ポケラボ様 トップインタビュー「変化の激しいモバイルゲーム業界だからこそ、ブレないミッションを軸に現場に寄り添った人材開発を行っている」|事例

株式会社 ポケラボ 様
代表取締役社長 前田 悠太 様
代表取締役社長 前田 悠太 様							|ポケラボ様 トップインタビュー「変化の激しいモバイルゲーム業界だからこそ、ブレないミッションを軸に現場に寄り添った人材開発を行っている」|事例_3
会社設立
:2007年11月
事業内容
:モバイルソーシャルアプリの企画・開発・運営
従業員数
:182人
本社
:東京都港区六本木6-11-1 六本木ヒルズゲートタワー
企業サイト
:pokelabo.co.jp
代表取締役社長 前田 悠太 様|ポケラボ様 トップインタビュー「変化の激しいモバイルゲーム業界だからこそ、ブレないミッションを軸に現場に寄り添った人材開発を行っている」|事例_3

同社では、『ソーシャルアプリで世界と人を変える』というミッションを果たすため、人材開発に重点を置いています。
プランナー、エンジニア、デザイナーなど、様々な価値観を持った職種が共存し、より高い価値を発揮できる企業に飛躍し続けるために、どのような人材開発を行っているのでしょうか。経営層とマネジメント層の相互理解の強化、現場マネジャーのコミュニティ形成、1on1ミーティングや現場のニーズに沿った内製研修やワークショップの実施など、様々な施策に取り組んでいますが、「重要なのは、施策の実行ではなく、浸透するまで愚直に続けること」と前田社長は語ります。人材開発の専任組織である人材戦略チームと現場が一緒になって推進している人材開発とは、どのようなポイントがあるのでしょうか。

人材戦略チームを事業部内に発足

約3年前、組織戦略の中で特に人材開発に注力し、事業の核であるゲーム事業部内に現場の人材開発を担う人材戦略チームを発足(発足当初はプロジェクト、その後、チームとして組織化)。人事部が採用や労務と並行して人材育成の機能を担うケースが多くある中、同社では、育成支援機能を事業部内に移管したのです。なぜこのような体制を構築したのでしょうか。前田社長が人材開発に込めた想いをお話しいただきました。

市場の変化に応じて、必要とされる技術スキルは変わる。だからこそ、普遍的なスキルを磨くことが差別化につながる
代表取締役社長
前田 悠太様

『徹底的に現場に寄り添った人材開発をする』ために事業部内に人材戦略チームを発足しました。人材育成で重要なのは、社員が『育成』に関して共通の意識をもつこと。そのために、施策の実行ではなく、浸透するまで愚直に続けることです。施策を現場に浸透させるためには『組織として育成に注力することは当然』『同じ事業部の仲間がごく身近で、かつ現場目線で取り組んでいる』という状態をつくることが大切だと考えました。

このような考えのもと発足した人材戦略チーム。徹底的に現場に寄り添い、人材開発に関するあらゆる課題を解決するため様々な取り組みを行っています。

人材戦略チームは『人材開発に関する現場の課題解決を行い、(中長期的に)育て合う化を創る』役割を持っています。その役割を果たすために『ある程度の裁量を持って自律的に人材開発の施策を企画し、実行する』機能を持っています。具体的には、育成環境の基盤としてマネジャーのコミュニティ形成、1on1 ミーティングなどの進捗把握、日常のマネジメントフォローの実施、クリエイターやマネジャーの能力醸成を目的としたワークショップの企画・運営、ハンズオン中心の研修の実施などに取り組んでいます。

育成に特化したもう一つのチーム

人材戦略チームとは別に、この3年間でもう一つ育成専任のチームが生まれています。ゲーム開発技術の進化に伴い、全クリエイターが新しい技術の習得を求められました。そこで、全職種が基本技術を習得し、共通言語を持つことを目的に、"ネイティブシフト"と称するチームを発足。ネイティブゲーム開発・運用が未経験の人材をチームに異動させ、集中して知識や技術を身につける環境を整えました(現在は、役割を完遂したため凍結)。通常、技術習得に関する組織の打ち手は、社員の自主性に委ねるか、研修や資格取得などの機会の提供かと思います。当社の場合は、技術習得のためのチームに異動させ、一定期間、技術習得にコミットしてもらうよう徹底しました。具体的には、ゲームの一部を実際に作ってもらいますが、合格には厳しいラインを設けました。配属期間は1カ月から3カ月、時には6カ月を要することもあります。この期間だけを見ると売上に紐付きませんが、長期的に見ると、メンバーとチームパフォーマンスの向上に直結したと感じています。このように、外部環境の変化をとらえ、組織化のレベルで人材開発に注力しています。

市場の変化に応じて、必要とされる技術スキルは変わる
だからこそ、普遍的なスキルを磨くことが差別化につながる

当社は10年間で、事業領域の大きな転換点を3度経験しています。市場の拡大縮小や、ライバル企業の動向、技術革新のスピードに応じて、事業の業績はどうしても変動があります。技術革新の変化が激しい結果、明確な人材要件を設定しても一時的に変化のスピードに対応できない時もあります。この変化に対応するために大事にしていることが、ミッションオリエンティッドの考え方です。当社は全社員を集めて毎週朝会を実施していますが、そこでも様々な表現や具体例を交えて、ミッションを必ず伝えています。伝え続けることで浸透し、ここがブレないからこそ、会社として同じ方向を目指すことができます。

