フレックスタイム制とは?仕組みと導入のメリット・デメリット、管理上の注意点

update更新日:2024.12.20 published公開日:2024.01.15
フレックスタイム制とは?仕組みと導入のメリット・デメリット、管理上の注意点
目次

フレックスタイム制は、従業員が一定の範囲内で始業・終業時刻を自由に決められる柔軟な勤務制度です。

本コラムでは、フレックスタイム制の定義や仕組み、関連する制度との違いや導入のメリット・デメリットとその対策を詳しく解説。就業規則・労使協定で定めるべき事項、フレックスタイム制の導入プロセスや管理上の注意点、導入例が多い業種・職種などもご紹介します。

フレックスタイム制とは

まずは、フレックスタイム制の定義と目的を簡単に見ていきましょう。

フレックスタイム制の定義

フレックスタイム制とは、労働者が柔軟に勤務時間を調整できる制度です。フレックス勤務やフレックス制と呼ばれることもあります。主な特徴は以下の通りです。

  • あらかじめ定められた一定期間の労働時間の枠内で勤務する
  • 1日の労働時間を固定しない
  • 従業員が状況に応じて始業・終業時刻を自由に決められる

従業員が自らの裁量で日々の勤務時間をコントロールできる点が、従来の画一的な勤務時間制とフレックスタイム制の最も大きな違いといえるでしょう。

フレックスタイム制度の目的

フレックスタイム制を導入する目的は、従業員一人ひとりが仕事とプライベートのバランスを取りながら、効率的な働き方を実現することです。

フレックスタイム制では、それぞれの従業員がその日の事情に合わせて、自分の1日の労働時間や始業または終業時刻を決められます。育児や介護などがある場合、午前の早い時間や夕方は働きにくい方もいるでしょう。また、体調管理のために、通勤ラッシュを避けられる時間帯に出社・退社したり、ときどき短い労働時間で働いたりするケースもあります。

フレックスタイム制ではこうした個々の事情に応じた柔軟な働き方ができるため、従業員の仕事とプライベートの両立も可能です。働きやすさが向上し、企業にとっても従業員の生産性向上や雇用の安定などが期待できます。

フレックスタイム制の仕組みと用語

次に、フレックスタイム制を理解するうえで重要な用語と仕組みについて解説します。

清算期間

フレックスタイム制では、労働時間を管理する一定期間を「清算期間」と呼びます。清算期間は最大3カ月まで延長可能ですが、一般的には賃金の計算期間に合わせて1カ月とすることが多いようです。

例えば、就業規則と労使協定に「清算期間は1カ月間とし、毎月26日を起算日とする」と定めた場合、毎月26日から翌月25日までの1カ月間が清算期間となります。

総労働時間

フレックスタイム制では、清算期間内で従業員が働くべき時間を「総労働時間」として定めます。この総労働時間は、清算期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間内になるよう設定する必要があります。

従業員は清算期間内でこの総労働時間を達成しなければなりませんが、日々の勤務時間は変動可能です。

コアタイムとフレキシブルタイム

多くの企業では、フレックスタイム制の1日の勤務時間を「コアタイム」と「フレキシブルタイム」に分けて管理しています。それぞれの意味と特徴は以下の通りです。

コアタイム 全従業員が必ず勤務しなければならない時間帯
フレキシブルタイム コアタイム以外の時間帯で、労働者が自分の都合に合わせて始業・終業時刻を自由に決められる時間帯

コアタイムとフレキシブルタイムの設定は任意で、労使協定で自由に決定できます。ただし、コアタイムを設定する場合は、就業規則にコアタイムの開始時刻と終了時刻を明記する必要があります。

スーパーフレックスタイム制

スーパーフレックスタイム制は、フレックスタイム制の一種で、コアタイムを設けずに1日の勤務時間全てをフレキシブルタイムとする働き方です。この制度では、従業員がより柔軟に勤務時間を決定できます。

