社内研修を単なるスキルアップの手段にとどめず、社内の「仕組み化」「マニュアル化」まで昇華させた株式会社ダイテック様。経営統括部長の江谷晃様に研修計画における狙いや実施後の変化についてお聞きしました。
- 目的
営業やお客様サポートのスキルの標準化
- 解決策
「仕組みづくり」を目指した研修設計
- 成果
学んだスキルが会社の標準として浸透
- 社名
- 株式会社ダイテック 様
- 業種
- 専門・技術サービス業
- 従業員数
- 101人~500人以下
- エリア
- 関東
- 階層
- 利用サービス
- 講師派遣型研修
- 課題
- チームビルディング 教育体系の構築
講師派遣型研修を通じてスキルを標準化――そして、仕組化へ
スキルや業務の標準化を目指し、集合型研修を企画
江谷 弊社はもともと教育にとても力を入れており、岐阜市には最大70名が宿泊できる宿泊棟を併設した研修施設があります。
しかし、施策対象となった、営業力・お客様サポートの事業部では、メンバー間でスキルの標準化ができておらず、若手社員や新入社員が、上司や先輩社員によって指導内容が違うと感じることが多いという課題がありました。そのような中、トップダウンで全事業部に対して、改めて教育や研修に力を入れるように指示が降りてきました。
江谷 スキルにばらつきがある原因としては、上司や先輩社員、後輩指導を担当するOJT社員、それぞれの経験やスキルが異なり、業務に必要なスキルの共通認識を持てていないからではないかと考えました。全員が業務に対して共通認識を持つために、まずは基本的な営業・お客様サポートの手法や手順についてインプットしていくことになりました。
そこで、対象事業部のメンバーに全国の事業所から自社の研修施設に集まってもらい、全8回の新規開拓営業研修と全2回の電話対応研修を行いました。
営業研修では、電話アポ、メール、飛び込み営業のスキルから、案件管理、行動管理、商談準備、商談の進め方、提案書作成、プレゼンテーション、クロージングなど幅広い知識やスキルをインプット、整理しました。
電話対応研修では、顧客支援課への期待、電話対応の基礎などから、クレーム電話対応などの応用まで学んでもらいました。
現場のリアリティを反映するため、対象部門の責任者を巻き込む
江谷 教科書的な内容は本で調べたり、ネットで検索したりすれば出てきますので、研修では受講者が実務で転用するイメージが持てるようにリアリティを意識しました。
研修実施の翌日にメンバー間でのロールプレイングやシステム勉強会を実施したのですが、よりリアリティのあるロールプレイングができるように、研修内容の事前打ち合わせには部門の責任者にも参加してもらいました。事前打ち合わせで、現場の状況を講師が確認した上で、当社の実情に即した事例を研修内で取り扱うことを意識していました。
江谷 研修・講義を受けて終わりではなく、研修で学んだことが、すぐダイテックのルールになるよう、仕組みにつながる設計をしました。
具体的には、研修の翌日に会議を行い、研修内容の中から、社内ルールにすべきところなどを検討しています。会議では社内ルールの確認や研修テキストのマニュアル化などを行い、学んだスキルが会社の標準として浸透するようにしました。これは、研修設計段階から「仕組みづくり」をゴールとして、研修のテキストがそのままマニュアルになるように設計していたからできることです。
スキルや業務の標準化が生まれ、評価も行いやすくなった!
江谷 まず、新規開拓営業の実践の中では、今までになかった工夫がみられるようになりました。案件管理においても、共通認識を持って管理ができるようになった、主観によるバラツキが減ったと感じています。
また、お客様サポートについても、今まではそれぞれが我流で行っている部分がありましたが、お客様対応に統一感が生まれました。話すスピード、お客様を待たせない対応、話した内容の復唱、自分の名前を名乗り責任の所在を明らかにするなど、電話で話す内容が変化して、より丁寧な対応になりました。これらの取り組みは社内ルール化もされており、電話対応の基準となっています。基準ができたことで日ごろの業務での評価を行いやすくなるという効果が生まれたことも成果の一つと考えています。
こうした感触は私たち企画側だけのものでなく、部門の責任者から「研修をやってよかった」という声ももらえました。定量的な変化を把握することは難しいですが、継続的に実施していくことで、意識改革をこれからも行っていきたいと考えています。
事業内容: 石油販売業向け情報処理サービスの開発・運用/建設業向けCADの開発・販売/住宅産業向けクラウドの開発・提供
従業員数: 309名
本社: 東京都品川区南大井6丁目16番19号大森MHビル