【中堅社員の意識調査(ミドルキャリアの「壁」編)】中堅社員の最大の壁は知識・スキルの不安……不安感じる4人に1人が乗り越えられず| お知らせ |組織開発・人材育成
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2025.12.26 |NEW!
お知らせ プレスリリース
累計20,000社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は、10月に中堅社員*800人を対象に意識調査を行いました。本リリースでは中堅社員の不安(壁)や悩みについて分析した結果を公表いたします。
*本レポートでは、社会人5年目以上15年未満、役職に就いていない社員を指す。「ミドルキャリア」とも記載背景
業務推進の中核として欠かせない中堅社員。若手社員の「手本」として後輩育成を担い、さらに管理職と若手社員のコミュニケーションをつなぐ役割も果たしています。しかし、総務省の労働力調査では、全世代の労働者のうち、30代の占める割合は2007年から減少し続けており、人材の空洞化が生じている疑いがあります。
職場で果たす役割の幅が広く、また今後のリーダーとしての活躍が期待される中堅社員ですが、新入社員に比べて組織からの支援が薄くなる傾向があり、育成課題について正面から取り上げられる機会も少ないのが実情です。
そこで本調査では、中堅社員が職場でぶつかる「壁」に着目し、仕事においてどのような悩みを抱え、またその悩みをどのように乗り越えているのか、調査・分析に取り組みました。調査結果の概要
- ● ミドルキャリアの最大の壁は「知識・スキルの不安」。2位は「仕事の量が多い」(図1)
- ● 転職意向のあるミドルキャリア、58.5%が知識・スキルの不安あり。転職意向ない人よりも21.3pt高い(図2)
- ● スペシャリスト志向の70.7%が「知識・スキルの不安」を実感(図3)
- ● 非定型業務の機会「とてもよくある」ミドルキャリアの約7割が、知識・スキルの不安あり
非定型業務の機会「全くない」ミドルキャリアの約4割が、知識・スキルの不安ない(図4) - ● 「知識・スキルの不安」を感じるミドルキャリアの約4人に1人が「乗り越えられていない」(図5)
- ● 考察「不確実性の時代に、ミドルキャリアが柔軟に活躍するためには」
調査結果の詳細
1. ミドルキャリアの最大の壁は「知識・スキルの不安」。2位は「仕事の量が多い」
初めに、ミドルキャリアは現在どのようなことに困難や不安(壁)を感じているか調査しました。仕事や上司、キャリアや自分の成長など、9つの項目について質問しました。
*あるは「とてもよくある」「たまにある」の回答者の合計
結果、ミドルキャリアが最も壁を感じている項目は「自分の知識・スキルに不安を感じることがある*」で、42.9%が回答しました。次いで、「仕事の量が多いと感じることがある*」(38.8%)、「精神的に追い詰められたことがある*」(36.3%)が続きました(図1)。
2. 転職意向のあるミドルキャリア、58.5%が知識・スキルの不安あり。転職意向ない人よりも21.3pt高い
次に、知識・スキルの不安と転職意向の関係性を見ていきます。
*あるは「とてもよくある」「たまにある」の回答者の合計
転職意向がないミドルキャリアのうち、知識・スキルの不安を感じることがある*と回答した割合は37.2%となりました。
一方、転職意向があるミドルキャリアのうち、知識・スキルの不安を感じることがある*と回答した割合は58.5%となり、転職意向がないミドルキャリアに比べて21.3ポイント高い結果となりました(図2)。
3. スペシャリスト志向の70.7%が「知識・スキルの不安」を実感
キャリアの志向別に、知識・スキルの壁の感じ方を集計しました。
*あるは「とてもよくある」「たまにある」の回答者の合計
結果、「スペシャリストとして専門領域を極めたい」ミドルキャリアのうち、70.7%が知識・スキルの不安を感じることがある*と回答し、他のキャリア志向の回答者と比べて最も高い結果となりました。
「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」ミドルキャリアのうち、知識・スキルの不安を感じたことがある*と回答した割合は56.2%で、半数以上が回答しました(図3)。
4. 非定型業務の機会「とてもよくある」ミドルキャリアの約7割が、知識・スキルの不安あり
非定型業務の機会「全くない」ミドルキャリアの約4割が、知識・スキルの不安ない次に、今までの仕事の経験と、知識・スキルの壁の感じ方の関係を調べました。決まった手順やルールがなく、状況に応じて柔軟に対応する必要がある非定型業務の機会の頻度別に、知識・スキルの不安への感じ方を集計しました。
*あるは「とてもよくある」「たまにある」、ないは「あまりない」「全くない」の回答者の合計
非定型業務に関わる機会が「とてもある」ミドルキャリアのうち、知識・スキルの不安を感じることがある*と回答した割合は70.9%で、そのほかの群の中で最も高い割合になりました。
一方、非定型業務の機会が「全くない」ミドルキャリアのうち、知識・スキルの不安を感じることがない*と回答した割合は40.2%で、非定型業務の機会について「とてもよくある」「たまにある」「あまりない」と回答した群に比べて高くなりました(図4)。
