中堅社員の意識調査(成長実感編)
ミドルキャリアの成長実感を高めるコツ!「難易度の高い仕事」のアサイン
2025年3月13日
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、2024年12月に社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員*1800人に対し意識調査を行いました。本レポートでは、中堅社員の成長実感に関して調査・分析した結果を公表いたします。*1本レポートでは社会人5年目以降35歳未満の役職がついていない社員を指し、「ミドルキャリア」とも記載
〈背景〉
ミドルキャリアはライフステージの変化により、働き方や働く意味を再考する人が多い世代です。実際、厚生労働省の転職者実態調査*2によると、30歳前後の社員は転職者の割合が高くなっています。仕事に対する価値観や向き合い方が多様化する中、企業はミドルキャリアの“定着”と“活躍”に頭を悩ませています。しかし、今まで「中堅社員」としてひとくくりにされることの多かったミドルキャリアの働きがいや実態については、新入社員や管理職に比べて焦点があたりにくい状況にあり、活躍の鍵などは明らかになっていません。そこで本調査では、戦力としての活躍を期待されるミドルキャリアが、より働きがいを持って成長できる鍵はどこにあるのか調査しました。本レポートでは特に「ミドルキャリアの成長実感」にフォーカスしレポートしています。本調査結果が組織力向上や社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報になれば幸いです。
*2厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r02-gaikyo.pdf調査結果の概要
- 約半数のミドルキャリアは、成長実感が「とてもよくある」「たまにある」と回答
- 成長を実感する場面、「仕事を完遂」「目標を達成」をしたときが上位に
- 難しい仕事の経験頻度が高いほど、成長実感が「とてもよくある」と回答した割合が高い
- 社会人8年目に『成長実感』『難しい仕事の経験頻度』のターニングポイントあり
- 自身の成長に役に立ったこと「職場の雰囲気・文化」「上司からのサポート」がトップ
- 【考察】中堅社員の成長実感を高める「ストレッチアサインメント」

約半数のミドルキャリアは、成長実感が「とてもよくある」「たまにある」と回答
社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員(以下、「ミドルキャリア」と記載)に対して、業務で成長を感じる機会があるかを質問しました。
結果、「とてもよくある」が9.6%、「たまにある」が39.4%、「どちらともいえない」が26.1%、「あまりない」が13.5%、「全くない」が11.4%となりました。約半数のミドルキャリアが、日頃、仕事において成長を実感していることがわかりました。(図1)

成長を実感する場面、「仕事を完遂」「目標を達成」をしたときが上位に
次に、成長を実感することが「とてもよくある」「たまにある」と回答したミドルキャリアに、どのようなときに成長を感じるか質問をしました。
結果、成長実感が湧く場面は「仕事を完遂したとき」が42.3%と最大の割合となりました。次に、「目標を達成したとき」が31.4%、「仕事のミスが減ってきたとき」が24.2%となりました。仕事をやり切った経験から成長を感じる傾向にあることがわかりました。(図2)

難しい仕事の経験頻度が高いほど、成長実感が「とてもよくある」と回答した割合が高い
「仕事を完遂」「目標を達成」したときに、成長を実感する傾向にあることがわかりましたが、仕事の難易度は、成長実感に関係しているのでしょうか。次に、難しい仕事の経験頻度別(図3・縦軸)に、成長を感じる機会(図3・横軸)がどれほどあるかを比較しました。
結果、難しい仕事を経験する頻度が高い方が、成長を感じる機会が「とてもよくある」と回答した割合が高いことがわかりました。
また、難しい仕事の経験頻度が「全くない」と回答したミドルキャリアのうち、44.9%のミドルキャリアが成長を感じる機会が「全くない」と回答した結果も見逃せません。難しい仕事を経験する頻度は、成長実感と関係性があることが推察できます。(図3)

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