現場のプロジェクトマネジャーの金氏は、これに対して「社長の一貫したメッセージ、ミッションを軸にしつつ、環境変化に伴う戦略と組織に求められる変化を趣旨とともに発信されている。各プロジェクトの人員規模はこの2~3年で倍ほど、そして売上規模も数倍になった。そのため、マネジャーはよりメンバーと向き合うことを求められている。そのために必要な1on1ミーティングや、マネジャー間の連携をサポートしてもらえる環境が整えられていることがポケラボのいいところの一つだと感じている。」と話します。

当社は、技術を主軸とする会社ですが、技術スキルだけでなく、マネジメントスキルやビジネススキルなどの普遍的なスキルも同様に重要視しています。事業領域がすさまじいスピードで変化する中、明確な人材要件を定義することは現実的ではありません。しかし、普遍的なスキルは、時代が変わってもその重要性は変わりません。両方のスキルを磨き上げることが、自社のミッション達成に直結すると考えています。例えばマネジメントスキルやビジネススキル開発の取り組みとして、上司と部下の1on1 ミーティングや第三者を含めた"ナナメ"1on1ミーティング、内省支援、現場のニーズに柔軟に応じる学習機会としてBiz CAMPUSの研修があります。ゲーム開発のプロジェクトは、様々な職種の社員が一緒になり、開発から運用まで複数年かけて取り組みます。その中に一人で完結する仕事はありません。全社員が共通のミッションを目指しながらも、それぞれの専門性に即した価値観を持っています。例えば、(一概には言えませんが)プランナーは自分の中にあるアイディアをベースに、エンジニアは論理性や実現可能性をベースに、デザイナーはある種のセンスや感覚もベースにしながら仕事を進めます。ポケラボとして、市場において最大限のパフォーマンスを発揮するためには、様々な職種の社員が技術的かつ普遍的な共通言語を持つことによって、相互理解をすることが大切です。この業界には、スキルの習熟度によって転職を繰り返す慣習があるものの、ポケラボではそれを全く推奨していません。社員を全員スーパーマンにしたい。そのためには、 技術スキルだけではなく、マネジメントスキルやビジネススキルなど、普遍的なスキルの強化が必要不可欠です。それが他社との差別化になると強く信じています。業績が好不調の波にのまれようと、人材開発は外せません。

現場目線を忘れない人材育成を

『現場に寄り添い、人材開発の施策を浸透させてほしい』この点こそ、人材戦略チームに期待していることだと、前田社長は語ります。この期待に対して、人材戦略チームのマネジャー政木氏がどのように考え、取り組んでいるのでしょうか。

現場目線を忘れない人材育成を
ゲーム事業本部
人材戦略チーム マネジャー
政木 広尚様

人材開発の役割は、『間接的に、経営にコミットすると共に、社員のパフォーマンスを最大化すること』だと考えています。
組織でこの領域を担うということは、現場目線を忘れず、施策の浸透含め自社の人材開発について24時間考え続けることになります。例えば、上司が、1on1ミーティングや内省支援をすることが苦手というケースがあります。その結果、上司のマネジメント力醸成や部下の育成が滞ってしまっては我々のミッションを達成することができません。このケースの場合、人材戦略チームが、上司と一緒に1on1ミーティングや内省支援を行います。つまり、サポートではなく『同じ目線で一緒に取り組む』という感覚が近い。こうした取り組みは、上司のマネジメント力醸成と、部下育成の両方に繋がります。このような風土が初めからあったわけではありません。当初は、現場のマネジャーから「この(部下育成に関する)ミーティングや研修は本当に必要ですか?」という声もありました。研修を開催しても予定していた参加者が殆ど来なかったことも珍しくありませんでした。しかし今では、マネジメントの必要性や、正しい型を学び実践することへの意識が徐々にできつつあると感じます。

人材戦略チームと一緒に人材開発の施策に取り組む現場のプロジェクトマネジャーの金氏は、どのように感じているのでしょうか。

市場の変化に応じて、必要とされる技術スキルは変わる。だからこそ、普遍的なスキルを磨くことが差別化につながる
ゲーム事業本部
プロジェクトマネジャー
金 鐘秀様

1on1ミーティングや部下へのフィードバックなど、やり方が分からないときは、人材戦略チームが一緒になってやってくれるのでハードルも下がりました。その結果、社員の発言や行動に変化を感じるようになったことは、非常に新鮮な感覚です。マネジメントが機能することで、メンバーとの相互理解が深まり、いいアイディアや考えを取り入れることができるようになりました。よりよいゲームを世に送り出すことにつながるため、作り手としてありがたいです。

全てはヒトと向き合うこと

変化の激しいモバイルゲーム業界だからこそブレないミッションを軸に現場に寄り添った人材開発を行っています。その結果、施策は確実に浸透してきていると感じています。ポケラボは『モノ創り』の会社であることを忘れない、ここにいる『創る』仲間達が主役の会社です。そんなポケラボの成長は、ここにいる仲間の成長の総和に他ならないからこそ、会社が一体となって永続的に人材開発に取り組んでいきます。

全てはヒトと向き合うこと

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