管理職意識調査(理想のリーダー像編)
新任管理職ほど「プレーヤー業務のひっ迫」がリーダーシップに悪影響
各ステージの強化ポイントを押さえた支援で、リーダーの役割を果たせる管理職へ
2025年9月12日 |NEW!
累計20,000社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、2025年5月20日~7月17日の期間で、管理職531人を対象に「管理職意識調査」を行いました。本レポートでは、回答者のうち課長クラス以上の管理職の理想のリーダー像に焦点を当てた結果を公表します。
〈背景〉
近年、企業を取り巻く環境が急速に変化する中、管理職に求められる役割が多様化・高度化していると言われています。当社が今年実施した新入社員意識調査*で最も支持された理想の上司像は「間違いを指摘して正してくれる」管理職でした。では、実際に管理職を担う人々はどのような理想のリーダー像を思い描いているのでしょうか。
管理職が考える理想のリーダー像と自分自身のリーダーシップ発揮に影響を及ぼした経験を明らかにし、管理職がチームを導くためのヒントを探ります。
本調査では、管理職を役職や経験年数により3つのステージに分類して比較・分析し、より解像度の高い管理職の実態とその背景に迫ります。今回の結果が、管理職の育成に悩む経営層、人事担当者、さらには悩みを抱える管理職にとって、有益な情報となれば幸いです。
*新入社員意識調査2025(3933人が考える成長に必要なもの編)https://www.all-different.co.jp/topics/202506011
調査結果の概要
- 管理職の理想のリーダー像、新任・ベテランは「部下に寄り添い支えるリーダー」、幹部候補は「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」がトップ(図1)
- リーダーシップの発揮に【ポジティブな影響】を与えた経験、新任は「上司からのフィードバック」、ベテランは「顧客からのハードな欲求の対応」、幹部候補は「取引先との難しい交渉」がそれぞれ1位(図2)
- リーダーシップの発揮に【ネガティブな影響】を与えた経験、新任・ベテランは「プレーヤー業務のひっ迫による多忙」、幹部候補は「特になし」がそれぞれトップ(図3)

管理職の理想のリーダー像、新任・ベテランは「部下に寄り添い支えるリーダー」、幹部候補は「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」がトップ
初めに、課長クラス以上の管理職(以下「管理職」と記載)に、どのようなリーダー像が理想か質問をしました。
管理職のうち、1~3年目の課長クラスを「新任管理職」、4年目以上の課長クラスを「ベテラン管理職」、部長クラスを「幹部候補」と三つのステージに分類し、ステージ別に違いがあるか見ていきます。
新任管理職 | 1~3年目の課長クラス |
---|---|
ベテラン管理職 | 4年目以上の課長クラス |
幹部候補 | 部長クラス |
結果、新任管理職の上位は、「部下に寄り添い支えるリーダー」が32.4%、「目的達成のための道筋を立てるリーダー」が19.9%、「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」が14.7%となりました。「部下に寄り添い支えるリーダー」は他ステージより突出し、幹部候補の約3倍の回答割合となりました。
ベテラン管理職の上位は、「部下に寄り添い支えるリーダー」が22.0%、「目的達成のための道筋を立てるリーダー」が19.5%、「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」が17.9%でした。順位は新任管理職と同様でしたが、回答割合がより分散する結果となりました。
幹部候補の上位は、「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」が27.6%、「目的達成のための道筋を立てるリーダー」が24.5%、「目指すべき方針やビジョンを掲げるリーダー」が15.3%となりました。特に、「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」は、他ステージと比較して突出しました。
3つのステージを比較すると、「部下に寄り添い支えるリーダー」と「高いプレーヤー能力で部門をけん引するリーダー」は、ステージが上がるにつれて割合が低下する傾向が見られました。一方で、「強い責任感を持って部門の成果を創出するリーダー」と「目指すべき方針やビジョンを掲げるリーダー」はステージが上がるにつれて割合が上昇する傾向が見られました。(図1)

リーダーシップの発揮に【ポジティブな影響】を与えた経験、新任は「上司からのフィードバック」、ベテランは「顧客からのハードな欲求の対応」、幹部候補は「取引先との難しい交渉」がそれぞれ1位
次に、現在の管理職としてのあり方やリーダーシップの発揮に【ポジティブな影響】(成長につながった、自信を得たなど)を与えた経験はどのようなものだったか質問しました。各ステージの上位3つを抜粋して比較します。
新任管理職では、「直属の上司からのフィードバック」が最も高く29.4%、次いで「プレーヤー業務のひっ迫による多忙」と「上司の業務の代行」が同率で27.9%となりました。
ベテラン管理職では、「顧客からのハードな要求の対応」が34.1%、「取引先との難しい交渉」が33.3%、「部門横断のプロジェクトリーダーの経験」が26.8%と続きました。
幹部候補では、「取引先との難しい交渉」が46.9%、「顧客からのハードな要求の対応」が38.8%、「部門横断のプロジェクトリーダーの経験」と「全社に影響する重大なトラブルの対応」が同率で34.7%となりました。
ステージが上がるにつれ、「顧客からのハードな要求の対応」や「取引先との難しい交渉」、「部門横断のプロジェクトリーダーの経験」など、他部門・社外との連携経験がポジティブな影響を与える傾向が見られました。(図2)

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