タスクフォースとは?意味や使い方、ビジネスにおける目的と役割、活用事例

update更新日:2025.07.17 published公開日:2023.07.18
タスクフォースとは?意味や使い方、ビジネスにおける目的と役割、活用事例
目次

タスクフォースとは、組織内の緊急性が高い課題を解決するために一時的に結成される特別チームです。専門性の高いメンバーで構成され、迅速な課題分析と施策実行が求められます。

本コラムでは、ビジネスにおけるタスクフォースの意味や使い方、ワーキンググループとの違い、メリット・デメリットをもとに導入・運用方法をわかりやすく解説。企業事例もご紹介します。

タスクフォースとは

タスクフォースとは、組織内で緊急性の高い課題や特定の問題を解決するために一時的に編成される特別チームのことです。通常の組織体制とは別に、各部門から適切な人材を集めて結成され、目的達成後は解散するのが一般的です。

タスクフォースの語源とビジネスでの意味

タスクフォース(Task Force)は「特定の任務(task)を遂行するために編成された部隊(force)」という意味の英語から来ています。もともとは、特定の目的のために一時的に編成される組織を指す言葉でした。

ビジネスシーンでは、通常の組織構造や意思決定プロセスでは対応しきれない特殊な状況や、課題に対処するための機動的なチームとして機能します。その主な特徴は、以下の4つです。

【ビジネスにおける「タスクフォース」の特徴】

  • 部門横断的にメンバーが招集されることが多い
  • 構成員は課題に関する分野のプロフェッショナルである
  • 課題内容によっては、外部から専門家を招くこともある
  • 目的達成後は、解散して通常業務に戻ることが多い

近年は、民間企業だけでなく、政策上の目的・目標の達成に向けて官公庁でも設置される事例が見られます。

タスクフォースの言い換え表現

タスクフォースと似た意味を持つ日本語表現としては、以下のようなものがあります。

  • 特別作業班
  • 任務組織
  • 対策本部
  • 特別部隊

これらの言葉は状況や文脈に応じて使い分けられますが、タスクフォースという言葉が持つ「緊急性」や「一時的」という特性を完全に表現できる日本語は限られているようです。そのため、日本のビジネスシーンでは「タスクフォース」というカタカナ語をそのまま使用するケースも多く見られます。

タスクフォースの目的と役割

タスクフォースの設置目的は、迅速に解決すべき事案や重要度の高い短期プロジェクトに取り組むことです。そのため、高度な対応力・問題解決力が求められます。

タスクフォースの主な役割は以下の通りです。

  • 必要な情報の収集と分析
  • 解決策の提案
  • 施策の実行

これらの役割を、部門横断的に構成された少数精鋭チームが担います。

より具体的な役割は、タスクフォースに与えられたミッションによって異なります。

例えば、今後の出資に関わる目標売上確保のためのタスクフォースであれば、商品開発・マーケティング・営業部門といった各部門のほか、財務関連のメンバーも加わり、戦略を立てる必要があるでしょう。

破産寸前の企業が経営立て直しのために設置するタスクフォースなら、資産の把握・分析、コスト削減や業務効率化、対外的な信頼回復に関わる施策が求められます。

タスクフォース、ワーキンググループ、プロジェクトチームの違い

タスクフォースと似た言葉に、「ワーキンググループ」や「プロジェクトチーム」があります。これらは同じ意味で用いられるケースもあれば、異なる役割や特徴を持つ場合もあります。

タスクフォースとワーキンググループの違い

まず、ワーキンググループとは、特定の課題に取り組むために設置されるチームのことです。タスクフォースとの主な違いは、活動期間の長さにあります。タスクフォースとの主な違いは以下の通りです。

【タスクフォースとワーキンググループの主な違い】

比較項目 ワーキンググループ タスクフォース
活動期間 長期的・継続的な活動が多い 短期間であることが多い
組織構造 タスクフォースの上位組織となる場合がある ワーキンググループの下に複数設置されることがある
目的 特定課題に対する継続的な取り組みや調査 緊急性の高い問題解決や短期的な目標達成

上記の通り、ワーキンググループはより長期的な視点で課題に取り組むのに対し、タスクフォースは緊急性の高い問題に対して迅速に対応するという特徴があります。組織によっては、両者を階層的に組み合わせて効率的な問題解決を図ることもあります。

