントする必要があります。

なぜモチベーションが仕事で重要視されるのか

モチベーションは1990年代頃から一般的に使われるようになった言葉です。日本においてそれまでは、従業員は忠誠心を持ち、会社に帰属する意識がありました。組織として一致団結することで、高度経済成長期を経て業績を上げてきたのです。

しかし、近年では個人の意見や能力を尊重する働き方が主流となっています。そのため、組織の一致団結だけで業績アップを目指すのではなく、個人のモチベーションを高めて組織全体の成長を目指すことが有効とされています。

各従業員のモチベーションを上げることで、組織全体の士気や生産性を高められます。また、モチベーションのアップによりエンゲージメントも高まり、従業員の離職防止にもつながります。競争が激化する現代社会で会社の業績を伸ばすためには、モチベーションの維持や向上が大きな鍵となっています。

モチベーションの種類

モチベーションは業務に対する意欲を高めるためのエンジンです。モチベーションには大きく分けて「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」の2種類があります。それぞれの違いを確認しておきましょう。


外発的動機づけ

外発的動機づけは自己の外にある目的を達成するためのモチベーションです。給与や賞与などの金銭報酬が最も分かりやすい例でしょう。

外発的動機づけには金額など数字として表せるものが多いのが特徴です。ただしビジネスにおいて、外発的動機づけは長期的なモチベーションの維持には向いていないと言われています。


内発的動機づけ

内発的動機づけは自己の内にある目的を達成するためのモチベーションです。例えば、趣味のスポーツや芸術に夢中になって取り組む際のモチベーションが、内発的動機づけにあたります。

趣味は誰かから強制されたわけではなく、やっていて楽しいからこそ高いモチベーションの維持が可能です。内発的動機づけは高い集中力を発揮するハイパフォーマーが持つ要素として、セルフマネジメントが必要なビジネスの現場でも重視されています。

なぜモチベーションが低下してしまうのか

従業員のモチベーションを高めたいのであれば、なぜモチベーションが低下してしまうのかを把握しなければなりません。ここではモチベーションが低下する3つの理由について解説します。

1.業務量が多くタスクに圧迫されている

従業員がモチベーションを維持できない理由のひとつが業務量の多さです。常に大量の業務を抱えていると、タスクに圧迫されてしまいます。

個人が大量の業務をこなすには、業務を効率化するか労働時間を伸ばすかしかありません。しかし効率化をするためには、業務の分析や効率化のための準備が必要なことから、着手がなかなかできないことがあります。

そのため、長時間労働によって仕事をするしかなく、どんどんと疲弊してしまいます。プライベートの時間が確保できないと高ストレスな状態が続き、モチベーションの維持も向上もする余裕がなくなってしまうのです。

社内にモチベーションが低下した従業員がいる場合は、仕事量のバランスが適切であるかどうかを確認する必要があります。

2.評価制度や会社の風土に魅力を感じていない

会社の評価制度や風土に魅力を感じていないことも、モチベーションを下げる原因です。「一生懸命に働いても評価に反映されない」「自分より楽そうな人のほうが評価が高い」など、適切な評価がされなければ働く意欲は低下します。

風土としては、風通しが悪い・ハラスメントが横行しているなど、働きにくい環境が挙げられます。適切に評価されず、居心地が悪い会社に対して、自ら会社を変えようとする従業員の存在は多くありません。大多数の人が改善を諦めてしまい、結果としてモチベーションの低い組織になってしまいます。

会社に対する不満は、直接は言いにくいケースが多いため、第三者機関へ依頼して調査してもらう・匿名のアンケートを実施するなどして、従業員のリアルな声を吸い上げましょう。

3.組織のビジョンや目標に共感できない

会社が目指したい方向と従業員が目指したい方向が乖離している場合にも、モチベーションの低下が起こります。例えば、会社としてはAの方向を目指したいのに、従業員はBの方向を目指しているようなケースです。または、会社がAの方向を目指していることを知らないこともあります。

対策としては、会社側は、Aの方向である理由や従業員に期待することを、しっかりと納得がいくまで説明するしかありません。話を聞くうちに、従業員もAの方向を見てくれる可能性があります。また、Aの方向を目指すことを漏れなく伝えることで、仕事をする意味づけができます。

しかし、「従業員は会社についてくれば良いんだ」という考え方でいると、お互いの溝は埋まりません。従業員からすると、納得がいっていない目標のために働くこととなり、モチベーションが低下します。

モチベーショングラフを使った自己分析をしてみる

モチベーションが高まるきっかけやタイミングは人によって異なります。各従業員が目標を達成しやすい状態を保つには、モチベーショングラフを使った自己分析が有効です。

モチベーショングラフは、今までの人生においてどのタイミングでモチベーションが上がり、下がっているのかを可視化します。グラフを使って自己分析を深めることで、自分のやる気が上がりやすいタイミングの把握が可能です。

