レジリエンスとは?意味とレジリエンス強化に向けたトレーニング方法
更新日:2026.07.31
公開日:2021.11.09

レジリエンスとは、ストレスや逆境からの「回復力」を意味する言葉です。ビジネス環境の変化が激しい現在、個人・組織ともにレジリエンスの強化が求められています。
本コラムでは、心理学やビジネスの現場から得られた知見をもとに、レジリエンスの意味やレジリエンスを高める方法、会社側で実施できる研修の内容などについて、わかりやすく解説します。
レジリエンスとは?基本的な意味と業界・分野別の意味
まずは、レジリエンスという言葉の意味を確認していきましょう。基本的な意味から組織レベルで取り組まれるレジリエンスの意味合いまで、1つずつ解説します。
レジリエンスの基本的な意味は「回復力」
レジリエンスとは、英語「resilience」に基づく用語です。ラテン語の「跳ねる(salire)」と「跳ね返す(resilire)」を語源としており、日本語で「回復力」や「復元力」を意味します。
もともと、レジリエンスは物理学用語の「弾性」という意味で用いられてきました。やがて他分野でも使われ始め、「回復力」「復元力」といった広い意味を持つようになります。その代表例が心理学におけるレジリエンスでしょう。
近年は、IT分野における「サイバーレジリエンス」、金融業界における「オペレーショナル・レジリエンス」、災害対応・防災の文脈で用いられることも多くなっています。
IT分野における「サイバーレジリエンス」の意味
IT分野におけるサイバーレジリエンスとは、「組織一体となってサイバーインシデントに対応し、状況を回復していく力」と定義されます。*
サイバーレジリエンスを高めるには、
- 被害の封じ込め
- システムの復旧対応
- 復旧対応のための各部署との円滑な連携
といった取り組みを進めなければなりません。
一方で、実際の現場では部署ごとの専門性や文化の違いからコミュニケーションエラーが発生したり、スキルの個人差による対応のバラツキが出てしまったりすることがあります。
不正アクセスや機密情報の漏えい、システムダウンなどの事態に迅速に対応してシステムを復旧できるように体制を整えておくことが、サイバーレジリエンスの強化につながります。
*出典:「サイバーレジリエンスのためのコミュニケーション ~セキュリティ担当者に必要なコミュニケーションスキル集~」(独立行政法人情報処理推進機構)
金融業界における「オペレーショナル・レジリエンス」の意味
金融業界でも、万が一の事態に備えて体制を整備しておく「オペレーショナル・レジリエンス」という言葉もあります。金融システムの安定において重要な業務の「強靱性・復旧力」を意味します。
金融機関は、システム障害や自然災害などが発生しても、重要な業務を最低限維持できるようにしなければなりません。しかも、事前に想定できる事態を考慮したリスク管理や対応計画だけでなく、想定外の事象が起きた場合でも、影響範囲の軽減と早期復旧が求められます。
こうした事情から、2021年3月にバーゼル銀行監督委員会が国際原則を策定し、オペレーショナル・レジリエンスへの取り組みが議論されるようになりました。日本でも、金融庁主導での取り組みが進められています。
参考:「オペレーショナル・レジリエンス確保に向けた基本的な考え方」(金融庁)
企業の災害対応力を評価する「レジリエンス認証制度」
災害の多い日本では、金融機関に限らず全ての企業に事業継続性を高める取り組みが求められています。
特に近年の気候変動による自然災害のリスクが大きいことから、国は2016年に「国土強靱化貢献団体認証制度(レジリエンス認証制度)」を創設。一定の基準に基づいて認証することで、日本全体で自然災害のリスクを想定したBCP(事業継続計画)の策定・活用を促そうという制度です。基準は、事業継続(自助)の9項目および社会貢献(共助)の5項目で構成されています。
認証を行う一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会は、レジリエンス認証制度のほかにも「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靱化大賞)」を実施。レジリエンス社会の構築に向けた取り組みに貢献する活動や技術開発、製品開発等に取り組む先進的な企業・団体を表彰しています。
レジリエンスの心理学における意味とストレス耐性・コーピングとの違い