タスクフォースとプロジェクトチームの違い

他方、プロジェクトチームとは「特定のプロジェクトを達成するために、協力して取り組むチーム」のことです。タスクフォースとの主な違いは以下の通りです。

【タスクフォースとプロジェクトチームの主な違い】

比較項目 プロジェクトチーム タスクフォース
業務の性質 通常業務の一環としてプロジェクトを遂行 通常業務の範疇外
チーム構成 必ずしも部署横断的ではなく、同部署のメンバーのみの場合もある。専門性のない若手社員が含まれることもある より専門性の高いメンバーを部署横断的に招集する
活動期間 比較的長期 一般的にプロジェクトチームよりも短期
目的 特定のプロジェクトを成し遂げる 緊急性の高い課題や問題解決に特化

プロジェクトチームとタスクフォースの最も大きな違いは、業務の位置付けと専門性にあります。プロジェクトチームが通常業務の延長線上にあるのに対し、タスクフォースはより特殊な状況に対応するための特別編成といえるでしょう。

タスクフォース設置のメリット

タスクフォースの設置には、企業にとって様々なメリットがあります。迅速で効果的な課題解決を図るには、特に以下のメリットを意識しながら準備を進めましょう。

課題解決に時間や人員を割ける

タスクフォースの活動期間は原則として短期間です。問題の解決という明確な目的のもと、集中的に課題解決に取り組むことが役割だからです。

問題に対処する専門部署の設置や新たな人材採用をする余裕がなくても、短期間という条件のもとで今いる人材を一時的に割り振ることができます。通常業務における上司や同僚の協力があると、より有用な成果を期待できるでしょう。

課題が解決できるメンバーを横断的に集められる

タスクフォースは課題解決が第一目的ですので、部署に依存せず組織横断的に優秀な人材を集めることが可能です。社内の有能なプロフェッショナルが協働して課題解決に取り組む姿は、多くの社員を勇気付けるでしょう。

さらに、組織横断的にメンバーが集まることで、部署間のコミュニケーションも取りやすくなります。タスクフォースの各メンバーが自身の所属する部署にヒアリングをしたり、連携に必要な連絡を行ったりできるからです。

組織横断的な活動は、課題へのスピーディーな対応を可能にします。特に、企業活動全体に影響を与えるような事案では、タスクフォースのこうしたメリットは非常に大きいでしょう。

リーダー育成につながる

タスクフォースには、緊急かつ重要な課題に対応するため、各部署から専門性の高い人材を選抜して配置することが基本です。その中に優秀な若手社員や次期管理職の中堅社員を含めれば、レベルの高いマネジメントを体感し、多くを学ぶ機会となります。

タスクフォースへの参加は、具体的な課題への対応、議論を進める際のやり方と姿勢、今後の動向予測とリスクマネジメントなど、通常の研修では味わえない緊張感とスピード感の中で成長する機会となります。若手社員や中堅社員が自身のスキル向上を図る強い動機付けになることも期待できるでしょう。

タスクフォースのデメリットや課題

一方で、タスクフォース設置にはデメリットや課題もあります。設置を決定する前にこれらをしっかり把握し、対応策を用意しておくことが重要です。

ノウハウの蓄積や横展開が難しい

タスクフォースは短期間で課題を解決するために編成されるチームです。目的が達成されれば間もなく解散するため、課題解決に用いられたスキルやノウハウがそのまま消えてしまい、蓄積が難しいというデメリットがあります。

タスクフォースでメンバーが活用した知識・情報・スキルを組織に蓄積するには、意識的な工夫が必要です。タスクフォース活動終了前に問題の検証・解決のプロセスなどをしっかりまとめ、各部署にもスキルやノウハウを横展開できる仕組みを構築するとよいでしょう。また、活動内容や成果を社内で共有する機会を設けることも効果的です。

適した人材の確保が難しい

緊急性の高い課題の解決を目的としたタスクフォースでは、必要なスキルを持つ人材を集めることが重要です。しかし、人材不足が叫ばれる昨今、自社にリーダーシップやマネジメントスキル、専門スキルを持つ人材がいないという事態が生じ得ます。リソース不足の中でタスクフォースを結成するケースでは、任命されたメンバーが抜けた仕事の穴をどう埋めるかも無視できません。