また、モチベーショングラフは自己分析の手法のため、今後のキャリアを考えるうえでも役立ちます。新しいことや困難なことに取り組む際に自分の強みを知っていれば、自分を信じて乗り越えられるでしょう。

モチベーショングラフの書き方は以下のとおりです。

  • 1. 横軸を時間、縦軸をモチベーションとしてグラフ化する
  • 2. モチベーションが高い部分・低い部分の具体的な出来事を記入する
  • 3. 原因・理由やその時の感情を書き込む
  • 4. グラフの山と谷から共通点を書き出す
  • 5. 「なぜそうなったのか?」を考えて理由を言語化する

モチベーションが変動した理由を言語化する際には、自分自身の中に理由を探すことがポイントです。外発的動機づけではなく、内発的動機づけにフォーカスを当てて考えてみてください。

モチベーションを高める4つの方法

従業員のモチベーションを高めて生産性の向上や成長を促すには、モチベーション低下の原因を取り除くことが大切です。ここでは部下のモチベーションを高める4つの方法を紹介しています。部下の状況や特性に合わせて、適切な方法を試してみてください。

1.達成して欲しい目標や期待感を伝える

従業員のモチベーションを高めるには、達成して欲しい目標を明確に伝えましょう。目標を伝える際には、どうしてこの目標を設定したのか、なぜ目標の達成を期待しているのかなどにも言及します。

目標を達成することで何を評価するかを伝えることもおすすめです。例えば、賞与の額がプラスになる・昇進しやすくなるなど、外発的動機づけとなる事柄を示すことが効果的です。

目標を上司から伝えるのではなく、部下に自主的に設定してもらう場合には、目標の内容が適切であるかもチェックしてください。必要であれば上司がサポートしつつ、目標を修正しましょう。

2.一人ひとりに合わせた目標設定を行う

部下の目標を設定する際には、一人ひとりに合わせた目標を考えましょう。雇用形態や個人の能力によって、適切な目標が異なります。特に個人の性格や特性に合わない目標を設定すると、逆にモチベーションが低下しかねません。

また、目標の内容は一生懸命に取り組んで、達成できるかどうかギリギリのラインにしましょう。ギリギリのラインに設定するのは、少し上のレベルに挑戦できる環境を整えるためです。自分のレベルに合った目標であれば、モチベーションを高めて取り組めるはずです。

3.公正な評価とフィードバックを行う

設定した目標に対して、公正な評価を行うことはモチベーションを維持するために重要です。どの従業員も会社や組織に貢献していると実感できれば、自然とやる気や向上心が高まります。そして、目標の達成度合いや貢献度を実感できるのは、公正な評価をもらえた時でしょう。

また、評価に対してのフィードバックも忘れずに行ってください。フィードバックを活かして次の目標を組み立てて達成できれば、成功体験を積みながらモチベーションを高められます。

4.信頼関係を構築する

モチベーションを高めるには、上司と部下の間で信頼関係を築かなければなりません。なぜならモチベーションの維持・向上には、気軽に相談できる環境が必要になるからです。

上司から積極的にコミュニケーションを取っていても、信頼関係がなければ部下は本音で相談できません。部下との信頼関係は一朝一夕で深められないので、普段から信頼関係を築くように心がけましょう。

モチベーションが高まることで得られるメリット

仕事をする動機がはっきりすることで、やるべきこととそうでないことの取捨選択がしやすくなります。そのため、効率的に仕事を進められるようになり、生産性が向上します。また、自ら働く理由が明確になると、不足しているスキルを補おうとしたり、視野を広げてみようとしたりするなど、向上心も生まれます。

そうした働きが適切に評価される職場環境であれば、より頑張ろうと思えるものです。すると、主体性や責任感が生まれ、より良い組織へと変わっていきます。

モチベーションの高い従業員が複数いると、社内の雰囲気や人間関係まで良好になります。モチベーションの高い人材は、言わば部署やチームを引っ張ってくれる存在です。当人のパフォーマンスが高まるだけでなく、その影響は周囲の人間にも波及します。

このように従業員のモチベーション次第で、会社の生産性や成長度合いは大きく変化します。会社が業績を伸ばすためには、各従業員のモチベーションを高めることが重要です。

モチベーションを維持して高いパフォーマンスを

従業員のモチベーションを高めれば個人の成果だけでなく、会社全体の業績向上につながります。やりがいを持って仕事に取り組めるので、従業員の離職防止にもつながります。

モチベーション維持により高いパフォーマンスを発揮するには、外発的動機づけよりも内発的動機づけが必要になります。内発的動機づけは従業員のスキルアップや適切な人事評価により向上が可能です。

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