5. 「知識・スキルの不安」感じるミドルキャリアの約4人に1人が「乗り越えられていない」
さらに、知識・スキルの不安を感じるミドルキャリアに、その状況を乗り越えられた要因を質問しました。
結果、「我慢・忍耐」が25.9%と最大の割合となりました。次に、「まだ乗り越えられていない」が25.7%と続き、約4人に1人が知識・スキルの壁を乗り越えられていないことがわかりました(図5)。
まとめ
ミドルキャリアが感じている困難や不安(壁)について調べたところ、「仕事量の多さ」や「この会社で働き続ける不安」を抑え、「自分の知識・スキルの不安」が最も高い割合であることがわかりました。
将来に対する考えや過去の経験によって知識・スキルに対する不安の感じ方が変わるのか、複数の切り口から分析しました。結果、転職意向のある人は、ない人に比べて知識・スキルの不安が高いことがわかりました。この結果からでは、転職で新しい環境や仕事に挑戦するために不安が高まるのか、知識・スキルの不安が高い人が転職する傾向にあるのかは断定できません。しかし、後者であれば知識・スキルの不安の解消がミドルキャリアの離職防止の糸口となる可能性があります。
さらに非定型業務の機会がある層とない層で比較したところ、非定型業務の機会がよくある層では知識・スキルの不安が「ある」と回答する割合が7割超となりました。一方、非定型業務の機会が全くない層では、知識・スキルの不安が「ある」と「全くない」が、それぞれ約4割という結果となりました。このことから「非定型業務」という難易度の高い業務に挑戦する機会があるからこそ、「今のままでよいのか」と自問するきっかけとなっている可能性が示唆されました。
最後に、知識・スキルの不安を乗り越えられた要因について質問したところ、「我慢・忍耐」がトップでした。次いで、「乗り越えられていない」が続きました。知識・スキルの不安は、ミドルキャリアが成長・活躍するための健全な危機意識から生じている可能性もありますが、その「壁」がキャリアの停滞や離職などの「崖」にならないよう、企業には組織的・体系的なサポートが望まれます。考察「不確実性の時代に、ミドルキャリアが柔軟に活躍するためには」
今回の調査では、ミドルキャリアが感じる最大の壁は「知識・スキルへの不安」であることが明らかになりました。特に、「スペシャリストを目指す人」や「キャリアがまだ決まっていない人」 ほど、不安を感じていることがわかりました。
また、業務経験においては、「非定型業務に挑戦している人」 ほど、不安を感じる結果となり、新たな挑戦をする機会があるからこそ抱く、健全な危機感とも捉えられます。
知識・スキルがミドルキャリアの最大の壁となる中、乗り越えた人がいる一方、「乗り越えられていない」と回答した人も少なくありません。特に、転職意向がある人やキャリアが不明確な人は「今の環境では知識・スキルが身につかないのではないか」と不安を抱いている可能性があり、注意が必要です。
また、「知識・スキルへの不安」の乗り越え方として「我慢・忍耐」がトップでした。これは、組織的な支援が十分ではないことが背景にあると考えられます。
不確実性の時代では、経験豊富なミドルキャリアであっても、常に知識・スキルの更新が不可欠です。環境が変化する中でもミドルキャリアが柔軟に活躍するためには、「自分の知識・スキルについての正しい気づきを得る機会」と「新しい知識・スキルを習得する機会」が必要です。ここでは、3つの具体策を挙げます。
① 正しい気づきを得る機会をつくる
まずは、本人が「今のままでよいのか」と考えるきっかけを持つことが重要です。例えば、非定型業務に取り組む機会を与えることで、定型業務だけでは気づきにくい、新しい知識・スキル習得の必要性を感じられるようになります。また、組織から期待されている役割と現状のギャップを明確に伝えるフィードバックも効果的です。
② 知識・スキルを習得する場を整える
気づきがあっても、学ぶ場がなければ不安は解消されません。期待されている役割(例:後輩指導や管理職の補佐など)を果たすために必要な知識・スキルの習得を企業が研修で支援することが求められます。研修受講そのものが「気づき」を促す場にもなります。
③ 組織としてミドルキャリアの成長を支援する姿勢を示す
ミドルキャリアの育成は、新入社員に比べて組織からの支援が薄くなる傾向があります。自分たちの成長が後回しにされていると感じると、不安が高まる可能性があります。そこで、経営層や管理職が「ミドルキャリアの成長を重視し、支援する」というメッセージを発信することで、不安の軽減に効果が生まれるでしょう。
知識・スキルの不安は成長のきっかけにもなりますが、放置すれば成長の停滞や離職につながるリスクがあります。組織として「あなたの成長を支援する」という姿勢を示し、環境や仕組みを整えることが重要です。
ALL DIFFERENT株式会社
事業開発推進本部 コンテンツマネジメント部 ユニットリーダー
