内定者意識調査(2023年度 想定する入社後の壁編)
24卒内定者の8割が社会人になることが不安と回答。入社後に想定している壁と企業に求めるサポートが明らかに!
2024年1月29日
背景
企業が社会情勢やビジネス環境の大きな変化を乗り越え発展していくためには、人的資源の確保・定着が急務となっており、優秀な若手社員の定着も経営課題のひとつとされています。当社で実施した社会人1年目の意識調査*1では、上司とのコミュニケーションにネガティブなギャップを感じた新人は「会社を辞めたくなる」という結果が明らかとなり、若手社員の早期離職防止には上司からの働きかけが大きく影響することがわかりました。入社後にネガティブなギャップを感じさせないためには、企業や上司が入社前の段階から、内定者の気持ちや想定している壁を知り、入社に向けた適切な受け入れ準備を進めることが重要です。そこで、当社は例年、内定者が入社前にどのような気持ちを抱いているか実態を調査しており、昨年の内定者意識調査*2では、8割以上の内定者が不安を抱えていたことがわかりました。大学入学直後から卒業するまでコロナ禍で過ごしてきた24卒の内定者は、どのような特徴があるか、また入社後に直面する壁をどのようにイメージしているか、本レポートにまとめました。新入社員・若手社員育成に悩む経営層、人事担当者、さらには現場の管理職の方にとって、有益な情報となれば幸いです。
調査結果の概要
- ● 社会人になること、約8割が「不安・心配」と回答し最大の割合に
- ● 半数以上の内定者が「仕事についていけるか」「成果を出せるか」に不安を感じている
- ● 入社後に直面すると想定している壁は、「仕事の難易度」「生活リズムの変化」が上位
- ● 内定先に求めるサポートの上位は、「先輩社員との関係構築」「マナーなどの社会人の基礎教育」
- ● 入社後に期待することは、「成長できること」「給料がもらえること」「社会の役に立てること」
- ● 内定辞退や早期離職を防ぐために企業が取り組めることとは

1. 社会人になること、約8割が「不安・心配」と回答し最大の割合に
まず初めに、内定者404名に対し、社会人になるにあたりどのような気持ちが強いか質問しました。 結果、「不安、心配な気持ち」が78.7%と最も高い割合となりました。次に「期待感」が46.2%、「嬉しさ、楽しみな気持ち」が42.7%と続きました。(図1)

2. 半数以上の内定者が「仕事についていけるか」「成果を出せるか」に不安を感じている
学生から社会人になるにあたり、大きな不安を感じている内定者は、具体的にどのような不安を感じているのか質問しました。
結果、65.8%の内定者が、「自分の能力で仕事についていけるか」に不安を抱えている結果となりました。続いて「しっかりと成果を出せるか」が55.1%と、半数以上の回答を集めました。
また、今回新たに項目として追加した「先輩・同期とうまくやっていけるか」という項目は46.2%と第3位にランクインし、「上司とうまくやっていけるか(41.9%)」よりも高い割合となりました。内定者にとっては、上司との関係性以上に、先輩・同期のような身近な存在との関係性に不安を感じている割合が高いことがわかりました。(図2)

3. 入社後に直面すると想定している壁は、「仕事の難易度」「生活リズムの変化」が上位
次に、学生から社会人へのトランジションを迎える過程で、どのような壁に直面すると思うか質問したところ、98.0%の内定者が何らかの壁に直面すると想定していることが明らかになりました。想定する壁のうち、「仕事が難しい(51.9%)」と回答した内定者が最も高く、次に「生活リズムの変化(47.6%)」が続きました。(図3)

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