企業経営におけるレジリエンスは、以上のようにトラブルや災害からの回復力という意味です。他方、日常のビジネスシーンで用いられるレジリエンスは、心理学の文脈で用いられる回復力を指すことが多いでしょう。以下で、少し詳しく見ていきましょう。
心理学におけるレジリエンスの意味
心理学におけるレジリエンスの意味は、「脅威となる事態がもたらした心理的な傷つきや落ち込みから立ち直る回復力や弾力性、あるいはその心的過程や結果」です。*
もともとは、戦争・災害といった厳しい体験や過酷な家庭環境などにあっても適応できる人がいることに注目して用いられてきた概念です。その後、使用される範囲が拡大し、現在では多くの人が持つ資質として研究されるようになりました。
*出典:野村晴夫「レジリエンス」『有斐閣 現代心理学辞典』有斐閣、2021年
レジリエンスとストレス耐性・メンタルヘルスの違い
日常のビジネスシーンで言われるレジリエンスは、ストレスの大きな場面に直面しても“耐える力”と考えられることがあります。では、「ストレス耐性」とはどのように異なるのでしょうか。
簡単にいえば、ストレス耐性は「ストレスにどれだけ耐えられるのか」という耐久力です。一方、レジリエンスは「ストレスや逆境体験から立ち直り、回復する力」となります。大きなストレスで一時的に落ち込むことがあっても、そこから再び立ち直れる能力が、レジリエンスなのです。
ストレス耐性やレジリエンスとともに言及される言葉に「メンタルヘルス」もあります。メンタルヘルスの意味は、「心の健康状態」。ストレス耐性やレジリエンスが高ければメンタルヘルスの不調を予防につながり、低ければメンタルヘルスが悪化する可能性が高まります。
ストレス耐性については、以下の関連コラムで詳しく解説しています。
コラム「ストレス耐性を上げるには?低い人と高い人の特徴、チェック方法とメンタルヘルス対策」はこちら
レジリエンスとコーピングの違い
レジリエンスと区別しにくい概念に「コーピング(ストレスコーピング)」があります。これは、ストレスを受ける場面において、自身の精神的な安定を回復するために実施する対応策を意味します。コーピングを行うことで、ストレスを低減させるのです。
レジリエンスは、コーピングも含む概念です。コーピングを実施することで、自身のレジリエンスを高めることができます。
レジリエンスは、なぜ必要なのか?
レジリエンスという概念を一通り確認したところで、ビジネスパーソン個人がレジリエンスを高める必要性を見ていきましょう。
現在のビジネスは、激しい外部環境の変化にさらされています。そうした変化はビジネスの前提条件を変え、トラブルを招くことすらあるでしょう。企業が生き残るには、メンバー一人ひとりが、そのストレスやダメージから回復できなければなりません。
同時に、日本で深刻化する人手不足についても、各人のレジリエンスが課題解決の鍵となります。仕事上のトラブルやネガティブなフィードバックに直面したとき、そこで心が折れたままでは働き続けられません。せっかく採用した人材が早期離職してしまえば、組織にとっても大きな損失です。少ない人材でも、安定的に働けるようにすることが、効果的な雇用管理と事業展開には欠かせません。
変化への対応と安定した事業活動のためにも、メンバーのレジリエンス強化が重要なのです。
レジリエンスの様々な尺度
レジリエンスについては、「どのくらい高いか」を測る様々な尺度が研究されてきました。
世界的に有名な尺度の代表例は、ワグニルとヤングのレジリエンス尺度(Resilience Scale)です。1993年に提唱されたもので、「個人的コンピテンス」と「自己と人生への受容」の2軸(計25項目)によって測定するものです。
国内で有名な尺度には、小塩真司教授らの精神的回復力尺度、井隼経子准教授らの四尺度、平野真理准教授の二次元レジリエンス要因尺度などがあります。それぞれの特徴は、下表の通りです。
【レジリエンスの尺度例】
| 尺度 | 特徴 |
|---|---|
| 精神的回復力尺度 | 新規性追求・感情調整・肯定的な未来志向の3因子(計21項目)で測定 |
| レジリエンスの四尺度 | 資個人内資源の認知/活用、環境資源の認知/活用という4側面(全131項目)から測定 |
| 二次元レジリエンス要因尺度 | 資質的要因・獲得的要因の2軸(計21項目)で測定 |
四尺度による測定方法を作成した井隼准教授は、多くの尺度に共通する要素があると指摘しています。その中で、能力や性格といった個人が持つ資源で共通しているものに、
- 楽観性
- 自己理解(自己有能感や自己効力感など)
