【新入社員意識調査2025】情報通信業の新入社員は”成長意欲高い傾向” 働き続けたい会社の文化「成長・スキルアップ支援」が他業種よりも約10ポイント高い| ニュースリリース |組織開発・人材育成

【新入社員意識調査2025】情報通信業の新入社員は”成長意欲高い傾向” 働き続けたい会社の文化「成長・スキルアップ支援」が他業種よりも約10ポイント高い

累計20,000社450万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および「人と組織の未来創り🄬」に関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所🄬は、3月25日~4月24日の期間で、2025年度新入社員を対象に「新入社員意識調査」を行いました。本リリースでは卸売業・小売業の新入社員の仕事に対する考え方などについて調査・分析した結果を公表いたします。

〈背景〉

AIやクラウド技術の発展が目まぐるしい情報通信業。今後、SoR型の領域から、SoE型システムの実現の比重が高まり、平均的な技術的知見やスキルだけでなく、新たな技術に対応して高付加価値を生み出すIT人材が求められると予想されています。仕事の高度化が予測される情報通信業へ入社した新入社員は、仕事に対してどのような想いをもって入社を決めたのでしょうか。本レポートでは、情報通信業の新入社員に特化した調査レポートを公表いたします。

調査結果の概要

  • ● 「キャリア志向ない」が「管理職志向」を押さえ、7年間調査で初のトップ
  • ● 72.5%が「できれば今の会社で働き続けたい」と回答、7年間で過去最高の結果に
  • ● 今の会社で働き続けたい条件、トップは「職場の人間関係が良い」で約7割が回答
  • ● 将来担いたい役割「専門家」が34.4%でトップ、他業種より約10ポイント高い
  • ● 会社に期待するキャリア形成支援「上司に相談できる機会」が52.9%で1位
  • ● 今後取り組みたい仕事「自身の成長につながる仕事」「自分のペースでやり切れる仕事」が
    他業種より8.2ポイント、10.3ポイント高い
  • ● 自分が成長するために必要なもの1位「成功体験」
  • ● キャリアアップにつながる理想の上司「間違いを指摘して正してくれる」が約6割トップ
  • 考察「ITの進化に負けない 新入社員の成長意欲促進サポート」
概要

調査結果の詳細

1. 入社を決めた理由「志望業界だったから」42.3%でトップ、他業種より6ポイント以上高い

本調査では、情報通信業の新入社員の特徴を探るべく、情報通信業の新入社員と、情報通信業を除く全業種(以下、他業種と記載)の新入社員の回答結果を比較します。

初めに、2025年度に入社した情報通信業の新入社員に対し、就職先へ入社を決めた理由を質問しました。

結果、「志望業界だったから」が42.3%とトップの回答となり、他業種より6.5ポイント高い割合となりました。次いで「仕事内容が合っていたから」が16.9%、「社員が魅力的だったから」が14.4%と続きました。この結果から、IT業界への興味関心が強い新入社員が、情報通信業へ入社していることが推察できます(図1)。

図1

2. 将来担いたい役割「専門家」が34.4%でトップ、他業種より約10ポイント高い

次に、情報通信業の新入社員が将来会社で担いたい役割について質問しました。

結果、「専門性を極め、プロフェッショナルとしての道を進みたい(専門家)」が34.4%で最も高い割合となりました。これは、他業種より9.3ポイント高い割合となりました。続いて、「組織を率いるリーダーとなり、マネジメントを行いたい(管理職)」が23.8%、「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」が22.3%、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」が18.6%という結果となりました。「まだはっきりしておらず、今後決めていきたい」、「特にキャリアについての志向はなく、楽しく仕事をしていたい」の結果については、他業種よりそれぞれ1.5ポイント、6.0ポイント低く、明確なキャリア志向を持っている割合が高いことがわかりました(図2)。

図2

3. 会社に期待するキャリア形成支援「上司に相談できる機会」が52.9%で1位

専門家志向の割合が高い情報通信業の新入社員ですが、キャリア形成について会社に期待する支援は何か質問しました。

結果、「上司に相談できる機会をつくってほしい」が52.9%とトップになりました。次いで、「キャリア形成についてのセミナーや勉強会などを開催してほしい」が43.6%、「上司以外の社員に相談できる機会をつくってほしい」が31.2%という結果になりました。

