「男性中心の職場文化」の影響を最も強く受けるのは誰か?
2017年4月27日
女性の働くこととの相性の良さは目標達成度にも表れる
これまでのレポートで、女性活躍推進のポイントは「男性中心の職場文化を見直すこと」であることをお伝えしてきました。
働く女性は男性と比べて「長く仕事を続けたい」と思っており、実務担当者時代には「大変でもやりがいのある仕事をすることを重視」しています。そしてリーダーになれば男性リーダーよりも「しなやかな職場をつくる」ことに長けています。女性管理職の目標達成度(63%)は男性管理職(54%)よりも高く(t検定、統計的有意差あり)、多くの女性管理職が「なってよかった」「後輩にも薦めたい」と思っています。

これほど仕事や働くこととの相性がいい女性、その女性の気持ちを萎えさせ、離職してしまう、あるいは昇進を諦めてしまう女性を生み出してしまう原因は、「男性同士で働くことを好む」「仕事の割り振りや評価面で男性が優遇されている」「残業をした人が評価される」といった男性中心の職場文化なのです。
では、男性中心の職場文化の影響を最も強く受けているのは誰でしょうか。
「職場ぐるみ働き方見直し」のキーはワーキングマザー
調査結果を様々な角度から分析した結果、統計的に有意な差が表れた属性がありました。働く女性の中でも、小さなお子さんがいる(第一子が小学生以下で子育て期にある女性、以下ワーキングマザー)かいない(ワーキングウーマン)かの違いがその属性に当たります。この属性別で調査結果を見てみると、「仕事の割り振りや評価の面で男性の方が優遇されていた」「職場には、残業した人が評価される雰囲気がある」という項目について、それぞれワーキングウーマンよりもワーキングマザーの方が高い回答となりました(t検定、統計的有意差あり)。ワーキングマザーの方が、ワーキングウーマンよりも、職場の雰囲気に関してネガティブな評価を行っていることがわかりました。

ワーキングマザーがワーキングウーマンと大きく異なるのは、「自分でコントロールできない時間が多い」という点です。保育園の送り迎えはもちろん、子どもがまだ1歳程度であれば夜中の授乳やおむつ交換も頻繁にあり、少し大きくなっても急な発熱や学校行事などがあります。これらは、子育てをできる人が実質的に親および家族に限られるために「仕事が長引いたのでその分だけ対応が遅れる」ということが許されないケースがほとんどです。つまり、例えば残業についての選択肢は「してもいいか、したくないか」ではなく、「できない」という一択となるのです。
そこで、本プロジェクトでは5,402名の本調査に加えて、ワーキングマザーを中心とした2,000名に追加調査を実施いたしました。追加調査は、本調査から導かれた「職場ぐるみで働き方を見直す」という方向性について、より具体的な方法論を導き出すことが目的です。対象は共働きのワーキングマザー(第一子が小学校以下)、ワーキングマザーの配偶者またはパートナー、ワーキングマザーを部下に持つ管理職、ワーキングマザーが職場にいる一般社員の4つのセグメントで、それぞれ500名ずつの回答を得ました。

同じ質問項目に対して、ワーキングマザー、管理職、職場メンバー(一般社員)、ワーキングマザーの配偶者(パートナ)は、どのような回答を行うのか? その意識のズレが興味深いところです。
いよいよ本番が迫ってきました第2回 人材育成イノベーションフォーラムでは、本調査に加えて、この追加調査の結果も加えてお伝えいたします。どうぞご期待ください。
【調査概要】
| 調査対象者 | 企業に勤める管理職・リーダー・実務担当者
|
||||
|---|---|---|---|---|---|
| 回答者数 | 管理職 | リーダー | 実務担当者 | 合計 | |
| 男性 | 1,575 | 799 | 1,300 | 3,674 | |
| 女性 | 369 | 344 | 1,015 | 1,728 | |
| 合計 | 1,944 | 1,143 | 2,315 | 5,402 | |
| 調査方法 | 自記式アンケート調査 | ||||
| 調査期間 | 2016年9月~12月 | ||||
| 調査内容 | 各層ともに、キャリアおよび仕事に対する意識と行動、 また会社の制度や環境、職場文化など長く働くことに関する全般について、 「現在どうか」および「過去のある時点でどうだったか」を調査 |
||||
※ 調査結果を引用・転載する場合には出典を記載してください。
【出典記入例】
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:本調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:追加調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
調査・研究 一覧
-
2026年6月16日 新入社員意識調査(働く価値観)
26年卒新入社員の“仕事で成し遂げたいこと”、「自身の成長」が10年間で過去最低
「スキルの可視化」と「期待の言語化」で新入社員の主体性引き出す -
2026年5月12日 ビジネスパーソン1200人調査(働き方の価値観の変化)
“理想の働き方”妨げる壁「業務過多・人手不足」1位
全社員のバイタルスキル®の底上げで生産性向上の基盤を築く -
2026年4月27日 入社直前意識調査(これからの成長・キャリア編)
26卒新入社員の最大の期待は「学びと成長」
新人が安心して学び、成長できる3つの支援ポイント -
2026年4月13日 入社直前意識調査(AI活用編)
2026年度新入社員の8割超が生成AIを活用
「AIで成果創出」人材を育成するカギは思考力を深める経験の設計 -
2026年4月6日 入社直前意識調査(理想の社会人編)
2026年度新入社員 理想の仕事スタイル「安定重視」がトップ
新人にこそ求めたい「挑戦重視」は約1割



