社会人1年目社員調査(理想の上司編)
理想の上司は「細かく教えてくれる」「間違い正してくれる」
計画的・意図的・継続的なOJTが長期的な成長・活躍を後押し
2025年3月12日
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は2024年10月12日~10月15日、社会人1年目社員300人を対象に意識調査を行いました。本レポートでは社会人1年目社員の理想の上司像などについて調査・分析した結果を公表いたします。
〈背景〉
近年、業種や業界、規模を問わず、多くの企業が労働力不足に悩んでおり、社員一人ひとりの能力を伸ばす“育成”への取り組みが重要なテーマとなっています。
しかし人材育成は、一筋縄ではいかない非常にハードルの高いテーマです。実際、当社の調査*においても、部下の成長を導く管理職の最大の悩みは「部下育成」という結果が出ており、部下の指導やコミュニケーションに悩んでいる様子がうかがえます。
特に周囲からの影響を受けやすい社会人1年目社員の育成は、上司とのかかわり方や、業務に取り組む環境などによって、成長が大きく変わります。
本調査では、社会人1年目社員はどのような上司を求めているのか、上司とのコミュニケーションにおける入社前後のギャップなどについて調査しました。社会人1年目社員の育成を検討される経営者・人事担当者、管理職の皆さんにとって、一助となれば幸いです。

調査結果の概要
- “上司とのコミュニケーション”について入社前後のギャップ、「あり」は34.0%、「なし」が66.0%で過去最多
- ギャップ「あり」のうち、「想像以上に良かった」は43.1%、「想像以上に悪かった」は56.9%
- 「想像以上に良かった」と感じた1年目社員の受け止めは「嬉しい」・「安心」が高く、
「想像以上に悪かった」と感じた1年目社員は「貢献したい」がトップ - “理想の上司”は「具体的に手順を細かく教えてくれる」・「間違いを指摘して正してくれる」
- 【考察】1年目社員の成長の引き出し方
“上司とのコミュニケーション”の入社前後のギャップ、「あり」は34.0%、「なし」は66.0%で過去最多
まず、上司とのコミュニケーションについて、入社前に想像していた状況と現実の差異について調べました。「入社前と入社後でギャップはありましたか」という質問に対し、「ギャップあり」と回答した人は34.0%、「ギャップなし」と回答した人は66.0%でした。
この調査結果を過去2年間のデータと比較したところ、入社前後で「ギャップあり」と答えた割合は2022年が57.7%、2023年が64.7%で、ともに「ギャップあり」と回答した割合は、「ギャップなし」よりも高い結果でした。2024年ではその割合が逆転し、3年間で「ギャップなし」と答えた割合が最大になりました。(図1)

ギャップを感じた社会人1年目社員、「想像以上に良かった」43.1%、「想像以上に悪かった」56.9%
続いて上司とのコミュニケーションについて、入社前後でギャップがあったと回答した人に、そのギャップが想像以上に良かったのか、悪かったのか質問しました。
結果、「想像以上に良かった」と回答した割合が43.1%、「想像以上に悪かった」と回答した割合が56.9%となりました。(図2)

「想像以上に良かった」と感じた1年目社員の受け止めは「嬉しい」・「安心」が高く、
「想像以上に悪かった」と感じた1年目社員は「貢献したい」がトップ
さらに上司とのコミュニケーションについて入社前後でギャップを感じている社会人1年目社員は、そのギャップをどう感じ取ったのかを調べました。
想像以上に良かったと答えた群では、「嬉しいと思った」「安心した」がともに52.3%で最多でした。次いで「不満を抱いた」(9.1%)、「会社を辞めたくなった」(6.8%)が続きました。半数以上がポジティブな回答を選んでいるものの、一部にネガティブな受け止めも見られました。
想像以上に悪かったと答えた群では、「貢献したいと感じた」(32.8%)が最も多く、「落ち込んだ」(31.0%)、「成長の機会だと感じた」(25.9%)が続きました。そのほか、「大変だと感じた」(22.4%)、「不安に感じた」(20.7%)などネガティブな回答の割合が、「想像以上に良かった」と答えた群に比べて高くなりました。(図3)

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