他業種と大きな違いがあった項目は「キャリア形成についてのセミナーや勉強会などを開催してほしい」で、他業種より8.6ポイント高いという特徴がありました(図3)。

図3

4. 今後取り組みたい仕事「自身の成長につながる仕事」「自分のペースでやり切れる仕事」が他業種より8.2ポイント、10.3ポイント高い

次に、今後どのような仕事をしていきたいか質問しました。

結果、64.9%が「楽しくてやりがいのある仕事」と回答し、他業種より5.3ポイント低いものの1位となりました。次に、「自身の成長につながる仕事」「自分のペースでやり切れる仕事」が、それぞれ47.8%、40.2%と続き、他業種よりそれぞれ8.2ポイント、10.3ポイント高い結果となりました(図4)。

図4

5. 20代の時間の使い方「自己投資」と回答する傾向あり 「仕事とプライベート優先」は他業種より8ポイント以上低い

次に、20代の時間の使い方として自身の考えに近いものはどれか質問しました。結果、「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」が21.3%で1位となりました。他業種との差を見ると、「自己投資とプライベート優先」(14.9%)、「自己投資優先」(12.1%)で、それぞれ6.1ポイント、3.7ポイント他業種よりも高いことがわかりました。一方で、「仕事とプライベート優先」は19.9%で、他業種より8.5ポイント低い結果となりました(図5)。

図5

6. 社会人1年目で身につけたいスキル「ビジネスマナー」が7割以上で1位 「情報セキュリティ」「デジタルスキル」への関心も他業種より高い傾向

次に、社会人1年目で身につけたいスキルは何か質問しました。

結果、「ビジネスマナー」が70.9%で突出しました。次いで、「専門スキル(技術・営業・会計・人事等)」が39.5%、「論理的思考力」が30.7%という結果となりました。

情報通信業の新入社員の傾向として、「情報セキュリティ(情報やSNS等の取り扱いに関するスキル)・コンプライアンス等」が他業種より16.3ポイント高く22.7%、「デジタルスキル(DXに関する基本的な知識やOAスキル等)」が他業種より9.0ポイント高く21.3%となりました(図6)。

図6

7. 自分が成長するために必要なもの1位「成功体験」、「振り返り」は他業種より約10ポイント高い

次に、自分が成長するために必要なものは何だと思うか質問しました。

結果、「仕事を通じた成功体験」が67.0%で1位となりました。次いで、「仕事を通じた失敗体験」が57.2%、「上司や先輩からの事後のフィードバック」が55.1%という結果となりました。

他業種と大きな違いがあった項目は「振り返りの習慣」で、他業種より1割近く高い47.5%となりました(図7)。

図7

8. キャリアアップにつながる理想の上司「間違いを指摘して正してくれる」が約6割トップ

次に、情報通信業の新入社員が考える、自分のキャリアアップにつながる理想の上司はどんな上司か質問しました。

結果、「間違いを指摘して正してくれる」が58.9%で1位となりました。次いで、「仕事やキャリアの悩みを相談できる」が45.2%、「具体的に手順を細かく教えてくれる」が40.9%という結果となりました。「仕事やキャリアの悩みを相談できる」については、他業種より5.9ポイント高い結果となりました(図8)。

図8

9. 働き続けたいと思う雰囲気・文化「協力しチームワークを重視」が7割超でダントツ

最後に、どんな雰囲気・文化の会社だと、長く働きたいと思うか質問しました。

結果、「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化がある」が70.5%で突出して1位となりました。次いで、「多様な考え方や働き方を尊重する文化がある」が36.6%、「学ぶことや自己成長、スキルアップを支援する文化がある」が31.9%という結果となりました。

他業種とより割合が高くなった項目は、「学ぶことや自己成長、スキルアップを支援する文化がある」、「多様な考え方や働き方を尊重する文化がある」となり、それぞれ9.9ポイント、6.9ポイント高い結果となりました(図9)。