ただし、スーパーフレックスタイム制でも、所定休日はあらかじめ定めておかなければなりません。

フレックスタイム制と他の関連制度との違い

フレックスタイム制以外にも、柔軟な働き方を実現するための制度は複数存在します。それぞれの制度の特徴とフレックスタイム制との違いについて、簡単にご紹介しましょう。

【柔軟な働き方のための各種制度】

制度 特徴 フレックスタイム制との違い
裁量労働制 実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めた時間で管理する制度 実労働時間ではなく、みなし労働時間で管理される
変形労働時間制 業務の繁閑や特殊性に応じて、従業員の労働時間を柔軟に調整できる制度 企業側が労働時間を定めるため、従業員の自由裁量はない
時差出勤制度 始業・終業時刻を従業員が選択できる制度 1日の労働時間が固定されており、日々の労働時間を調整できるような自由度はない
時間単位年次有給休暇 通常の年次有給休暇を1時間単位で取得できるようにする制度。年次有給休暇を使うことで、始業・終業時刻を1時間単位で調整できる 労働時間の調整ではなく、休暇の取得方法に関する制度。フレックスタイム制と併用可

この表を見ると、各種制度にはそれぞれ異なる特徴があり、従業員と企業の双方にメリットとデメリットがあることがわかります。

したがって、自社の状況や従業員のニーズを十分に考慮し、フレックスタイム制を含む様々な選択肢の中から最適な制度を選ぶことが重要になってきます。

フレックスタイム制の3つのメリット

では、ここからは再度フレックスタイム制に焦点を当て、その具体的なメリットを見ていきましょう。フレックスタイム制は従業員にとって働きやすい労働条件であるだけでなく、企業にとっても様々な利点があります。主なメリットは以下の3つです。

(1)ワークライフバランスの実現とエンゲージメントの向上

フレックスタイム制の導入により、従業員は自分の都合に合わせて働けるようになります。これにより、従業員自身のワークライフバランスが実現しやすくなります。

具体的には、以下のような例があるでしょう。

  • 夕方以降の時間を趣味や勉強などに使いたい日は、始業・就業時刻を早めて時間を確保する
  • 子どもの保育園の送迎や学校の行事などに合わせて、勤務時間を調整する
  • 通院や役所の手続きなどがある場合、会社を休まずに午前または午後だけ働く

このように、プライベートの事情に合わせて始業時刻や終業時刻を調整したり、中抜けしたりすることで、仕事を休まずに私生活の重要な用事を済ませることができます。仕事とプライベートのバランスを取りやすくなれば、疲労回復やストレス解消も容易になり、メンタルヘルス向上につながるでしょう。ひいては、仕事への意欲や従業員エンゲージメントの向上も期待できます。

(2)離職の抑制と人材確保

フレックスタイム制はライフスタイルに合わせて勤務時間を調整しやすいため、勤務時間に起因する離職の抑制につながります。勤務時間や始業・終業時刻に柔軟性がない働き方の場合、介護や子育てなどの理由で離職を余儀なくされることがあります。体調が安定しない人や疲れやすい人も、長時間労働や通勤ラッシュの負担が原因で体調を崩し、休職や離職をせざるを得ない場合があるでしょう。

厚生労働省の「令和4年就業構造基本調査」によると、過去5年以内に離職した理由で突出して多かった項目は、「労働条件が悪かったため」「病気・高齢のため」でした。

同調査では、過去1年以内に離職した人についても述べています。その中で、介護・看護を理由として離職した人は10万名以上でした。出産・育児を理由に離職した人は介護・看護を理由とする離職よりも多く、2022年時点で14万名以上に上ります。

厚生労働省の「仕事と育児・介護の両立に係る現状及び課題」によると、離職した人が職場に求める支援のTOP10には、「短時間勤務制度」「在宅勤務制度」「始業・終業時間の繰上げ・繰下げ」が含まれています。