宮澤 光輝(みやざわ・こうき)東京大学卒業後、ALL DIFFERENT (旧トーマツ イノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。コンサルタントと研修講師を兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。複数の全社プロジェクトでプロジェクトリーダーを担当。現在はサービスの企画・開発チームのリーダーとして、対面研修、オンライン研修などの新サービスの企画・開発、研修講師育成を担う。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、OJT指導者向け、管理職向けの研修を中心に年間100回以上実施。
調査概要
調査対象者 社会人5年目以上15年未満かつ管理職未満の社会人 調査時期 2025年10月6~7日 調査方法 調査会社によるインターネット調査 サンプル数 800人(社会人5年目115人、6年目115人、7年目115人、8年目115人、9年目115人、10年目115人、11~14年目110人) 属性 (1)業種
農業、林業 6人(0.8%)
漁業 1人(0.1%)
鉱業、採石業、砂利採取業 2人(0.3%)
建設業 49人(6.1%)
製造業 170人(21.3%)
電気・ガス・熱供給・水道業 10人(1.3%)
情報通信業 68人(8.5%)
運輸業、郵便業 27人(3.4%)
卸売業、小売業 64人(8.0%)
金融業、保険業 46人(5.8%)
不動産業、物品賃貸業 15人(1.9%)
学術研究、専門・技術サービス業 10人(1.3%)
宿泊業、飲食サービス業 9人(1.1%)
生活関連サービス業、娯楽業 9人(1.1%)
教育、学習支援業 41人(5.1%)
医療、福祉 164人(20.5%)
複合サービス事業 10人(1.3%)
サービス業、他に分類されないもの 42人(5.3%)
公務 57人(7.1%)
(2) 企業規模
1~50人 133人(16.6%)
51~100人 102人(12.8%)
101~300人 145人(18.1%)
301~1,000人 106人(13.3%)
1,001~5,000人 102人(12.8%)
5,001人以上 140人(17.5%)
わからない 72人(9.0%)
*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「中堅社員の意識調査(ミドルキャリアの「壁」編)」】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
ラーニングイノベーション総合研究所について
※記載されている社名、サービス名などの固有名詞は登録商標です。なお、本文および図表中において、必ずしも商標表示( (R)、TM )は付記していません。当社の研究機関、ラーニングイノベーション総合研究所🄬(以下、LI総研)は、「人と組織の未来創り🄬」に関する様々な調査・研究活動を行っております。
LI総研はデータに基づいた最適な解決策もご提供し、お客様の組織開発をサポートしております。ALL DIFFERENT株式会社について
当社は、組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業です。「真の未来創りの伴走者」として、人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用に至るまでの組織開発・人材育成の全領域を一貫してご支援しております。
代表取締役社長 眞﨑 大輔 本社所在地 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F 支社 関西支社、中部支社 人員数 328人(2025年4月1日時点) 事業 組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施 サービス 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」
ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」
IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」
管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」
人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」
転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほかURL https://www.all-different.co.jp/corporate
▼ALL DIFFERENT株式会社では事業拡大に伴い、
採用活動にも力を入れています。
新卒採用 https://newgraduates.all-different.co.jp/
中途採用 https://career.all-different.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先ALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社 企画グループ 加藤、冨田、宇佐美
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