図9

まとめ

本調査より、2025年度に情報通信業へ入社した新入社員は、他業種と比べると成長意欲が高い傾向が見られました。

入社を決めた理由は、「志望業界だったから」がトップとなり、将来担いたい役割は「専門家」と回答した割合が他業種より高いことから、情報通信業界でのキャリアを入社前からある程度はイメージできていることが推察できます。今後取り組みたい仕事においては、「楽しくてやりがいのある仕事」がトップで、「自身の成長につながる仕事」「自分のペースでやり切れる仕事」は他業種よりも高い割合で選択されました。また、20代の時間の使い方は「自己投資」に使いたいという傾向も見られ、自身の成長に対する意欲があることが推察できます。

社会人1年目で身につけたいスキルは、「ビジネスマナー」が7割以上で1位、その他「情報セキュリティ」、「デジタルスキル」への関心も他業種より高い傾向が見られ、専門知識に対する興味関心が高く、知識のインプットに前向きであることが考えられます。

そんな彼らが、自分が成長するために必要なものは「成功体験」、キャリアアップにつながる理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる」、必要なキャリア形成支援は「上司への相談の機会」がそれぞれ1位となり、周囲のフィードバックを受けながら一歩一歩成長し、キャリアを実現していきたいという想いが垣間見えました。

最後に、働き続けたいと思う会社の雰囲気・文化では「協力し合い、チームワークを重視する文化」がダントツとなり、一人でコツコツと成長していくのではなく、変化が激しく見通しのききにくい不確実性の時代を会社のメンバーと支え合い、研鑽(けんさん)しながら成長していきたいという意向が読み取れました。

専門家による考察「ITの進化に負けない 新入社員の成長意欲促進サポート」

Beyond 5G、AI、IoT、ロボット、XR、メタバースなど、情報通信技術は日々進化しており、業界全体の売上高も増加傾向にあります。一方で、急速な技術進展に対して人材の供給が追いつかず、ITエンジニア不足が深刻な課題とされています。そのため、情報通信企業は理系出身者に限らず、文系出身者の採用にも積極的に取り組む姿勢が強まっており、そうした様々な人材の即戦力化が課題となっています。

本調査より、情報通信業界に入社した新入社員は成長意欲が高い傾向にあることがわかりました。特に業界への志望度が高く、専門家志向の割合も高いことから、自身の成長やキャリアアップのイメージを他業種の新入社員よりも具体的に描いている様子がうかがえます。

一方で、技術の高度化と文系出身者の積極採用が進む中、入社後の環境に適応する過程においてつまずきに注意が必要です。例えば、学生時代に専門スキルの学習をしていない新入社員(特に文系出身者)は、入社後に大量の知識をインプットする必要があり、理解が追いつかず、自信を失いがちです。その結果、学習意欲の低下や業務への不安につながる可能性も否定できません。一方、プログラミングなどの専門スキルの学習を積んできた新入社員(特に理系出身者)は、同期の中で優位な立場からスタートするため、自己評価が高くなりがちです。その結果、学習習慣や内省習慣が身につかず、成長のペースが緩やかになる場合も見受けられます。

新入社員の入社後のつまずきを解消し、成長意欲を後押しするためには、以下のような支援策が有効です。

1. 社会人としての土台づくり
バックグラウンドが異なる人材と協働するためには、専門スキルに加え、バイタルスキル🄬(成長、成果に不可欠なビジネスにおける根幹ビジネススキル)の習得が不可欠です。企業は専門性を高める育成と並行して、バイタルスキル🄬の習得を支援する体制を整える必要があります。一度専門スキル偏重の考え方で育ってしまうと成長の頭打ちがすぐに訪れる可能性があります。そのため、バイタルスキル🄬の習得支援は、極力早く実施することをおすすめします。

2. 業務やキャリアについて相談できる機会の設定
新入社員はプロジェクトの下流業務を担当することが多く、未経験者は「初歩的な質問をして呆れられないか」と不安を抱き、質問を躊躇(ちゅうちょ)してしまう傾向があります。一方経験者は、希望していた業務とのギャップに不満を感じやすくなります。このような状況に対して、新入社員が業務やキャリアについて相談できる機会を定期的に設けることが重要です。

