製造業編:この10年で社員の"役割"はどう変わった?
大規模調査をもとに、管理職と一般社員に求められることの変化を分析しました
2022年3月30日
製造業の6割が"役割の変化"を実感
今回の調査は、2021年10月11日~12月13日にかけて実施。一般社員から管理職、役員・経営者まで、様々な立場のビジネスパーソン5,099人にご協力いただき、製造業からは758人にご回答いただきました。
本レポートでは、課長・部長・経営層・役員クラスを「管理職」、係長・主任クラスまでを「一般社員」と位置付け、製造業における管理職像の変化や一般社員に求められることの変化、また製造業の特徴などを明らかにしていきます。
まず、製造業界のビジネスパーソンが実際に自分たちの役割の変化を感じているのか、その実態から確認してみましょう。10年前と現在を比較し、管理職や一般社員に求められることは変わったのかを尋ねたところ、59.7%が「管理職像の変化」を感じ、また62.7%が「一般社員への期待の変化」を感じていることが明らかになりました(図1・図2)。前回のレポートで紹介した情報通信業と比べ、製造業では変化を実感しているビジネスパーソンが多いようです。

コンプライアンスへの意識と意思決定のあり方が大きく変化?
では、約6割が自身の役割や上司・部下に求められる役割の変化を実感する中、実際にはどのような変化が起こっているのでしょうか。まずは、管理職像の変化から見ていきます。10年前に求められていた管理職像について尋ねたところ、「トップダウンで物事を進める(77.1%)」が最も多く、次いで「部下に自分の模倣を求める(62.5%)」「前例を踏襲する(57.4%)」となりました(図3)。
一方、現在求められている管理職像は、「コンプライアンスやモラルを重視する(82.8%)」「時間内で効率的に終わらせる(79.5%)」「自ら何をすべきかを定義し、遂行する(72.9%)」となりました。
この中で、特に大きく変化したのがコンプライアンスやモラルへの意識と意思決定のあり方です。ハラスメントに対する世の中の関心が高まっていることもあり、「コンプライアンスやモラルを重視する」は10年前から73.5ポイント増加。また、意思決定のあり方については、「トップダウンで物事を進める」が56.9ポイント減少し、その裏返しでもある「ボトムアップで物事を進める」は55.1ポイント増加しました。
ただし、他業種(製造業を除く全業種)との違いという視点で見ると、製造業では現在求められている管理職像として「企業利益を重視する」「トップダウンで物事を進める」といった項目を選ぶ割合が高く、"従来型"の管理職像も求められる傾向にあることがわかりました。

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