若手社員1,200名の意識調査(精神支援編)
メンタルサポートの実態、安心させる声掛けがトップ!
「サポート体制基盤の強化」でリスクの早期発見・早期解決
2025年1月9日
若手社員への育成は大きく分けて「業務支援」「精神支援」「内省支援」の3つの支援があると言われています。前回は「業務支援」の実態*1を公表しました。今回は精神支援*2の実態を調査・分析します。
*1若手社員1.200名の意識調査(業務支援編) https://www.all-different.co.jp/download/all/news_20241223.pdf*2精神支援とは、ストレスや不安を軽減し、やる気を引き出すサポートをすること

〈背景〉
日本で深刻化する少子高齢化に伴う労働力不足を背景に、企業が成長していくためには、組織の要でもある労働者一人ひとりの能力を最大限に発揮していくことが必要不可欠です。しかし、厚生労働省の調査結果*3によると、仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる労働者の割合は、半数を超えるといわれています。
組織力を最大化するためには、このようなストレスを軽減し、仕事の意欲増進につながる精神支援のサポートが重要です。そこで、本レポートでは、若手社員が精神面においてどれだけ支援をしてもらっているか、精神支援の実態に関する調査結果をまとめました。育成を検討される経営者・人事担当者、管理職の皆さんにとって、一助となれば幸いです。
*3厚生労働省「安全労働衛生調査(実態調査)」https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001001667.pdf

調査結果の概要
- 4人に1人の新人が、上司や先輩から精神面の支援を「全くしてもらっていない」と回答
- 精神支援をしてくれる相手は「同じグループ・チームの先輩」がトップに
- 精神支援されていると感じる割合、全年次共通して「役職が2つ以上、上の上司」からが最大
- 精神支援の内容、社会人1年目には「励まし・応援」「期待」、2年目には「成長の伝達」が多い
- 支援に対する気持ち、「嬉しい」「感謝」が多く、成長していることを伝えると「成長のために頑張ろう」の受け止め高まる
- <考察> 若手が安心して働ける環境を、包括的なサポート整備で実現
4人に1人の新人が、上司や先輩から精神面の支援を「全くしてもらっていない」と回答
まず初めに、社会人1年目~4年目の若手社員に対して、上司や先輩からの精神面における支援が十分と感じているかを質問しました。
結果、「十分にしてもらっている」「してもらっている」と回答した割合は、社会人1年目は57.0%、社会人2年目は54.0%、社会人3年目は59.7%、社会人4年目は56.4%となり、各年次共通して半数以上が精神支援をしてもらっていると回答する結果となりました。その中で、「十分にしてもらっている」と感じる割合は、社会人1年目が最大で22.7%となりました。
一方、「全くしてもらえていない」と回答する割合は、社会人1年目が25.3%と最大となり、4人に1人が全く精神支援されていないと感じている実態が明らかとなりました。(図1)

精神支援をしてくれる相手は「同じグループ・チームの先輩」がトップに
次に、社会人1年目~4年目の若手社員に、誰から支援を受けているか質問しました。
社会人1年目では、30.7%が「同じグループ・チームの先輩」と回答し、次に「役職が1つ上の上司」(28.3%)、「同期」(24.7%)と続きました。
社会人2年目も同様に「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が29.3%と最も多くなり、「役職が1つ上の上司」(25.3%)、「同期」(24.7%)と続きました。
社会人3年目も「同じグループ・チームの先輩」と回答する人が32.3%と最も多く、この割合は、他年次と比較し最大の割合となりました。次いで、「役職が1つ上の上司」(26.0%)、「同期」(22.7%)と続きました。
社会人4年目も「同じグループ・チームの先輩」が30.7%と最大となり、次に「同期」(28.3%)、「役職が1つ上の上司」(28.0%)と続きました。
これらの結果より、全年次共通して「同じグループ・チームの先輩」「役職が1つ上の上司」からの支援が多いことがわかりました。また、社会人4年目では「同期」の存在が高いこともわかりました。(図2)

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