フレックスタイム制を導入し、柔軟な働き方ができる職場環境を整えることは、こうした困りごとを抱える従業員の離職防止に大いに役立つでしょう。介護・育児などの事情がない場合でも、ワークライフバランスを重視する現代の求職者にとって、フレックスタイム制は魅力的な制度となります。

このようなメリットが、多様な人材の確保や、特に育児や介護と仕事の両立を望む優秀な人材の採用につながるのです。

*参考:総務省「令和4年就業構造基本調査」

*参考:厚生労働省「仕事と育児・介護の両立に係る現状及び課題(令和5年1月26日)」

(3)生産性の向上

フレックスタイム制により、従業員は自身の生産性が最も高い時間帯に合わせて勤務することができます。例えば、朝型の従業員は早朝から集中して仕事に取り組み、夜型の従業員は午後から夕方にかけて効率的に業務をこなすといったことも可能です。

このように従業員の裁量でメリハリをつけた働き方ができれば個人の生産性がアップし、結果として組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。

フレックスタイム制のデメリットと対策

フレックスタイム制には多くのメリットがありますが、管理や業務面ではいくつかの懸念事項も存在します。ここでは、主なデメリットとその対策について解説します。

勤怠管理が複雑

フレックスタイム制では、従業員ごとに始業・終業時間が異なるため、勤怠管理が複雑になります。特に、残業時間は総労働時間がわかるまで判断できず、残業代の予測が難しくなる可能性があります。

フレックスタイム制の運用に当たっては、期間内の労働時間を正確に記録・管理できる勤怠管理システムの導入が必要です。管理部だけでなく、従業員本人も日々の労働時間をきちんと把握し、適切な残業管理ができるよう、社内研修などでノウハウを伝えていきましょう。

社内外のコミュニケーションに支障

従業員ごとに勤務時間が異なると、社内でのコミュニケーションが取りにくくなる場合があります。例えば、「業務の確認をしようと午前に出社したものの、相手は午後からの出社だった」「チームメンバーが集まるタイミングが持てず、話し合いができない」などのケースが考えられます。さらに、社外との連絡が困難になる恐れもあります。

これらの課題を回避・軽減するには、業務内容や従業員の状況を把握したうえで、以下のような取り組みを実施するとよいでしょう。

対象 改善策
社内コミュニケーション
  • 共有カレンダーに出社予定を入力する
  • 前日以前にアポイントを取る習慣をつける
  • ビジネスチャットツールを活用する
社外とのコミュニケーション
  • 複数人で案件を担当する
  • 必ず出社する時間帯を交代制で決める
  • 「誰かが対応できる」体制を構築する

こうした個々の対応では不十分な場合、昼休憩の前後や午後の一部の時間帯をコアタイムに設定するなどの対策も検討しましょう。

フレックスタイム制の導入プロセス

ここからは、フレックスタイム制を導入する際の一般的なプロセスについて解説していきましょう。フレックスタイム制は労働基準法第32条の3で規定される制度であり、導入に当たってはいくつかの要件を満たす必要があります。これには、労使協定の締結も含まれます。

(1)フレックスタイム制導入の目的を確認する

まず、フレックスタイム制が自社にとって必要な制度であるかを確認しましょう。

例えば、前述したメリット・デメリットを踏まえて関連する項目を洗い出し、点数をつけて評価するなどの方法が考えられます。フレックスタイム制では、勤怠管理が以前より複雑になるほか、業種や職種によって向き・不向きがあります(後述)。自社の事業内容や規模を十分加味したうえで、導入の決定を行いましょう。

(2)労使協定を締結する

フレックスタイム制の導入が決まったら、使用者(会社)と従業員で具体的な実施方法や有効期間、対象者、などを話し合い、記載事項への双方合意のもと労使協定を締結します。具体的に決定すべき内容は、以下の通りです。

【労使協定で決定すべき内容】

項目 内容
対象となる従業員の範囲

フレックスタイム制を適用する従業員の範囲を定める

全従業員、または特定の個人や部署、職種など

清算期間 働くべき時間を管理する期間(上限3カ月)と起算日を定める
清算期間における総労働時間 清算期間に働くべき時間(総労働時間)を、法定労働時間の総枠内で定める
標準となる1日の労働時間