3. プロジェクトアサイン時の目的・意義の明確化
新入社員はプロジェクトに途中から参画するケースが多く、プロジェクト内の言語化されていない知識(暗黙知)の理解に苦労することがあります。そのため、プロジェクトアサイン時には、プロジェクトや業務の目的・目標・期待・理由などを明確に伝えるとよいでしょう。



ALL DIFFERENT株式会社
組織開発コンサルティング本部
IT業グループ グループリーダー 兼 シニアマネジャー
吉田 圭輔(よしだ・けいすけ)

愛知県名古屋市出身。人材育成に関心を持ちALL DIFFERENT株式会社に入社。中部エリアでチーフ・ユニットリーダー・副支社長を歴任し、現在は東京本社でマネジャーとして、業績管理やコンサルタント育成、営業企画推進、本社採用面接官を務める。コンサルタントとして幅広い業界の中堅~大企業への豊富な支援実績を持ち、中期経営計画や人事評価制度、教育体系の策定を支援しながら、講師として中堅~管理職、経営層向けのマネジメント研修に現在も年100回以上登壇している。

調査概要

調査対象者 当社が提供する新入社員研修に参加した 2025年入社の新入社員
調査時期 2025年3月25日~2025年4月24日
調査方法 Web・マークシート記入式、または自記式でのアンケート調査
サンプル数 3,933人
属性 (1)業種
農業,林業 8人(0.2%)
鉱業,採石業,砂利採取業 4人(0.1%)
建設業 245人(6.2%)
製造業 580人(14.7%)
電気・ガス・熱供給・水道業 59人(1.5%)
情報通信業 828人(21.1%)
運輸業,郵便業 85人(2.2%)
卸売業,小売業 262人(6.7%)
金融業,保険業 259人(6.6%)
不動産業,物品賃貸業 162人(4.1%)
学術研究,専門・技術サービス業 217人(5.5%)
宿泊業,飲食サービス業  34人(0.9%)
生活関連サービス業,娯楽業 95人(2.4%)
教育,学習支援業 38人(1.0%)
医療,福祉 61人(1.6%)
複合サービス事業 138人(3.5%)
サービス業(他に分類されないもの) 350人(8.9%)
公務 3人(0.1%)
その他 401人(10.2%)
分からない 101人(2.6%)
BLANK 3人(0.1%)

(2)企業規模
50人以下企業 201人(5.1%)
51人~100人企業 567人(14.4%)
101人~300人企業 1389人(35.3%)
301人~1,000人企業 590人(15.0%)
1,001人~5,000人企業 660人(16.8%)
5,001人以上企業 305人(7.8%)
わからない  217人(5.5%)
BLANK 4人(0.1%)

*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「新入社員意識調査2025(業界別:情報通信業編)」】と明記ください

*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています

*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます

ラーニングイノベーション総合研究所について

当社の研究機関、ラーニングイノベーション総合研究所🄬(以下、LI総研)は、「人と組織の未来創り🄬」に関する様々な調査・研究活動を行っております。
LI総研はデータに基づいた最適な解決策もご提供し、お客様の組織開発をサポートしております。

ALL DIFFERENT株式会社について

当社は、組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業です。「真の未来創りの伴走者」として、人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用に至るまでの組織開発・人材育成の全領域を一貫してご支援しております。

代表取締役社長 眞﨑 大輔
本社所在地 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F
支社 関西支社、中部支社
人員数 328人(2025年4月1日時点)
事業 組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施
サービス 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」
ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」
IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/デジタルスキル習得支援サービス「DX CAMPUS」
管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」
人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」
転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほか
URL https://www.all-different.co.jp/corporate

▼ALL DIFFERENT株式会社では事業拡大に伴い、採用活動にも力を入れています。
新卒採用 https://newgraduates.all-different.co.jp/
中途採用 https://career.all-different.co.jp/
※記載されている社名、サービス名などの固有名詞は登録商標です。なお、本文および図表中において、必ずしも商標表示( (R)、TM )は付記していません。
本件に関するお問い合わせ先
ALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社 企画グループ 加藤、冨田、宇佐美
Mail:ad-press@all-different.co.jp Tel:03-5222-5111(代表) 080-4073-0257(加藤)

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