新入社員意識調査2025(3933人の仕事の価値観編)
仕事で成し遂げたいこと「自分の成長」が過去最低
新人の成長意欲を喚起する鍵は「自ら解決策を思考・実行する機会」の提供にあり
2025年6月10日
累計20,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、2025年3月25日~4月24日の期間で、2025年度入社の新入社員 3,933人を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本レポートでは、4月に入社を迎えた新入社員の仕事への価値観に関する調査結果を公表いたします。
〈背景〉
新型コロナウイルスの影響は落ち着き、売り手市場といわれる中で、就職活動を経験した2025年度の新入社員は、当社の調査結果*より、入社直前に99%以上が「この会社で頑張ろう!」と高い意欲を持っていました。このようなやる気が高く、晴れやかな気持ちで社会人生活をスタートさせた新入社員は、仕事や働き方に対してどのような価値観を持っているのでしょうか。過去11年間の新入社員に実施した回答結果と比較し、今年度の新入社員の特徴を明らかにします。
本調査結果が、組織創りや新入社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方、OJT担当の方にとって有益な情報となれば幸いです。
*入社直前意識調査(入社の心境編)
https://www.all-different.co.jp/app/uploads/all/news_20250404.pdf

調査結果の概要
- 仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」過去最高の6割超、「自身の成長」過去最低
- 今後取り組みたい仕事、「楽しくてやりがいのある仕事」約7割が回答しトップに
- 「定時に帰りたい」新入社員44.6%が回答、11年前から17.2ポイント増加
- 20代の時間の使い方「仕事とプライベート優先」がトップ。「プライベート優先」は2014年から4倍に増加し、過去最高
- 7割超の新入社員が頼まれたら「断れない」「しばしば断れない」、12年間で最高の割合に
- 悩んだ時の行動「解決できないままため込む」割合、11年前より約4ポイント増
- 考察「成長意欲の喚起のために工夫すべきこと」
仕事を通じて成し遂げたいこと「安定した生活」過去最高の6割超、「自身の成長」過去最低
初めに、2025年度の新入社員に対し、仕事を通じて何を成し遂げたいか質問しました。
結果、「安定した生活を送りたい」と回答した割合が65.6%と最も高い結果になりました。次に、「自分を成長させたい」が50.1%、「家族に恩返しをしたい」が44.9%と続きました。(図1)

新入社員が仕事を通じて成し遂げたいことについて、2017年度から9年間、各年度の新入社員に質問をした結果を比較しました。結果、「安定した生活を送りたい」と回答した新入社員の割合(折れ線グラフのオレンジ色)は、2019年度の54.3%を境に年々増加傾向にあり、2025年度は65.6%と過去最高の割合になりました。
一方、「自分を成長させたい」と回答した新入社員の割合(折れ線グラフの青色)は、2020年度の64.1%を境に減少傾向にあり、2025年度は過去最低の50.1%となりました。(図2)

今後取り組みたい仕事、「楽しくてやりがいのある仕事」約7割が回答しトップに
次に、今後どのような仕事に取り組んでいきたいか質問しました。結果、「楽しくてやりがいのある仕事」と回答した割合が69.1%となり、他項目より突出した結果になりました。次に、「自身の成長につながる仕事」が41.4%、「楽しく取り組める仕事」が35.3%と続きました。(図3)

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