- 未来への肯定的態度
- 感情や思考の傾向(ストレス耐性や気晴らし行動、感情コントロールなど)
- 性格や能力
- 役割に対する積極性や誠実性
- 周囲との関わり方・対人スキル
などを挙げました。
他方、周囲の環境が与える影響に関しても、以下のような要因が共通して見られるとのことです。
- 家族・友達との関係
- モデル(お手本となる人)の存在
- 専門家(ケアや助言を与えてくれる人、医療従事者など)の存在
- 地域・集団との関係(周囲からの支援)
自身のレジリエンスを確認する際は、こういった観点が大いに役立つでしょう。
参考:井隼経子「第3章 レジリエンスの測定」、小塩真司・平野真理・上野雄己編著『レジリエンスの心理学 : 社会をよりよく生きるために』金子書房、2021年
レジリエンスが高い人・低い人の特徴
自身のレジリエンスについてより簡単に知るには、日々の職場で見かける様々な人の考え方・行動を見てみるとよいかもしれません。
ビジネスシーンでは、「レジリエンスが高い人」や「レジリエンスが低い人」に見られる特徴として、いくつかの点が指摘されています。これらの特徴が、どのくらい自身に当てはまるかを考えてみると、今後の取り組みのヒントになります。
レジリエンスが高い人の特徴と考え方
レジリエンスが高い人には、次のような特徴があると言われます。
【レジリエンスが高い人の特徴】
- 現実をしっかりと認識できる
- 自分の価値観・判断基準を持っている
- 他者に協力を求めることができる
- 柔軟性がある
まず、レジリエンスが高い人は、冷静に事実を見て現実的に考えることができます。将来についての楽観性はありますが、リスクを無視するわけではありません。周囲の事実だけでなく、自分自身についても同様です。怒りや混乱を感じても、自分の状況を認識して心を落ち着けることができるのです。
現実を捉える視点があるため、困難な状況に対処することもできます。自分自身の価値観・判断基準を持っており、行動の目的や方法を自ら考えることができるからです。他の人なら「こんなトラブルからは逃げてしまいたい」と感じる場面でも、レジリエンスが高い人は「原因を突き止めて業務プロセスを改善すれば、チームの生産性向上に貢献できる」といった“意味”を積極的に見いだすことができるのです。
さらに、レジリエンスが高い人は、「全部1人で解決しよう」とは考えません。自分だけでは解決しにくい問題に直面したとき、「周囲に助けを求める」ことが選択肢にあります。もちろん、自分自身も他者から頼られた際は積極的に協力することも忘れません。助け合うことで、お互いにレジリエンスを高めるのです。
リソース不足で問題の解決が困難になっている場面でも、持ち前の楽観性が力を発揮します。他の人であれば「これがなければ対処できない」と考えてしまう場面で、「今あるもので何ができるか」を考えるからです。手元の条件や使えるものから、可能性を探って対処する柔軟性があるということです。
レジリエンスが低い人の特徴と行動パターン
これに対し、レジリエンスが低い人には、以下のような特徴が見られます。
【レジリエンスが低い人の特徴】
- 自分の感情や否定的側面ばかり見ている
- 周囲に振り回されやすい/頑固である
- 休息を取らず、一気に仕事を終わらせようとする
第一に、レジリエンスが低い人は、自身が置かれた状況についての事実よりも、自分の感情に注目し、ネガティブな側面ばかりを見る傾向があります。例えば、
- Aさんに言われたことについて、ずっとイライラしている
- 自分が抱えている業務量に圧倒されて「できるわけがない」と落ち込んだまま、何もしない
- 気晴らしをしようとしても、仕事のことばかり考えてしまう
といったパターンです。そのままでは、ストレスの蓄積によって感情コントロールが困難になったり、上司・同僚に対する悪感情を強めたりすることになりかねません。
そのような状況に陥った際、周囲からの助言を参考にしながら対処できれば、気分や状況は改善するでしょう。ところが、周囲の助言を鵜呑みにして振り回されたり、反対に頑なに拒んだりするような性格の場合は、なかなか改善も進みません。
加えて、忘れてはならないのが適度な休息の有無です。集中力が高すぎる人や長時間労働に価値を置く人の場合、オーバーワークを起こしやすくなります。どのような仕事でも、休息がなければ心身が回復できず、業務効率が低下してしまいます。「あとで休めばいい」と後回しにするほど、熱中していた時期と休息の時期の落差が大きいでしょう。悪くすれば、「燃え尽き症候群(バーンアウト)」になってしまいます。