こうした課題を軽減するには、普段から人材の育成や確保に注力することが大切です。自社内で人材を集められない場合は、外部の専門家に頼ることを検討すべきでしょう。タスクフォースでの活動と通常業務をどう両立させるかなど、業務周りのフォローやサポート体制の整備も欠かせません。

目的や目標が不透明だと不信感につながる

部署のメンバーがタスクフォースに参加すると、その上司や同僚には当該社員の働きが見えにくくなります。これによって生じる弊害の1つが、通常業務の上司が当該社員の仕事を適切に評価できなくなることです。同時に、周囲のメンバーも「自分たちにはわからない何か特別なこと」に対して不信感を抱く可能性があるでしょう。

こうしたデメリットを避けるには、タスクフォース立上げの意図・目的を招集されるメンバーだけでなく、関わる部署全てに通達しておかなければなりません。タスクフォースの目的と役割が明確になっていれば、通常業務の上司は当該社員の仕事に配慮しやすくなります。また、活動状況や進捗を定期的に共有することで、同僚たちも、「隠れて何かやっているのではないか」という余計な詮索をせずに済むでしょう。

タスクフォースを活用した3つの事例

具体的なイメージをつかむため、JAL、日本マクドナルド、味の素によるタスクフォースの活用事例をご紹介します。

日本航空の事例「JAL再生タスクフォース」

「JAL再生タスクフォース」は、2009年にJAL(日本航空)の経営危機に対応するため設置された国土交通大臣直轄の顧問団です。事業再生の専門家5人で構成され、約1カ月という短期間で活動しました。

タスクフォースはJALの資産査定を行い、資金ショート回避のための再生計画を策定。その後、再建は企業再生支援機構に引き継がれ、不採算路線の削減、人員整理、企業年金削減などの施策が実施されました。

2011年3月に会社更生手続きが終結し、翌年9月には東京証券取引所に再上場を果たしています。

この事例は、緊急性の高い課題に対して専門家を集め、短期間で集中的に分析・計画立案を行うというタスクフォースの特性を活かした好例といえるでしょう。

参考:国土交通省|日本航空の再生について(平成24年11月)

日本マクドナルドの事例「お客様対応プロセス・タスクフォース」

日本マクドナルドでは、2015年1月に販売した商品への異物混入が発生しました。この問題を受け、お客さまからの問い合わせ対応向上を目的に、同月12日「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設置しました。

タスクフォースは同社の代表取締役上席執行役員を委員長とし、社内各部署の代表メンバーに加え、社会的公正性確保のため消費生活アドバイザーや社会学者などの外部有識者も参加。約4カ月間の活動で、お客様対応プロセスの再検証と改善点の洗い出しを行いました。

活動終了時の報告では、「会社としての危機認識」の不足や自社ルールの形骸化、対応の遅れによる消費者不信感増大などが指摘されました。

この報告を受け、日本マクドナルドは2015年4月30日に20項目の対応策と「食の安全と品質についてのお客様とのコミュニケーションに関わる自主行動計画」を公表。お客様サービス室の副社長直轄化、情報管理の一元化、スマートフォンアプリ「マクドナルドKODO」の導入などを実施し、お客様対応とサービス品質の向上を図りました。

参考:日本マクドナルド|「お客様対応プロセス・タスクフォース」の最終答申を受け、マクドナルドが、対応策と自主行動計画を公開

味の素の事例「全社オペレーション変革タスクフォース」

味の素は2019年にDX推進委員会およびDX推進部を立ち上げ、2020年に「全社オペレーション変革タスクフォース」と「事業モデル変革タスクフォース」を設置しました。

「全社オペレーション変革タスクフォース」は、CDO(Chief Digital Officer)をリーダーとし、各事業本部およびコーポレート組織から選出されたメンバーで構成。従来の「強い縦軸」組織に「横軸」を通すことで、全社的な変革を推進しています。

