社会人2~4年目社員の意識調査(リーダーシップ発揮経験と直面する壁)
リーダー経験が壁を前向きに捉える力に影響あり! リーダーシップを発揮できる環境整備が若手社員の成長のカギ

2024年1月22日

調査・研究

2023年8月2日~8月7日の期間、社会2年目~4年目の900名を対象に「若手社員の意識調査」を行いました。本調査レポートでは、リーダーシップを発揮した経験のあり、なしと、直面する壁やその捉え方の関係性を調査しました。

背景

コロナ禍をきっかけにデジタル化や働き方改革が急速に促進され、ビジネスパーソンに求められるスキルが大きく変わってきています。当社で実施した調査*1によると、10年前一般社員に期待されていたことは、上司や先輩の指示に従い、定型業務を正確かつ素早くこなすことでした。しかし、現在は、非定型やプロジェクト型の業務において、チームで成果を上げることや、自ら現場で判断し行動することも期待されるようになりました。このような大きな変革の渦中において、若手社員はどのような知識やスキルを身につけたらよいのでしょうか。

2022年秋に当社が人事担当者へ、入社2~4年目の若手社員の課題を質問したところ*2、ビジネスマナーなどの基礎的なビジネススキルをおさえ、「主体性・積極性」への課題をあげる声が最も多く挙がる結果となりました。このことから、若手社員にも主体的に自ら動き、職場やチームの目標を達成するために貢献すること、すなわち「リーダーシップ力*3」が求められていることがわかります。

そこで今回、当社ではリーダーシップを発揮した経験のあり、なしが、若手社員が直面する壁やその捉え方にどのような違いをもたらしているのかを調査しました。本調査の結果が、若手社員の育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、若手社員の育成施策を考える上での、有益な情報になれば幸いです。

調査結果の概要

  • ●  リーダーシップの発揮経験が「ある」若手社員は、
    「ない」若手社員よりも全項目で壁を実感する割合が高い

  • ●  仕事の難しさの壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『成長機会』と捉え、
    「ない」若手社員は『不安』と捉える

  • ●  仕事の量の壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『期待に応えよう』と感じ、
    「ない」若手社員は『大変』と感じる

  • ●  仕事の飽きの壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『期待に応えよう』と感じ、
    「ない」若手社員は『我慢・不満・辞めたい』と感じる

  • ●  上司との人間関係で苦労した壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『期待に応えよう』と感じる割合が最大となり、
    「ない」若手社員より20.8ポイント高い結果に

  • ●  後輩との人間関係で苦労した壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『期待に応えよう』『不安』と感じる割合が、
    「ない」若手社員は『不満』と感じる割合が最大に

  • ●  まとめ・考察

1. リーダーシップの発揮経験が「ある」若手社員は、「ない」若手社員 よりも全項目で壁を実感する割合が高い

今回の調査結果では、社会人2~4年目の若手社員が、社会に出てからリーダーシップを発揮した経験と、仕事や上司、キャリアや自分の成長などで直面する困難な壁が、どのように関係しているか調査・分析しました。

まずは、社会人になりリーダーシップを発揮した経験が『ある』若手社員(以下、「リーダーシップ発揮経験あり社員」と記載)がどのような壁を感じているか見ていきましょう。

リーダーシップ発揮経験あり社員の最も高い壁となった項目は「仕事を進める上で仕事が難しい・求められる役割が高すぎると感じることがある」で、66.4%となりました。次に「仕事の量が多いと感じることがある」が64.1%、「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」が61.4%と続きました。「後輩との人間関係への苦労」と「仕事が簡単・求められる役割が低い」という壁以外は、半数以上が壁に直面していることがわかりました。(図1)

(図1)

次に、社会人になりリーダーシップを発揮した経験が「ない」若手社員(以下、「リーダーシップ発揮経験なし社員」と記載)の結果をみると、全体的に(図1)のリーダーシップ発揮経験あり社員よりも壁に直面している割合が低いことがわかります。その中でも最も高い壁は「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」が39.0%となりました。(図2)

(図2)

2. 仕事の難しさの壁、リーダーシップ発揮経験が「ある」若手社員は『成長機会』と捉え、「ない」若手社員は『不安』と捉える

ここからは、若手社員がそれぞれの「壁」をどのように捉えたのか、リーダーシップ発揮経験のあり、なしでその傾向の違いを分析していきます。

まず初めに『仕事が難しい・求められる役割が高い』という壁の捉え方を見ていきましょう。結果、リーダーシップ発揮経験あり社員は「成長の機会と感じた」と回答する割合が27.7%と最も高いことがわかりました。一方、リーダーシップ発揮経験なし社員は「不安に感じた」と回答する割合が39.7%と最も高くなりました。

リーダーシップ発揮経験あり、なしの差を比較すると、リーダーシップ発揮経験あり社員は、なし社員に比べ、「この経験を楽しもうと感じた」が14.4ポイント高くなりました。一方、リーダーシップ発揮経験なし社員は、あり社員に比べ「不安に感じた」が14.0ポイント、「会社を辞めたくなった」は11.9ポイント高くなりました。 (図3)

(図3)

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