有給休暇を取得した際に支払われる賃金の計算基礎とするため、標準となる1日の労働時間を定める(1日に労働すべき時間数ではないことに注意)

基準は、「清算期間における総労働時間÷期間中の所定労働日数」とする

コアタイム・フレキシブルタイム(任意)

コアタイム・フレキシブルタイムを設ける場合は、その時間帯を定める

コアタイムの時間が1日の労働時間とほぼ同等になるような定め方は避ける(フレックスタイム制の趣旨に反するため)

*参考:厚生労働省|フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

(3)就業規則などに規定する

労使協定で合意した内容をもとに、就業規則(または、それに準ずるもの)にも、フレックスタイム制に関する規定を加えましょう。

厚生労働省が示した例には、

  • 適用労働者の範囲
  • 始業・終業時刻を従業員の決定に委ねる旨の記載
  • 清算期間と総労働時間
  • 標準労働時間
  • コアタイムやフレキシブルタイムを設ける場合は、その時間帯
  • 「前条に掲げる事項以外については、労使で協議する」などの記載

が見られます。

就業規則への記載事項と労使協定の内容は連動する部分が多くありますので、並行して進めるとよいでしょう。

(4)労働基準監督署に届け出る

就業規則を変更した場合は、「就業規則(変更)届」に労働組合または従業員過半数の代表者の意見書を添えて、労働基準監督署長に届け出なければなりません。あわせて、労使協定についても、フレックスタイム制の清算期間を1カ月以上とした場合は、「労使協定届」を労働基準監督署へ届け出る必要があります。

なお、フレックスタイム制を導入し、法定労働時間の総枠を超えて労働させる場合は、時間外労働となります。法定休日に労働させる場合も、休日労働扱いになるため、ご注意ください。時間外労働や休日労働をさせる場合は、それに関する労使協定の届けも必要です。

(5)従業員に制度の周知・説明を行う

以上の準備が整えば、いよいよ社内でフレックスタイム制の導入が可能です。運用開始に当たって、従業員に制度の周知を行いましょう。

従業員に伝える内容の例としては、

  • 制度変更の目的
  • 労働時間の管理方法の変更
  • 労働時間管理における注意点
  • 時間外労働や休日労働の取扱い
  • コミュニケーション面でのデメリットと対策

などがあります。

運用中に新たな課題が見つかることもありますので、定期的に現場への聞き取りを行い、対策を講じるとよいでしょう。

フレックスタイム制は、適切に運用できれば業務効率化につながります。デメリットを放置して業務に支障が出ないよう、定期的に注意喚起や研修なども行いましょう。

フレックスタイム制の導入・管理における4つの注意点

フレックスタイム制を導入・管理するにあたり、以下の4つの注意点があります。

(1)時間外労働時間は清算期間経過後に計算する

1つめは、労働時間の管理です。フレックスタイム制では清算期間を通じての労働時間管理となるため、時間外労働は清算期間が経過した後に算出します。「特定の日に8時間を超えて働いた」というだけでは時間外労働とはなりません。

(2)残業代の対象は法定労働時間を超えた分から

2つめは、残業代(時間外労働への割増賃金の支払い)です。法律で定められるところの時間外労働は、清算期間中の法定労働時間の総枠を超えて労働した時間数となります。これが割増賃金の対象です。言い換えれば、総労働時間を超えて法定労働時間の総枠以内であれば、割増賃金の対象にはなりません。ただし、清算期間が1カ月以上の場合は、次の3つめの注意点にもご注意ください。

(3)清算期間が1カ月を超える場合は週平均労働時間も要確認

その3つめとは、清算期間が1カ月を超える場合の時間外労働の考え方です。ここでは、法定労働時間の総枠だけでなく、週平均の労働時間も考慮しなければなりません。

  1. (A)1カ月ごとに、週平均50時間を超えた労働時間
  2. (B)清算期間を通じて、法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(Aを除く)

