【内定者意識調査(内定期間に考える「働く理由」編)】学生時代の経験で「働く理由」「入社企業を選ぶ背景」の違いが明らかに| ニュースリリース |人材育成・社員研修
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2024.02.28
ニュースリリース お知らせ累計13,000社400万人以上の組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(オールディファレント)株式会社(旧株式会社ラーニングエージェンシー 所在地:東京都千代田区 代表取締役社長:眞﨑大輔)および人と組織の未来創りに関する調査・研究を行うラーニングイノベーション総合研究所は、2023年10月16日~12月4日の期間で、403名を対象に「内定者意識調査」を実施しました。当社が1月に発表した内定者意識調査レポート*1では、2024年に入社を予定している内定者が抱える不安や想定している壁(困難)について分析しました。今回は内定者が考える「働く理由」について調査・分析した結果を公表いたします。
*1 ラーニングイノベーション総合研究所「内定者意識調査」想定する入社後の壁編背景
企業を取り巻くビジネス環境が急速に変化する中、企業が発展し続けるために、人的資源の確保・定着が急務となっており、優秀な若手社員の定着は経営課題のひとつとされています。その中でも新入社員には、目標達成のための努力経験を積みながら成長し、長期的な活躍をすることが企業から期待されています。昨年、当社で実施した社会人1年目の意識調査*2では、学生時代に高い目標に向けて努力した経験がある新人は、経験がない新人より、入社前後のギャップをポジティブに捉える傾向があることが明らかとなり、学生時代の経験が入社後の仕事の向き合い方に大きく影響することがわかりました。
当社は例年、内定者意識調査を行っておりますが、今回の調査では「学生時代の経験」が「働く理由」にどのような影響を及ぼしているかを知るべく、新たに設問項目を追加し、本調査を実施しました。
*2 ラーニングイノベーション総合研究所「若手社員の意識調査(社会人1年目)学生時代の経験の影響力」調査結果の概要
- ● 内定者が考える働く理由、「お金を稼ぐため」が56.6%と最大の割合に
- ● 学生時代に目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「能力・人間性向上」「やりがい」を重視する傾向に
- ● 目標達成のために努力できた理由、上位は「興味・関心があったから」「成長したかったから」
- ● 入社する企業を決めた理由、「業界・事業内容」「業務内容」に興味を持ったからが上位の結果に
- ● 入社する企業を決めた理由、目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者より「先輩社員の魅力」「成長できる環境」「会社の目指す方向への共感」を重視する傾向
- ● 【考察】入社後活躍する新人が育つ環境とは
調査結果の詳細
1. 内定者が考える働く理由、「お金を稼ぐため」が56.6%と最大の割合に
2024年に入社を予定している内定者に対し、何のために働きたいか、働く理由について質問しました。結果、「お金を稼ぐため」と回答した割合が56.6%と最も高くなりました。次に、「自分の能力や人間性を高めるため」が43.7%、「社会貢献や誰かの役に立つため」が42.7%と続きました。(図1)
2. 学生時代に目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「能力・人間性向上」「やりがい」を重視する傾向に
次に、先述の「働く理由」の回答結果を、学生時代に目標達成のために努力した経験があるかないかで比較・分析しました。
その結果、目標達成のために努力した経験があると回答した内定者は、55.1%が「お金を稼ぐため」と回答し、次に「自分の能力や人間性を高めるため(44.1%)」、「社会貢献や誰かの役に立つため(41.7%)」と続きました。
一方、目標達成のために努力した経験がないと回答した内定者は、81.8%が「お金を稼ぐため」、59.1%が「社会貢献や誰かの役に立つため」と回答し、目標達成のために努力した経験がない内定者は、ある内定者よりも「お金を稼ぐため」と回答した割合が26.7ポイント高い結果となりました。
目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者よりも「夢を叶えるため」「生きるため」「自分の能力や人間性を高めるため」「やりがいを感じるため」と回答した割合がそれぞれ13.6ポイント、9.3ポイント、7.7ポイント、7.2ポイント高くなり、やりがいや自己成長を重視する傾向が見られました。(図2)3. 学生時代に目標達成のために努力できた理由、上位は「興味・関心があったから」「成長したかったから」