以上のようなレジリエンスが低い人の特徴を自分に感じるなら、改善に向けた取り組みを早めに始めましょう。
レジリエンス力を高める5つのトレーニング
レジリエンスを高めるには、考え方や行動を少しずつ変えていくトレーニングがおすすめです。今回は、以下の5つのトレーニングをご紹介します。
【レジリエンスを高めるトレーニング】
- (1)自分の状態をモニターし、感情をコントロールする
- (2)しっかり休息をとる
- (3)呼吸法・マインドフルネスを活用する
- (4)積極的に「ありがとう」を伝える
- (5)業務知識・スキルを高め、理念に従って判断する
全てを一気にやろうとせず、できそうなところから少しずつ習慣化していきましょう。
(1)自分の状態をモニターし、感情をコントロールする
まずは、自身の状態を適切に把握できるようにしましょう。
イライラしている場合は、それに流されるのではなく「自分はイライラしている状態だ」と自覚することが大切です。このとき、「イライラしてはいけない」と抑え込む必要はありません。様々な刺激に対して感情が動くのは、自然なことだからです。反対に「イライラなんてしていない」と否定すれば、ストレスが大きくなってしまいます。
自身の感情に気づき、それをコントロールしたいと思ったら、
- 頭の中で「自分は今、イライラしている」と呟く
- 手帳やノートに、「今、イライラしている」と書き出す
- トイレなどへ行き、鏡で自分の姿を見てみる
といった行動をとってみてください。メタ認知が働き、感情をコントロールしやすくなります。
気持ちが落ち着いてきたら、「なぜ、自分はそう感じたのか」を分析してみましょう。発生した事象と自身の感情の変化の結びつきがわかり、その後の感情の変化を予測しやすくなります。また、状態が悪化した際の対処法も決めておくと、より早く回復できるでしょう。
メタ認知については、以下の関連コラムで解説していますので、併せてご確認ください。
コラム「メタ認知とは?ビジネスでの重要性とトレーニング方法」はこちら
(2)しっかり休息をとる
2つ目のトレーニングは、「休息をとる」という行動習慣の獲得です。体調不良や睡眠不足は、レジリエンスを大きく低下させます。こまめに休息をとることで極端な体調悪化を避け、レジリエンスを保ちましょう。
休息のタイミングは、一人ひとり異なります。そのため、「自分はどの段階で休息を取ると、パフォーマンスが良くなるのか」を見極めることが重要です。
例えば、疲れやすい体質なら、皆が一斉にとる昼休憩以外にも1〜2時間に1回の小休憩をとってみてください。視線を窓の外に向けて深呼吸したり、お茶を飲んだり、トイレに行ったりするだけでも構いません。
疲れにくく長時間連続で働けるタイプの人は、昼休憩にしっかり休むことを意識してみましょう。疲れてから対処するのではなく、「疲れ切る前に休む」というイメージが大切です。そのためには、「昼食はオフィスの外でとる」「静かな場所で仮眠をする」などの新たな習慣を採り入れてもよいでしょう。試行期間を設け、自分に合うサイクルを探してみてください。
意識的な休息は、燃え尽き症候群(バーンアウト)の予防にも効果的です。
コラム「バーンアウトとは?バーンアウト症候群の診断からうつ病との違い、対策方法」はこちら
(3)呼吸法・マインドフルネスを活用する
休息の際におすすめしたいのが、呼吸法やマインドフルネスの実践です。
呼吸法には、様々なやり方があります。どれか1つが絶対に正しいというものではありません。自分に合うものを見つけましょう。
【呼吸法の例】
| 気分をスッキリさせる呼吸法 |
|
|---|---|
| リラックスするための呼吸法 |
|
マインドフルネスは、自身の呼吸に意識を集中させながら、様々な考えや刺激を受け流す手法です。日本では「瞑想」や「座禅」という形がわかりやすいでしょう。座禅と異なる点は、マインドフルネス自体には宗教的背景がなく、足を組む必要もないことです。
【マインドフルネスの基本のやり方】
- ①静かな場所に座り、力を抜いて背筋を伸ばす(椅子でもOK)
- ②呼吸に集中しながら、ゆっくりと行きを吸い、息を吐く
- ③様々な考えが浮かんだり周囲の音が聞こえてきたりしても、それらの刺激を受け流す
- ④1回当たり数分〜20分程度で行う
呼吸法やマインドフルネスを習慣化することで、こまめにレジリエンスを回復させることができます。
(4)積極的に「ありがとう」を伝える
レジリエンスの強化には、ポジティブな姿勢や考え方も効果を発揮します。
