中堅社員の意識調査(キャリア志向編)
中堅社員のキャリア志向3人に1人が「ない」と回答!
自律的キャリア形成のコツとは?
2025年4月2日
累計13,000社420万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り®」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所®は、2024年12月に社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員*1800人に対し意識調査を行いました。本レポートでは、中堅社員の「キャリア志向」に関して、調査・分析した結果を公表いたします。*1本レポートでは社会人5年目以降35歳未満の役職がついていない社員を指し、「ミドルキャリア」とも記載
〈背景〉
平均寿命が伸長し、人生における就労期間が長期化してきています。それに加え、少子高齢化、生産年齢人口の減少が深刻化し、長く活躍し続けることができる労働環境の整備が急務とされています。企業は、社員の長期化する就業生活をより充実させ、エンゲージメント高く働いてもらうために、働き方の多様化に適応した制度設計や、個人が主体的にキャリアを開発できるためのキャリア自律支援を重要視しています。このような背景の中、企業の動脈として活躍が必要不可欠である中堅社員は、ライフスステージの変化を迎え、働き方や仕事内容など、キャリアを見直す人が多い世代でもあります。そこで、中堅社員は今後のキャリアをどのように考えているか、キャリアへの考え方や志向にフォーカスし、レポートします。本調査結果が、社員のキャリア自律を強化したいと考える経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報になれば幸いです。
調査結果の概要
- ミドルキャリアのキャリア志向、半数以上が「志向なし・未定」
- 年次別のキャリア志向、社会人6年目と8年目が、キャリア志向のターニングポイントか
- 成長実感の機会が多いミドルキャリアは「マネジメント・スペシャリスト志向」が高く、
成長実感の機会が少ないミドルキャリアは「キャリア志向がない・未定」が高い - 勤続意向のある人は「マネジメント志向」「スペシャリスト志向」が高く、計約3割が回答
離職意向のある人は「キャリア志向がない・未定」と約6割超が回答 - 理想の職場の雰囲気・文化、キャリア志向別に異なる特徴あり
ミドルキャリアのキャリア志向、半数以上が「志向なし・未定」
社会人5年目以上の役職がついていない中堅社員(以下、「ミドルキャリア」と記載)に対して、今後のキャリアをどのように考えているか質問しました。
結果、最も回答が多かったのが、「特にキャリアについての志向はない」(35.5%)、次いで、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」(20.5%)でした。
キャリア志向がはっきりしている回答としては、「スペシャリストとして、専門領域を極めたい」が13.1%で最も高く、「マネジメントを行い、チームを統率したい」は8.0%、「独立したい」は4.8%でした。
キャリアが未定、または志向がない人(「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」「特にキャリアについての志向はない」の合算)は半数以上の結果となり、次期管理職や次期スペシャリストとして働きたい志向の人は、2割にとどまりました。(図1)

年次別のキャリア志向、社会人6年目と8年目が、キャリア志向のターニングポイントか
次に、ミドルキャリアのキャリア志向を、年次別に分析しました。
結果、マネジメント志向、スペシャリスト志向のミドルキャリアは、社会人5年目はそれぞれ3.7%、8.4%であったものの、社会人6年目はそれぞれ6.7%、14.3%と増加しました。その後は年次が上がってもあまり増える傾向はありませんでした。「役職にはつかず、メンバーとして働きたい」と回答したメンバーは、全年次15%~20%前後で推移していました。
「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」と回答したキャリア未定者は、社会人5年目から社会人8年目にかけて減少するものの、その後は年次が上がるにつれて、増加する傾向となりました。「特にキャリアについての志向はない」と回答したキャリア志向のない人は、社会人8年目から減少する傾向がみられました。
ミドルキャリアは、社会人6年目と8年目がキャリアに関するターニングポイントの可能性が推察できると同時に、年次が上がってもキャリアへの考えが揺らいでいる実態も垣間見えました。(図2)

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