目標達成のために努力した経験がある内定者が、ない内定者よりやりがいや自己成長を重視する傾向があることがわかりましたが、なぜ目標に向かって努力することができたのか、その理由を調査しました。
結果、「興味のあること/得意分野だったから」が56.4%と最も高い割合となりました。続いて、「成長したかったから(45.9%)」「達成感を得たかったから(29.7%)」「やりきることに価値があると思ったから(28.1%)」となりました。(図3) 学生時代に目標に向かって努力した経験がある内定者の多くは、その内容が「興味・関心があるかどうか」「得意としている分野かどうか」と、その経験によって「成長できるか」「達成感を得られるか」を重視していると推察できます。4. 入社する企業を決めた理由、「業界・事業内容」「業務内容」に興味を持ったからが上位の結果に
2024年に入社する内定者の働く理由が明らかとなりましたが、入社する企業を決めた理由は何か質問しました。
結果、「業界・事業内容に興味を持ったから」が55.3%と最も高い割合となりました。続いて、「業務内容に興味を持ったから(46.4%)」となりました。(図4)5. 入社する企業を決めた理由、目標達成のための努力経験がある内定者は、ない内定者より「先輩社員の魅力」「成長できる環境」「会社の目指す方向への共感」を重視する傾向
最後に、目標達成のために努力した経験のある・ないで、企業への入社理由に違いがあるか、見ていきましょう。
学生時代に目標達成のために努力した経験がある内定者が、入社する企業を決めた理由の上位は「業界・事業内容に興味を持ったから(55.6%)」「業務内容に興味を持ったから(45.7%)」、目標達成のために努力した経験がない内定者も「業務内容に興味を持ったから(59.1%)」「業界・事業内容に興味を持ったから(50.0%)」が1位、2位にランクインしました。
目標達成のために努力した経験がある内定者とない内定者を比較すると、目標達成のために努力した経験がある内定者は、ない内定者より「先輩社員が魅力的だったから」「成長できる環境が備わっているから」「会社の目指す方向に共感したから」と回答した割合が、それぞれ20.2ポイント、19.9ポイント、9.1ポイント高い結果となりました。(図5)まとめ
Z世代の内定辞退や早期離職の予防は企業にとって喫緊の課題であり、課題解決のためには彼らの働くことに対する価値観を深く理解することが大切です。そこで今回は、2024年に入社予定の内定者が考える「働く理由」を軸に、「学生時代に目標達成のために努力した経験」との関係性を調査・分析しました。
調査結果より、今年の内定者が考える働く理由は「お金を稼ぐため」という回答が最大となり、次に「自分の能力や人間性を高めるため」「社会貢献や誰かの役に立つため」が続きました。この回答は、学生時代に目標達成のために努力した経験のある・ないにより違いがあることも明らかとなりました。努力した経験がある内定者は、やりがいや自己成長を重視する傾向が見られ、努力した経験がない内定者はお金を稼ぐことや他者貢献のために働きたいと考える傾向にありました。
また、内定先の企業を決めた理由では、目標達成のための努力経験のある・ないにかかわらず、「業界・事業内容」「業務内容」が自身の志向とマッチしているかが決め手となることがわかりました。加えて、学生時代に目標に向けて努力した経験がある内定者は「成長できる環境」を望む割合が高くなりました。彼らが努力できた理由としては「興味のあること/得意分野だったから」「成長したかったから」がトップとなり、自身の興味関心事や強みを認識していることや、自己成長を目的としていたことがわかりました。【考察】入社後活躍する新人が育つ環境とは
今回の調査では、2024年卒内定者の仕事に対する価値観の傾向が浮き彫りになりました。また、学生時代の経験により価値観に差があることもわかりました。今年の内定者は、大学・高校に入学したときからコロナ禍での様々な行動制限があり、海外留学、チームでの活動、対面での活動などができず、何らかの目標に向かって努力する経験が少なかった内定者が、過去よりも多い可能性があります。また、内定者全体としては、内定先企業の業界・事業内容へ高い関心を持っていることも明らかになりました。
早期離職を防ぐためには、まず、自社の理念や事業の意義をより具体的に理解してもらう取り組みが必要です。多くの企業では新入社員研修の中で理解を促す機会を設けていますが、その場に配属先の上司やOJT担当者も同席してもらい、対話型で進めるとより効果的です。理念や事業の意義がどのように具現化されているかをイメージしてもらえることに加え、配属先での指導との連動にもつながります。