主な役割は以下の3つです。

  1. ①グループ16社の管理会計システム化
  2. ②サプライチェーンマネジメント改善による在庫削減
  3. ③社員一人ひとりのASVエンゲージメント向上

現在、2030年の目標達成に向けて、データ基盤「ADAMS(Ajinomoto Data Management System)」の整備も進めているとのこと。これは、味の素グループが持つ無形資産をデータ資産としてグループ内に共有・継承するシステムです。データの特定・取得・分析など各工程の効率化につながるとともに、社員にとってより働きやすい環境構築にもつながるとしています。

各国・各事業所のデータを組織横断的に共有できるADAMSの整備により、事業全体の最適化とデータドリブンな価値創造を目指しています。

参考:味の素|味の素グループのDX

タスクフォースメンバー・リーダーの選定基準

タスクフォースの成功には、適切なメンバー選びが不可欠です。課題解決に必要な知識やスキルを持つ人材を集め、効果的なチームを編成しましょう。

ここでは、理想的なメンバー構成とリーダー選定に基準について解説します。

理想的なメンバー構成

タスクフォースのメンバーには、原則として特定分野のプロフェッショナルであることが求められます。必ずしも役職の高い人材である必要はなく、むしろ課題に関連する専門知識や経験を持つ人材を選ぶべきです。

【理想的なメンバー構成の要素】

  • 課題に関連する専門知識や技術を持つ人材
  • 部門横断的な視点を確保するため、異なる部署からの人選
  • 問題解決能力とコミュニケーション能力の高い人材
  • 意思決定の迅速化のため、適切な権限を持つ人材

また、タスクフォースの活動を支える事務方のメンバーも必要です。スピード感ある取り組みを素早く理解し、必要な処理を迅速に行える人材が適任といえます。

次期リーダー候補を勉強の機会としてタスクフォースに加える場合も、何らかの形で貢献できる人材とするのが理想です。

リーダー選定の基準

タスクフォースのリーダーは、チーム全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。メンバー決定・招集後は、それぞれのマネジメント能力やリーダーシップ、人間関係の特徴などを考慮しつつ、リーダーを選定することが重要です。

【リーダーに求められる資質】

資質 詳細
強いリーダーシップ 困難な状況でもチームを前進させる力と、メンバーのモチベーションを維持する能力
決断力 限られた情報の中でも迅速かつ的確な判断を下せる能力
高いマネジメント能力 複雑な課題を整理し、効率的にタスクを割り振り、進捗を管理できる能力
コミュニケーションスキル 部門を超えた調整や、上層部への報告、チーム内の情報共有を円滑に行える能力
問題に対する専門知識 課題の本質を理解し、適切な解決策を見いだすための専門的知見

先述した味の素のタスクフォース事例では、CDO(Chief Digital Officer)をリーダーとし、各事業本部およびコーポレート組織から選出されたメンバーで構成されています。このように、課題の性質に合わせた適切なリーダー選定が重要です。

タスクフォースの立上げと進め方

タスクフォースを立上げ、ミッションを遂行するには段階的なアプローチが必要です。ここでは、立上げの準備から解散前の処理まで、6ステージに分けて解説します。

(1)設置目的・期限・構成員要件の定義

第1ステージでは、タスクフォースの設置目的を明確化します。

どのような課題に対処すべきか明確でなければ、構成員の要件や取り組み期限が曖昧になってしまいます。反対に、解決すべき課題が明確であれば、社内のどのような人材を参加させるべきか、社外メンバーを招集すべきかなどを具体的に検討しやすくなるでしょう。

構成員の要件を定義するとともに、タスクフォースが成果を出すべき大まかな期限も定めると、より迅速な課題解決につながります。期限が近すぎると十分な力を発揮できないまま活動を終了する恐れがありますが、遠すぎる期限もただいたずらに時間を浪費する可能性を高めてしまいます。“近すぎず遠すぎない期限”が重要です。

ただし、タスクフォース立上げ後の課題分析において、よりじっくり取り組む必要があると判断されることもあります。その場合は、必要な期間を算定し直し、新たな期限を設定してください。

(2)メンバー招集・リーダー選定

前段階で定義した要件に基づき、適切なメンバーを招集し、リーダーを選定します。詳細は「タスクフォースメンバーの選定基準」セクションをご参照ください。

(3)価値観の共有・ルール設定

第3ステージでは一度立ち止まり、根本的な価値観やルールを共有します。

今後、課題の詳細や様々なトラブルに直面すると、各メンバーがその場で即座に判断しなければならない場面が出てくるでしょう。そうしたとき、大きな価値観・優先順位・コミュニケーションのルールがなければ、タスクフォースの活動にブレが生じる恐れがあります。

