新入社員意識調査2025(3933人のキャリア志向編)
新人のキャリア志向「なし」「今後決めたい」が増加傾向
キャリアを考え続ける機会の提供がカギ――1年目だからこそ幅広い業務経験と内省支援を
2025年6月17日
累計20,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、3月25日~4月24日の期間で、2025年度入社の新入社員3,933人を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本レポートでは、2025年度新入社員のキャリア志向に関する調査結果を公表いたします。
〈背景〉
近年、企業の人材戦略において、社員のキャリア自律が重視されています。働き方に対する価値観が多様化する中、一人ひとりが自らのキャリアについて考え、多様なキャリアを実現することが、企業の成長につながると考えられています。このため、新入社員に対してもキャリア自律を求める企業・職場が増えています。
こうした環境の中で、2025年度に入社した新入社員は、会社での自分の役割についてどのように考え、会社にどのようなキャリア支援を求めているのでしょうか。本レポートでは、過去の回答結果と比較しながら、今年度の新入社員のキャリア志向やその背景にある価値観を探ります。本調査結果が、人材育成・組織創りに悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職やOJT担当の皆さまにとって、有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- 担いたい役割は「専門家」「管理職」「未定」「志向ない」がほぼ同率。「キャリア志向なし」は23.3%で過去最高
- 管理職になりたい理由のトップは「人を束ねて大きな仕事をしてみたい」36.6%
- 専門家になりたい理由、「いざというときに専門性を活かして仕事をしていきたい」が半数以上
- リーダーのイメージ、1位は「リーダーシップが求められそう」。リーダー意向別で回答傾向に差
- キャリア形成支援について会社に期待すること、1位は「上司に相談できる機会」
- 考察「キャリアに対する考えを深めるためには、仕事の“幅”と“深さ”が重要」

担いたい役割は「専門家」「管理職」「未定」「志向ない」がほぼ同率。「キャリア志向なし」は23.3%で過去最高
初めに新入社員に対し、将来会社でどのような役割を担いたいか質問しました。結果、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」が27.0%でトップでした。次いで、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」が25.2%、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」が23.5%、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」が23.3%でした。この4つの項目が2割から3割程度の回答割合となり、大きな差はありませんでした。(図1)

将来担いたい役割についての回答を男性・女性で比較すると、男性のトップは「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」、女性は「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていきたい」でした。「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」と答えた男性は、女性よりも13.7ポイント高い31.1%、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていきたい」と答えた女性は、男性より10.8ポイント高い29.6%という結果となりました。
回答割合の高い項目の順序は、「わからない」を除いて、男女ですべて逆転する結果となりました。(図2)

またこの設問について、2014年度から12年間、各年度の新入社員の回答結果を比較しました。結果、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」は過去最高の割合であることがわかりました。また、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」の回答割合も徐々に増加傾向にあります。
一方、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」の回答割合は、11年前に比べて9.4ポイント低く、過去最低の割合となりました。(図3)

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