配属先の上司・先輩には、内定者個々の価値観や過去の経験を把握し、適切な業務経験の付与により成長を促すことが求められます。しかし、採用プロセスにおいて採用担当者が持っている、個々の内定者のリアルな情報が、現場の上司・先輩に適切に共有されていないことがあります。情報不足により、適切な業務付与がされず、期待外れだと失望したり、プレッシャーに押しつぶされたりすることも想定されます。採用担当者と現場の育成担当者の連携を強化し、一定期間は共に育成に携わることも検討するとよいでしょう。ALL DIFFERENT株式会社
組織開発コンサルティング本部 コンテンツマネジメント部 部長
河合 司真子(かわい・しまこ)
事業会社を経て2017年にALL DIFFERENT株式会社(旧トーマツ イノベーション/ラーニングエージェンシー)に入社。研修講師とコンサルタントを兼務し、サービスの企画・開発、研修講師育成、中堅~大企業に対して研修の企画・提案および実施などをはじめとした人材育成支援に従事。その後、サービスの企画・開発部門のリーダーとして、アセスメント・サーベイ、対面研修、オンライン研修などの新サービスを企画・開発。研修講師育成のリーダーとしても活動。研修講師としては公開講座や企業内研修等で、管理職研修を中心に年間100回以上の研修を実施。調査概要
調査対象者 当社が提供する内定者向け研修の受講者(2024年卒業予定) 調査時期 2023年10月16日~12月4日 調査方法 Web・マークシート記入式でのアンケート調査 サンプル数 403人 属性 ▼業種
情報通信業 154人 (38.2%)
製造業 34人(8.4%)
卸売業,小売業 34人 (8.4%)
建設業 25人(6.2%)
不動産業,物品賃貸業 22人 (5.5%)
学術研究,専門,技術サービス業 20人 (5.0%)
運輸業,郵便業 18人 (4.5%)
サービス業(他に分類されないもの) 14人 (3.5%)
生活関連サービス業,娯楽業 13人 (3.2%)
複合サービス事業 7人 (1.7%)
電気,ガス,熱供給,水道業 4人 (1.0%)
金融業,保険業 4人 (1.0%)
農業,林業 3人 (0.7%)
鉱業,採石業,砂利採取業 1人 (0.2%)
その他 42人 (10.4%)
不明 8人 (2.0%)▼企業規模
1~50人 56人(13.9%)
51~100人 62人 (15.4%)
101~300人 176人 (43.7%)
301~1,000人 65人 (16.1%)
1,001~5,000人 11人 (2.7%)
5,001人~ 1人 (0.2%)
わからない 32人 (7.9%)
*本調査を引用される際は【ラーニングイノベーション総合研究所「内定者意識調査」内定期間に考える働く理由編】と明記ください
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*構成比などの数値は小数点以下第二位を四捨五入しているため、合計値が100%とならない場合がございます
ラーニングイノベーション総合研究所について
人と組織の未来創りに関する様々な調査・研究活動を行っている当社研究機関。データに基づいた組織開発に関する解決策を提供。
ALL DIFFERENT株式会社について
組織開発・人材育成支援を手掛けるコンサルティング企業。
人材育成から、人事制度の構築、経営計画の策定、人材採用までの組織開発・人材育成の全領域を一貫して支援。《沿革》2006年 トーマツイノベーション株式会社として人材育成事業を開始し、業界初や特許取得のサービスを多数開発・提供 2019年 株式会社ラーニングエージェンシーとして、デロイトトーマツグループから独立 2024年 ALL DIFFERENT株式会社へ社名変更 代表取締役社長 眞﨑 大輔 本社所在地 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー 15F(受付)・17F・18F 支社 中部支社、関西支社 人員数 288名(2024年1月1日時点) 事業 組織開発支援・人材育成支援、各種コンテンツ開発・提供、ラーニングイノベーション総合研究所による各種調査研究の実施 サービス 定額制集合研修「Biz CAMPUS Basic」/ライブオンライン研修「Biz CAMPUS Live」
ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」/ビジネススキル診断テスト「Biz SCORE Basic」
IT技術習得支援サービス「IT CAMPUS」/管理職アセスメント「Discover HR」「Competency Survey for Managers」
人事制度構築支援サービス「Empower HR」/経営計画策定支援サービス「Empower COMPASS」
転職支援サービス「Biz JOURNEY」ほかURL www.all-different.co.jp お知らせ一覧
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