新入社員意識調査2025(業界別:卸売業・小売業編)
「管理職になりたい」割合、3年前より9.1ポイント低下
将来のリーダー人材を育てるためには組織が「長期的なスキル習得計画」を提示
2025年7月9日
累計20,000社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、3月25日~4月24日の期間で、2025年度新入社員を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本レポートでは卸売業・小売業の新入社員の仕事に対する考え方などについて調査・分析した結果を公表いたします。
〈背景〉
卸売業・小売業の企業は人手不足、価格転嫁、2025年の崖、DXやGXへの対応など、様々な経営課題を抱えています。さらに現場では取引先・消費者のニーズが多様化し、仕事の複雑化が進んでいるとされており、従来の人事制度や慣行を見直す大胆な人事改革を推し進める企業も増えています。
多くの企業が様々な変化への対応を求められていますが、特に卸売業・小売業は新人・若手社員の早期離職率が他業種に比べて高く、新入社員の離職防止に頭を悩ませています。新入社員を着実な定着・成長に導くためには、適切な育成体制の構築と育成指導力、そして彼らの考えや価値観に対する正しい理解が必要です。そこで本リリースでは、卸売業・小売業の新入社員の勤続意向やキャリアに対する意識などについて報告します。本調査結果が卸売業・小売業の経営者、人事担当者、さらには現場の管理職やOJT担当の皆さまの一助になりましたら幸甚です。

調査結果の概要
- 「キャリア志向ない」が「管理職志向」を押さえ、7年間調査で初のトップ
- 72.5%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答、7年間で過去最高の結果に
- 今の会社で働き続けたい条件、トップは「職場の人間関係が良い」で約7割が回答
- 今後3年間の会社での労働時間、半数が「定時に帰りたい」。他業種より5.8ポイント高い割合
- 20代の時間の使い方、「仕事とプライベート優先」「プライベート優先」が他業種より高い割合
- リーダーのイメージ像、「リーダーシップが求められそう」「強い意思が求められそう」が他業種より高い割合
- 専門家の考察「将来のリーダー人材育成のために、今からできることとは」
「キャリア志向ない」が「管理職志向」を押さえ、7年間調査で初のトップ
初めに2025年度の卸売業・小売業の新入社員に対し、将来会社で担いたい役割について質問しました。結果、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」(28.2%)がトップでした。次いで、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」(27.9%)、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」(24.4%)、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」(18.3%)が続きました。
卸売業・小売業を除く全業種(以下、他業種と記載)の新入社員の回答と比較したところ、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」と「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」はそれぞれ、他業種より5.2ポイント、2.9ポイント高い結果となりました。また、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」は他業種よりも9.4ポイント低いことが明らかになりました。(図1)

この設問について2019年度から7年間、各年度の新入社員の回答結果を比較しました。「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」は2019年度から2022年度まで毎年増加を続けていましたが、2023年度から減少に転換。2025年度は過去最低の割合で、最も高かった2022年度よりも9.1ポイントのマイナスとなりました。
また、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」が管理職志向の割合を超えたのは、7年間で初めてでした。(図2)

72.5%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答、7年間で過去最高の結果に
続いて、卸売業・小売業の新人の勤続意向について調べました。今の会社で働き続けたいかを質問したところ、72.5%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答し、他業種よりも7.6ポイント高い割合となりました。
「そのうち転職したい」と答えた卸売業・小売業の新入社員は10.7%で他業種よりも低い割合となりました。(図3)

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