ファーストキャリア調査(成長実感・キャリア志向編)
キャリア形成支援「感じられない」若手社員は勤続意向が低下
「この会社で得られる成長・キャリア」の明確な伝達が若手定着のカギ
2025年11月28日 |NEW!
累計20,000社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、2025年8月1~27日の期間で、社会人1~4年目の若手社員1,793人に対し意識調査を実施しました。本レポートでは若手社員の成長実感やキャリア志向について分析した結果をお伝えします。
〈背景〉
若手社員の早期離職は多くの企業が抱えている課題ですが、若手社員が離職に踏み切る背景の1つに、現在の職場で成長していけるのかという不安や焦りがあるとされています。また、近年はジョブ型雇用へシフトする企業もあり、これからは一人ひとりがキャリアデザインに自律的に取り組むことが重要だとされています。しかし、キャリアをどのように切り開いていくか明確な将来像を持てない若手社員も少なくありません。
若手社員が成長し、キャリアを自律的に築いていくためには、自身の努力だけでなく、上司や企業からの支援が必要です。本レポートでは若手社員の成長・キャリア志向、企業・上司からの支援に対する実感をまとめました。経営者・人事担当者・そして若手社員の育成に取り組まれる管理職の皆さまの参考になれば幸いです。
調査結果の概要
- 任される仕事が自分の成長につながっている実感、社会人1年目は64.8%。社会人4年目は半数以下(図1)
- 新しい業務を任される実感、社会人1年目は63.9%も、社会人歴が長くなるにつれて低下傾向(図2)
- 業務につながる知識・スキルの強化に取り組む4年目社員は46.3%で、1年目より14ポイント低下(図3)
- 将来のキャリア志向、「未定」「志向なし」の回答割合、社会人4年目が最も高く約半数(図4)
- 上司からのキャリア形成支援がある若手社員ほど、管理職・専門職を目指す割合が高い(図5)
- 会社のキャリア形成支援、「適切に行っている」と感じる割合は年数が上がるにつれて低下傾向(図6)
- 会社からの適切なキャリア形成支援、「感じる」若手社員の勤続意向割合は「感じない」の6倍以上(図7)
- 考察「若手社員の定着・成長を促すカギとは」

任される仕事が自分の成長につながっている実感、社会人1年目は64.8%。社会人4年目は半数以下
まず初めに、自身の成長実感について質問しました。
今任されている仕事は、自身の成長につながっていると感じるかという質問に対して、社会人1年目社員は「感じる」と回答した割合が27.2%でした。「やや感じる」の37.6%を含めると、64.8%が成長につながっていると回答しました。一方、社会人4年目社員は「感じる」(15.7%)、「やや感じる」(32.8%)となり、その合計は48.5%で、社会人1年目社員に比べて16.3ポイント低い結果となりました。
「感じる」「やや感じる」を含めた割合は、社会人2年目社員が57.3%、社会人3年目社員は56.4%で、社会人歴が上がるにつれて成長実感が低下する傾向が見られました(図1)。

新しい業務を任される実感、社会人1年目は63.9%も、社会人歴が長くなるにつれて低下傾向
仕事による成長実感は社会人歴が上がるにつれて低下していることがわかりましたが、その背景には何があるのでしょうか。若手社員はどのような仕事を任されているか、という側面から分析していきます。
「同じ内容の業務ばかりでなく、スキルや経験に応じて新たな業務を任されていますか」という質問に対し、「はい」「どちらかといえばはい」と回答した割合は、社会人1年目社員は63.9%、社会人2年目社員は56.6%、社会人3年目社員は55.8%、社会人4年目社員は51.1%でした。社会人歴が長くなるにつれて新しい業務に挑戦する機会が減る傾向が読み取れました(図2)。

業務につながる知識・スキルの強化に取り組む4年目社員は46.3%で、1年目より14ポイント低下
若手社員は、自身ではどのような努力をしているのでしょうか。
「自身の業務につながる知識・スキルを強化する努力をしていますか」という質問に対し、「している」「ややしている」と答えた割合は、社会人1年目社員は60.3%でしたが、社会人2年目社員は49.9%、社会人3年目社員は51.8%、社会人4年目社員は46.3%でした。知識・スキル強化をしている社会人4年目社員の割合は社会人1年目社員に比べて14.0ポイント低く、業務につながる知識・スキルの強化は社会人1年目社員が最も努力していることがわかりました(図3)。

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