内定者意識調査
内定者の8割以上が「不安・心配」な気持ちを抱えている中、「期待感」は昨年よりも24.3pt増加。期待と不安が交差する結果に!両方の気持ちに寄り添うサポートが必要
2022年12月15日
背景
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて低迷していた企業の採用活動は、経済再開や人手不足を受けて回復しつつあります。日本経済新聞社の2023年度の採用状況調査*1によると、主要企業の大卒内定者(23年春入社)は22年春入社数と比べて5.7%増え、4年ぶりに増加したという結果も出ています。また同調査によると、採用計画に対する内定者の充足率(内定者数/募集人数)は過去10年で最低となるなど、人材の獲得競争は激しさを増し争奪戦が今後も続いていくでしょう。一方で、人材獲得だけではなく、若手社員の早期離職も近年問題視されています。当社の実施した調査*2でも、新入社員の約3割が入社半年も経たない中で離職を検討しており、若手社員の早期離職は経営課題のひとつとして多くの企業が対策をとり始めています。このような状況下で、新入社員が最初に直面する壁ともいえる、学生から社会人になるトランジション(移行期)のタイミングに、企業側はどのようなサポートをするべきか明らかにすべく、本調査では2023年度に入社する内定者に向けて、意識調査を実施しました。調査結果が新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。(*1*2まとめ参照)
調査結果の概要
- ●「不安・心配な気持ち」を抱えている内定者が初の8割超。一方で「期待感」は昨年よりも2割以上増加
- ● 内定者の約7割が「自分の能力」に不安。上司との関係や職場風土を上回る
- ● 社会人になるにあたり、「自身が成長する」「新しい経験」に期待を感じている内定者が約7割
- ●「この会社で頑張ろう!」という気持ちが100%の内定者は約半数
- ●「この会社で頑張ろう!」という気持ち、100%の人と100%以外の人で
「不安」や「会社に求めるサポート」で意識差あり

1.「不安・心配な気持ち」を抱えている内定者が初の8割超。一方で「期待感」は昨年よりも2割以上増加
本調査では、2023年度春に入社予定の内定者に対し、これから社会人になるにあたりどのような気持ちが強いか、「不安、心配な気持ち」「嬉しさ、楽しみな気持ち」「さみしさ、悲しさ」など、8つの項目について質問しました。
結果、「不安、心配な気持ち」が最も高く、85.1%となりました。2020年度、2021年度に実施した同様の調査結果と比較すると、約8ポイント前後増加し、初めて8割を超える結果となりました。
次に、「嬉しさ、楽しみな気持ち」が66.9%、「期待感」が66.0%と続き、こちらも2020年度、2021年度と比較すると増加しました。特に、「期待感」は昨年は10ポイント以上減少していましたが、今年は昨年より24.3ポイントと大幅に増加する結果となりました。(図1)

2. 内定者の約7割が「自分の能力」に不安。上司との関係や職場風土を上回る
8割以上の内定者が「不安、心配な気持ち」を抱えていることがわかりましたが、一体どのような不安があるのでしょうか。入社に向けての不安を質問したところ、1位に「自分の能力で仕事についていけるか(68.5%)」、2位に「しっかりと成果を出せるか(56.5%)」という結果となりました。
次に高くなった項目に「生活リズムの変化、社会人としての考え方に慣れることができるか」が45.6%、「上司とうまくやっていけるか」が43.3%、仕事内容や職場の風土については33%前後が不安を抱える結果となりました。上司との人間関係や職場環境よりも、自分の能力に関することに不安が集まりました。(図2)

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