目指すべきビジョンや守るべき原則があれば、多少の混乱が生じても、大きくブレることはありません。すぐに課題分析に移りたいというメンバーもいるかもしれませんが、まずはタスクフォースの活動にしっかりとした軸をもたせましょう。

(4)目標設定・権限付与・スケジュールの策定

第4ステージでは、タスクフォースの具体的な活動に入ります。

活動内容は与えられた課題によって異なりますが、大枠は以下のようになるでしょう。

  • 今後の施策実行に向けた課題分析を行う
  • 達成すべき最終目標を設定する
  • タスクを分解し、進捗管理に必要な指標と中間目標を設定する
  • 具体的な期日も含めたスケジュールを作成する

このとき、「タスクBはタスクAが終わってからでないと実行できない」というような、タスク同士の依存関係に注意が必要です。依存関係のないタスクは並行して進められますが、依存関係がある場合は1つの進捗遅れがドミノ倒しのように次のタスクの遅れにつながるからです。

各タスクに必要なバッファを設けつつ、無理・無駄のないスケジュールを作成しましょう。

さらに、タスクの割り振りと同時に権限付与も忘れてはいけません。

  • どのようなシステムの利用が必要か
  • どのような裁量権が必要か

など、タスクフォースとして迅速に課題解決を図るために「必要な所に必要な権限を与える」ことが重要です。

プロジェクト管理やバッファの設定については、以下の関連コラムを参考にしてください。

コラム「バッファとは?ビジネスにおける意味、使い方と管理方法『PPCM』」はこちら

(5)施策実行・モニタリング・改善

第5ステージは、第4ステージで作成したスケジュールに基づき、施策を実行しつつモニタリングと施策改善を行います。

例えば、次のような観点で進めるとよいでしょう。

  • スケジュールと比較して進捗はどうか
  • 進捗に遅れがある場合、その原因は何か
  • 進捗より大幅に進んでいる場合、何か見落としはないか
  • 指標の推移、そこからの予測はどうなっているか
  • ほかに対策が必要な課題は発生していないか

ビジネスの現場では「PDCAサイクル」を強調されることが多いものです。しかし、タスクフォースのような迅速な対応が鍵となる組織においては、より素早い対応が可能なフレームワーク「OODAループ」を意識するとよいでしょう。

OODAループの詳細については、以下の関連コラムをご覧ください。

コラム「VUCAはもう古い?不確実な時代を生き抜くために求められる人材とは」はこちら

(6)振り返り・ノウハウ共有

全ての施策を終えて期限に到達したら、タスクフォースの活動は一区切りとなります。この第6ステージでは、タスクフォース解散前の振り返りとノウハウ共有を行いましょう。

先のデメリットの項目で、「ノウハウの蓄積が難しい」と述べました。これを軽減・回避するのが、第6ステージの目的です。具体的には、タスクフォースで活用したノウハウを記録し、他の社員が参照できる資料を作成・保存しましょう。

資料には、

  • タスクフォースの設置目的と構成員
  • 活動期間とその成果
  • 取り組みのプロセス
  • 課題への具体的な対処方法
  • 得られた新たな知見・ノウハウ

をまとめることが大切です。

なお、タスクフォース立上げ時の目的・最終目標が未達成なら、引き続き期間を延長して活動する選択肢もあります。あるいは、ミッションを引き継ぐ別のチームを立ち上げてもよいでしょう。

重要なのは、タスクフォースの取り組みを「やりっぱなし」にせず、今後の事業活動に活用することです。

タスクフォース責任者の必須スキル習得には研修活用が効果的

「タスクフォースを設置したいけれど、適した人材が見つからない」

タスクフォースの課題の1つである人材不足を解決するには、社内の人材育成が欠かせません。いざというときに今いる人材に大いに活躍してもらうため、知識・スキル習得の機会を積極的に設けましょう。

タスクフォースには部門を横断して優秀な人材を集めるため、多角的に物事を判断でき、短期間で課題解決できる能力が求められます。その責任者となれば、さらに高いリーダーシップやマネジメントスキルが必要です。

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