女性管理職は「幸せ」なのか?
2017年3月10日
女性は管理職になりたくない?
過去に公表されている調査データからは、「女性は管理職になりたくないと思っている」という結果が多く見受けられます。インターネットで検索してみても、「管理職になりたくない、興味がない/82%」(PRESIDNT Online)、「管理職になりたくない女性が75.6%」(パーソル総合研究所)、「管理職になりたいと思う女性は2割に満たない」(ソニー生命保険)といった具合で、概ね8割程度の働く女性が「管理職になりたいとは思っていない」という結果が示されています。
理由としては「家庭と仕事の両立が難しい」「責任が重くなるのがいや」「実質の給料は下がる」「職場の管理職に女性がいない/魅力的じゃない」などが挙げられ、管理職に対して決していいイメージを持っていないのが原因のようです。
どうやら働く女性にとって、「管理職になることは貧乏くじを引くことである」とでも見らているようです。このままでは「2020年に30%の女性管理職」という政府の掲げる目標は達成できそうにありません。では、当の本人(現在管理職の立場にある女性)はどう思っているのでしょうか?
女性管理職は不幸?

現在管理職の立場にある女性に対して「管理職になってよかったか?」と聞いたところ、「そう思う」「ややそう思う」と回答した人が71%にも上りました。「どちらともいえない」という人を除くと、「そう思わない」「あまりそう思わない」という人はわずかの7%で、この割合は男性管理職に聞いた場合と差がありませんでした(「そう思う・ややそう思う」72%、「そう思わない・あまりそう思わない」6%)。
また管理職の手前、リーダーの立場にある女性に同様の質問「リーダーになってよかったか?」をしたところ74%が「そう思う・ややそう思う」と回答、これは男性(67%)と比べても高い結果となりました(t検定、統計的有意差あり)。

さらに、「管理職になることを後輩などに薦めたいか?」という質問に対しては約6割(58%)の女性が「そう思う・ややそう思う」と回答しました。薦める相手のことも考えてか「どちらともいえない」という人が33%と目立ちますが、男性も同様の傾向(「そう思う・ややそう思う」62%、「どちらともいえない」30%)で、統計的な差は見られませんでした。
これらの結果から、女性にとって管理職は決して「貧乏くじ」などではなく、「なってみないと分からないハッピーなポジション」であると言えます。
せっかく本人はハッピーを感じているにも関わらず、部下からは必ずしもそのように見られていない女性管理職。この状況を打破し、女性管理職の喜びの声が働く女性に届くようにするためには何が必要なのでしょうか。今後、別のデータを使って解き明かしていきたいと思います。
【調査概要】
| 調査対象者 | 企業に勤める管理職・リーダー・実務担当者
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|---|---|---|---|---|---|
| 回答者数 | 管理職 | リーダー | 実務担当者 | 合計 | |
| 男性 | 1,575 | 799 | 1,300 | 3,674 | |
| 女性 | 369 | 344 | 1,015 | 1,728 | |
| 合計 | 1,944 | 1,143 | 2,315 | 5,402 | |
| 調査方法 | 自記式アンケート調査 | ||||
| 調査期間 | 2016年9月~12月 | ||||
| 調査内容 | 各層ともに、キャリアおよび仕事に対する意識と行動、 また会社の制度や環境、職場文化など長く働くことに関する全般について、 「現在どうか」および「過去のある時点でどうだったか」を調査 |
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※ 調査結果を引用・転載する場合には出典を記載してください。
【出典記入例】
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:本調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
- 出典:トーマツ イノベーション(現・ALL DIFFERENT)×中原淳 女性活躍推進研究プロジェクト (2017)「女性の働くを科学する:追加調査」(https://www.all-different.co.jp/npro/2017/)
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