これまで「ありがとう」とあまり言ってこなかった人は、ぜひ意識的に「ありがとう」を伝えるようにしてみてください。
- 頼んだ業務をやってもらったとき
- 業務のやり方を教えてもらったとき
- ミスの指摘やトラブル回避のヒントをもらったとき
- 自分の業務にポジティブな評価をもらったとき
など、「ありがとう」を言葉にできる場面は多くあります。
自身がポジティブな姿勢や考え方で周囲に接すれば、周囲もポジティブな気持ちを持ちやすくなるでしょう。チーム全体が前向きな雰囲気になり、建設的なフィードバックと改善という好循環にも寄与します。良好な人間関係と前向きな環境が、自身とメンバーのレジリエンス向上につながります。
可能であれば、ポジティブな気持ちになれたコミュニケーションや出来事の記録も習慣にするとよいでしょう。あとから読み返すことで、前向きな気持ちを高められます。
(5)業務知識・スキルを高め、理念に従って判断する
最後にご紹介するトレーニングは、業務に必要な知識・スキルの強化と理念に基づく判断の習慣化です。
自身の状態をモニタリングし、適切に休息をとって感謝の気持ちを持っていても、困難な状況に直面して気分が落ち込むことはあります。例えば、上司や取引先からの高すぎる期待を受けたときや、コントロールできない外部環境の変化に対応しなければならないときなどです。
もし、非現実的な要求を受けた場合は、「その要求の達成は困難である」と根拠を持って説明し、代替案を提示する必要があります。「こうすれば、より現実的で効果的な施策を実施できる」と示すのです。それには、業務知識や分析・検討のための論理的かつ合理的な思考力、冷静に対話するためのコミュニケーション力が求められます。
代替案自体が浮かばないときは、理念に立ち戻り、別の道を探りましょう。理念とは、自社のミッション・ビジョンや組織の方向性、チームやプロジェクトの目的です。原点に戻ることで、「このやり方でなければならない」という先入観に気づけるかもしれません。
困難な状況に対応する柔軟性を養うためにも、業務で求められる知識・スキルは着実に身につけていきましょう。
レジリエンス強化を目的とする研修・セミナーのプログラム例と職場環境づくり
レジリエンスの尺度では、本人の性格・能力以外に周囲の環境も考慮されていました。つまり、社員自身がレジリエンスを高めるには、職場環境の整備も軽視できないということです。
まず、職場全体でメンバーのレジリエンス強化の必要性・重要性を認識する必要があります。これには、研修・セミナーを開催し、共通認識を形成するとよいでしょう。例えば、以下のようなプログラムが考えられます。
【レジリエンス研修のプログラム例】
- レジリエンスとは何か
- 【ワークショップ】落ち込んだ経験・意欲を失った経験の共有
- レジリエンスの重要性
- レジリエンスが高い人の特徴
- レジリエンスを高める方法
- 【ワークショップ】落ち込んだ・意欲を失った原因を分析する
- 【ワークショップ】具体的な取り組みを考えてみる
- レジリエンス強化につながる職場環境
これらのプログラムと併せて、タイムマネジメント研修やメンタルヘルス研修、コミュニケーションスキル強化研修など、“明日から使える”研修・セミナーも実施しましょう。
そして、研修・セミナーの効果を高めるには、“学んだだけ”にせず、実践につなげるためのフォローが重要です。具体的には、日々の振り返りや意見交換会の実施、1on1でのフィードバック、定期的な情報・資料の共有による復習機会の設定などです。社内の実践例を共有したり、研修・セミナーを再受講したりできる仕組みもよいでしょう。
また、レジリエンス強化に向けたトレーニングを実践しやすいよう、組織としての支援体制も整えてください。例えば、失敗を許容する組織風土の醸成、新しい行動習慣の獲得を後押しする声かけやポジティブフィードバックの実施などです。
レジリエンス強化で逆境や変化に強い組織へ
メンバー一人ひとりのレジリエンスが強化されれば、組織は逆境や変化に強い組織へと成長します。これには、リーダーが各メンバーの実践を前向きにサポートしていく必要があり、リーダー自身のスキルアップも欠かせません。
多くの企業で人材の能力開発・スキルアップをご支援してきたALL DIFFERENTでは、レジリエンス強化に役立つ多彩な研修プログラムや無料セミナーをご提供しています。メンタルヘルスや成長に欠かせないリフレクションのやり方など、すぐに使える豊かなノウハウをお届けしていますので、レジリエンス強化にぜひお役立てください。