が、時間外労働としてカウントされます。つまり、2段階で計算する必要があるということです。

*参考:厚生労働省|フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き

(4)残業時間の上限規制は「月45時間・年360時間」が原則

4つめは、残業時間の上限規制です。2019年4月から順次施行された「働き方改革関連法」により、残業時間は原則として月45時間・年360時間までとなりました。月45時間を超える残業が必要な場合、労使協定で特別条項付きの36協定を締結する必要があります。そして、特別条項の適用は年6回までです。なお、特別条項付き36協定であっても、時間外労働は年720時間が上限となります。

フレックスタイム制では時間外労働の管理が煩雑になりやすいため、こうした時間外労働の時間数の管理も非常に重要です。

フレックスタイム制に向いている企業・業種・職種

最後に、実際にフレックスタイム制を導入している企業の割合や特徴から、フレックスタイム制に向いている業種・職種について見ていきましょう。

大企業ほどフレックスタイム制の割合が高い

厚生労働省が実施した「令和5年就労条件総合調査」によれば、有効回答数約3,800件のうち、フレックスタイム制を導入している企業の割合は6.8%でした。

企業規模別に見ると、従業員1,000名以上では30.7%、300~999名では17.2%、100~299名では9.4%となっています。

大企業ほど、フレックスタイム制を導入している割合が高いことがわかります。

*参考:厚生労働省|令和5年就労条件総合調査(結果の概況「労働時間制度」)

フレックスタイム制が多い業種はIT系

フレックスタイム制の導入率が高い業界については、情報通信業での割合が最も大きく、30%の企業がフレックスタイム制を導入していると回答しました。

情報通信業には、以下のような業種が含まれます。

  • 通信業

    電話会社や携帯電話事業者など

  • 放送業

    テレビ局やラジオ局など

  • 情報サービス業

    ソフトウェア開発やデータ処理を行う事業者など

  • インターネット附随サービス業

    サーバ運営やポータルサイト運営を行う事業者など

  • 映像・音声・文字情報制作業

    映画、ビデオ、テレビ番組、ラジオ番組の制作会社や新聞発行・書籍出版をする事業所など

中でも、時間や場所の制約を受けにくいインターネット関連の業種は、フレキシブルな勤務体系が取り入れやすい領域といえるでしょう。

他の業界では、学術研究・専門・技術サービス業、複合サービス事業などでも比較的多く導入されているようです。

*参考:厚生労働省|令和3年就労条件総合調査

フレックスタイム制に向いている職種

前項に分類される業種から推測すると、フレックスタイム制で業務を進められる職種は、SE・プログラマーといったITエンジニア、学術機関の研究職、弁護士や会計士などの士業、経営コンサルタント、デザイナーなどが考えられます。

個人の裁量で業務を進めやすい職種ほど、フレックスタイム制との親和性が高いといえるでしょう。

フレックスタイム制に向いていない職種

一方で、フレックスタイム制を導入しにくい職種もあります。

例えば、営業職などのように、社内外とコミュニケーションや連携が必要な職種では、フレックスタイム制を導入すると相手の時間に合わせにくくなる可能性があるでしょう。営業職の場合は、フレックスタイム制ではなく、みなし労働時間で管理をする裁量労働制を適用するケースが多く見られます。

また、営業時間が決まっている接客業・サービス業なども自分の裁量で勤務時間を変えることは難しいでしょう。決められたスケジュールで一斉稼働する工場勤務についても同様です。

フレックスタイム制は会社全体ではなく、特定の部署や職種に限定して適用することもできます。「うちは○○業だから」と諦めず、システムなどの開発職や事務職など、始業・終業時間や労働時間を調整しやすい領域での導入を検討するとよいでしょう。

より柔軟な働き方ができるよう、フレックスタイム制の導入検討では業務内容も洗い出し、対象範囲の検討を進めることが大切です。